そろそろ

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信のブログ

幸福なのか? 何とも「末吉」な毎日で。

2009-09-05 01:55:33 | 路上ライブ


  閑話休題。小降りになったのを見計らって歌いに
出た。バイクは、北朝霞のいつもの場所に止めたけれ
ど、今日、歌ったのは和光市。東武電車で2つ目の駅。

 10年前の第2次路上音楽ブームの頃には、よく歌い
にきていたけれど、ここは自衛隊関係者の施設が多い
街だから、最近、歌うのを遠慮していた。「海外派兵」
の話があって、「うちのおやじが」とか、「友達のお父さ
んが」なんて不安な気持ちを抱えている人達の多い街
の駅前で、歌なんか歌いまくっては申し訳ないと思って
いた。

 でも、印象のいい街なの。この街の思い出としてよく
話すのは、自衛隊の方の最高のもてなし。10人以上
いたかな。夜の遅い時間に歌をじっくりきいてくれて、
「そろそろ終電なので志木に帰ります」というと全員が
横に整列して、一番、端にいた人が缶ジュースを持っ
て私の前に走り寄り、ひざまずいて差し出す。

 「あぁ、どうも」なんて感じで、とろうとすると渡してくれ
ない。「?」と思うと。「〇〇〇〇、よし」と言って下さい。
と言われ、。「〇〇〇〇、よし」と言ったらジュースを渡
してくれた。きっと自衛隊の人達流のもてなしなのだろ
うね。

 今回も、街の印象は凄くいい。1曲目から止まってく
れる人がたくさんいるし、何度、笑顔で「がんばって下さ
い」って言ってもらった事か。凄い幸せな気持ちになりま
した。

 今年は、ずっとそう。何か、一度、悪い事があった後に、
最高に盛り返す。先週のペイントボックスに行けなかった
後の足利の楽しさも、今日の和光市の出来事も。

 今年の1月にひいた「おみくじ」が末吉だったのね。それ
で、「待人」とか「失物」とか色々な項目があったのだけれ
ど、どれも最初は、ダメで後で盛り返すという傾向だった。
そう言えば、今年、初旬を予定していた2冊目の路上本の
出版も1年の半分をこえた9月になったものね。

 まぁ、いずれにしろ、今日も、最高に演奏を楽しませても
らいました。サンキュー、和光市。また、行くよ!!

      路上音楽情報紙「ダダ」編集発行人・青柳文信

追記・歌い思って、北朝霞のバイクの所に戻ると月が出て
た。明日は晴れるね。「夏の鎌倉の海」に、今年もありがと
うとでも言いに行こうか。

追記2・写真は、雨の日に弾くギルドD-15M。マホボディの
ギター。60年代後期のギブソンJ-45みたいに細めのネック
で、低音のマホガニーっぽいウォームさはあるのだけれど、
ジャリっとした明るい音を出す。

追記3・青柳さんのギブソンへの偏愛を書いた文章は、面白
かったみたいね。あれは、なかなかメジャーの音楽雑誌には
書けないトーンなのだけれど、決して批判じゃないの。でも、
本当は、こういう主観的な意見がどんどん表に出でくると、面
白いよね。
 ギターの音を「鳴る」とか色々、評価する人がいるけれど、絶
対的な価値ってないからね。死ぬほど鳴らない70年代のダブ
をこよなく愛している人がいたりしてさ。「それ本音の話、鳴ら
ないね」と言って、「おやじから受け継いだんだけどね。バカだ
よ」って、返されて。こういう本音の、そしてヒューマンな楽器
の話がいい。

 訳知りで、「ギルドはマーチンとギブソンの中間的な音で」と
か言い出したら、話が終わってしまう。確かに、ブランドのカラ
ーってあるけれど、機種も違えば、製作の年式も違う、個体差
だってあるのに。
 よく知ったかぶった音楽ライターが「ジャズとロックとブルース
の要素を融合して」とか書くのと同じだもんね。「せっかく、楽し
むための最高のおもちゃなんだから。どこかで勉強した事を最
もらしく書いたり、しゃべったりするなよ」って感じだよね。