銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

千代の湯(目黒・学芸大学)

2017-03-26 17:13:13 | 銭湯
東急東横線学芸大学から歩いて5分ほどのところに、千代の湯がある。最近リニューアルした建物なのだろうか、きわめて綺麗な銭湯である。入り口は旅館のような風情があり、建物の中も明確なコンセプトのもとに作られている。また一つひとつのアイテムに強いこだわりを感じさせる。
券売機でチケットを買って受付の人に渡すと、脱衣場もまた素晴らしい。最近リニューアルした銭湯(モダン銭湯と呼ぶべきなのか)は、こだわりとその清潔さがとにかく徹底している。
訪れたのは18時頃だったが、予想に反してそれほど混雑はしていなかった。学芸大学駅近くということで、若い人がとても多い。
中に入ると、左手側にカランがあり、右手側に浴槽が並ぶ。その手前側が炭酸泉で、その奥に水風呂、軟水風呂、ジェットバスとあるが、ジェットバスは弱中強と用意されている。このあたりはほかの銭湯と共通しているが、炭酸泉はタイル張りの外壁で天井まで取り囲まれており、薄暗い。小さな洞窟のような雰囲気だ。中はそれほど広くなくて、せいぜい4人ぐらいが限界だろう。ただこの窮屈さもこの雰囲気によって苦にならない。天井を仰ぎ見ると、水面の揺れが投影されており、幻想的ですらある。
お湯の温度は、炭酸泉の入り口に36~40度と明記。実質38度あたりだろう。炭酸泉に最初入ったときは暗がりで全然泡がついてないと思ったのだが、目が慣れてくると濃度の高い炭酸泉であることが分かる。
ほかの湯船の温度は、43度ぐらいとちょっと熱めだ。このあたりは、伝統的な銭湯であることを踏襲しようとした姿勢が感じられる。体重計も昔ながらのはかりタイプ。おそらくアンティークとしての意味合いもあって用いているのだろう。ただ、このタイプは精度が高くないので、やっぱり実用性を重視したら今のデジタル体重計にしてほしいと思う。
それと面白いと思ったのは、サウナはないのに水風呂がある。これはどうしてだろうか? 個人的にはサウナの是非はともかく、本当に昔ながらの銭湯スタイルを踏襲しようとするなら、サウナは邪道と思う。というのも、本来なら銭湯とは湯船オンリーだからだ。
最近は、スーパー銭湯を筆頭にサウナの常設はほぼ当たり前になっているが、一般的な銭湯となるとどうしても広さが限られる。その中でサウナを作って水風呂を作るとなると、必然的に浴槽の広さや種類が圧迫される。
銭湯は、あくまでも浴槽がメインで、サウナはオプション的な存在である。そのサウナに圧迫されるぐらいなら、サウナをなくして浴槽を充実させてほしいと思う。
それと、銭湯のサウナはスーパー銭湯のような温度を逃がさない緩衝スペースを作る余裕がないので、客の出入りが激しいとどうしても温度が下がってしまう。やはり、サウナは狭い銭湯だと不向きと感じる。
その点で千代の湯がサウナを作らなかったのは潔いと感じた(どういった経緯で作らなかったのは知る由もないが)。
あと残念だったのは、若い入浴客の大きな話し声。自分がいたときは室内にずっと響いていた。若さゆえなのだろうが、落ち着いて湯船につかろうと思うと、ここはちょっと適してないかもしれない。

【評価チェック箇所】
・値段 460円
・アクセス(道程)けっこう近い
・周辺の店 お洒落なお店がたくさんある
・休憩所 それなりのスペースが確保されている
・混雑ぶり ほどほど
・清潔さ すごく綺麗
・接客 受付は若い女性と珍しい。アルバイト的な感じはしなかった
・客層 比較的若者が多い
・脱衣所 凝った作りで綺麗
・キャパシティ 間に合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 普通
・温度 やや高め
・高低差 なし
・眺望 壁画が素晴らしい
・食事 なし