銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

福美湯

2017-03-17 08:00:19 | 銭湯
JR菊名駅を下車して、改札口反対側にある綱島街道を歩くこと5分。中華料理店の脇に福美湯をみつけることができる。
受付は番台タイプではなくカウンター式。客は年齢層が低く、一般的な銭湯にしては非常に若者が多い。入ってすぐの休憩所には、テーブル型の水槽。奥にはマッサージ機があり、そのマッサージ機の周りにはドライフラワーが取り囲む。経営者の趣味全開の店である。それと横には乾燥機が併設されている。
料金を払って脱衣場に入ると、一画には個人名の記されたロッカーがある。常連客用だろうか? 飲食店ではボトルキープという言葉があるが、ここではロッカーキープができるようだ。左手にはテラス。ストーブまで用意されている。床材はおそらく竹製で、水がたまりにくい構造だ。山岳の写真や中国風の蛸が飾られるなど随所にこだわりを感じさせるが、いかんせん休憩所とおなじく統一感がない。浴室の入り口には乾燥機とはべつの洗濯機がある。
浴室は外からみた想像よりも小さく、左手に水風呂、サウナ、露天風呂と続き、右には薬湯、岩盤泉、寝湯ジェットバス、炭酸泉と並ぶ。炭酸泉は、個人経営の銭湯では非常に珍しい。それと、炭酸発生装置がむき出しなのもはじめてみた。炭酸泉の濃度、広さは申し分ない。
刮目すべきは内風呂の壁画で、小さなタイルを用いたモザイク画。男女湯を通してひとつの絵となっているが、下絵に沿って一つひとつタイルを選びなが貼っていたことを考えると気の遠くなるような作業だったろう。一般的な銭湯では日本各地の景勝地がモチーフとなるが、ここでは湖畔に佇む西洋のお城。背景には均等の取れた山が連なっている。当時としては慣習に捕らわれない斬新な絵だったのではないだろうか。
建物は外側からみるとやや古さが目立つが、内装は先述したようにこだわりを感じさせ、よく手が行き届いている。清潔感もあり、若い人たちに支持される理由も分かる気がする。

評価チェック箇所
・値段 470円
・アクセス(道程) そこそこ近い
・周辺の店 商店街を通るため、飲食店が充実してる
・休憩所 経営者の趣味全開
・混雑ぶり そんなでもなかった
・清潔さ きれい
・接客 素っ気ないが、悪い気はしなかった
・客層 中年か若者
・脱衣所 ここも趣味全開
・キャパシティ 一つひとつの湯船は小さいが十分
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 普通
・温度 ちょうど良い。理想的
・高低差 なし
・眺望 内風呂の壁画が素晴らしい。露天風呂の眺めはそんなに良くない
・食事 なし