銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

タカラ湯(東京・北千住)

2019-08-31 06:32:29 | 銭湯





JR常磐線もしくは東京メトロ千代田線の北千住駅を降りると、商店街を抜けて荒川方面へと歩いた住宅街のところに、タカラ湯がある。
江戸時代の銭湯文化を今も継承する風情ある銭湯だった。


【タカラ湯】をザックリいうと
◎水風呂、縁側あり
・江戸時代の文化を受け継ぐ
・王様的な縁側
・かなり熱めのお湯





▲北千住駅西口


▲振り返ったところ


▲駅前は商業ビルが立ち並んでいる


▲北千住西口美観商店街に向けて出発


▲とにかくひたすら真っ直ぐ


















▲横断歩道を渡り














▲ここでストップ


▲右の横断歩道を渡る


▲横断歩道を渡ったところ


▲あとは荒川方面へと真っ直ぐ行くだけ








▲ここらへんは、いかにも東京の下町らしい路地






▲すると、ようやく見えてくる




▲到着。開店10分前に着いてしまった


▲敷地が広い。庭があるためだろう


▲右に回ると煙突


▲年季が入ってる


▲立派な宮(破風)造り


開店前に着いたので、近くの荒川に向かってみることに


▲荒ぶる川というだけあって、土手の広さは随一である


▲ここから右(写真の方向にまっすぐ)に進めば、かつて昭和のドラマを飾った「3年B組金八先生」のロケ地がある




▲振り返るとタカラ湯の煙突と遠くには、スカイツリーが見える


▲少しぼやけてる


▲実はこの日は到着した途端に厚い雲に覆われて小雨が降ってきた


めちゃくちゃ暑くて汗だくな上に雨にも降られたので、気分はぐちゃぐちゃ。
駅からここまで歩くのに20分も掛かるので、汗だくになるのは必至だ。
真夏に来るのは厳しいだろう(皮肉なことに縁側の風景は夏がもっとも似合ってるのだが…)



▲そして開店したときの写真。入り口右に「わ」の文字が見えるが、板(いた)と「わ」を組み合わせて「沸いた」である。
これも江戸の風流を模したものだ


入り口に入ると、ちょっと狭い下足箱になっている。サンダルを入れて中に入ると、右側にフロント。その奥側に小さなロビーが先細りする形で続いていた。奥には猫の額ほどの縁側があって、椅子も置いてある。


出典:タカラ湯ホームページ引用


フロントに座るのは、50代後半ぐらいの男性。真面目な対応で好感がもてる。
メディアに取り上げられる銭湯だと横柄な店主が多いものだが(個人的な偏見)、ここはそんなことがなかった。


男湯は左側にあって、のれんをくぐるとなんともいえない風情ある空間が広がっている。
ほの暗い空間には手入れの行き届いた日本庭園が覆っており、懐かしさと静ひつ感が入り交じる心穏やかな空間だ。


出典:タカラ湯ホームページ引用


ほかに天井は格天井、時計は柱時計など細かいところまでレトロ感が満載。ただ、トイレは自動点灯するのと、ロッカーの上には液晶テレビが設置してあったりと、この辺はさすがに現代的だった。


出典:タカラ湯ホームページ引用


それと浴室入り口部分には、ケロリンミュージアムとあって、なにか特別仕様なのかと思ったら、なんにもなかった。入り口の広告だけか。


さっそく浴室に入ると、思ったよりも広い空間になっている。
島カランが2つあって、左右の壁にもある。それとカランは背が低いのがここの特徴で、床、天井がピンク色。カラン部分が橙色など、このへんもほかにない色彩感覚である。


壁絵はペンキ絵であるが、額縁のような線が引かれていて、その枠に富士山が描かれている。女湯も同様。
なので一般の銭湯のような地続きの絵にはなっていない。それぞれの中心部に富士山が鎮座してる。


出典:Find my Tokyoホームページ引用
▲こちらは新幹線が描かれている


浴槽も少し変わった作りをしていて、奥の浴槽スペースだけ左側が横長になっている。そこに薬湯や水風呂がある。
正面の奥にあるのが主浴槽で、右の狭い方が深浴槽の座湯でジェットバス。
左の広い方が浅浴槽ですみっこに電気風呂。その近くに湧出口があって、ステンレスの格子が前方を覆っている。


出典:タカラ湯ホームページ引用

さっそく足を入れてみると、めちゃくちゃ熱い!
何度だろうと思って温度計を確認すると、47℃ジャスト。どうりで熱いわけである。いきなり47℃は厳しかった。
しかし常連客の試すような視線を感じたのでここでひるんでは男がすたると、何食わぬ顔して入ってみたが、心の中では半べそかいていた。


結局すぐに上がると、隣の深浴槽も入ってみたが、こちらは少し温度が低いかもしれない。それでも単独で入ったら熱い方だろう(44℃前後か)。


出典:タカラ湯ホームページ引用


それと左側にあるのが、先ほども触れた薬湯と水風呂。その背景には、地獄絵図を写真にしたパネルが飾られてあった。なぜまた地獄絵図なのか分からないが…。


出典:タカラ湯ホームページ引用


薬湯は長湯してる人がいたので、たぶん低温かなと思ったら、やはり41℃ほどとぬるめ。これなら熱湯が苦手な人も入れるだろう。
水風呂(ゲルマニウム鉱石)もサウナ用でないせいか、マイルドな温度だった。温度計を見ると30℃以上で、体感的にはもう少し冷たかった気もするが、47℃のお湯に浸かったあとに入ったので、実際はそれぐらいだったかもしれない。


それと薬湯、水風呂の前に腰掛け椅子があるが、向きが浴槽に向くため、庭を眺めるには体勢がちょっとキツい。


出典:タカラ湯ホームページ引用


客層は見事なまでに高齢者ばかりで、途中で若い人も入ってきたが、開店直後はほとんど常連客ばかりだろう。


ここは東京メトロが展開をしている「Find my Tokyo」で紹介された銭湯で、マニアにはかなり有名なところのようだ(自分は無知なので最近まで知らなかった)。
その名を知らしめてるのは、もちろん庭と縁側。縁側は自他ともに「キングオブ縁側」と呼ぶが、そう言われるだけあって、感嘆する素晴らしさだ。
庭の規模からすると、松の湯(中延)やバーデンハウス(川崎)も負けてないと思うのだが、とにかくここが凄いのは、その世界観を徹底的に積み上げていることである。こうした完成度は、なかなかみられるものではない。
ちなみに、縁側は男湯側にあるが、毎週水曜日は、男女入れ替えがあるらしい。女性で縁側を眺めたい方は、水曜日に訪れるといいだろう。
それとFind my Tokyoのイメージキャラクターをつとめる石原さとみさんも、この夏オススメの場所としてこの縁側を指名していた。


出典:Find my Tokyoホームページ引用


出典:cinra.netホームページ引用
▲実際は灰皿があるのだが、CM用なのか、この画像では撤去されている


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 北千住
経路 商店街を抜けて荒川方面へ
周辺の環境 住宅と川

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 富士山
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー、キングオブ縁側
脱衣所 きれいで風情がある
シャワーの出 使い勝手がよい
浴槽の種類 バイブラ、電気風呂、ジェットバス、座湯、薬湯、水風呂
サウナ なし
温度 41℃、47℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 真面目
清潔さ きれいな方
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 50代後半ぐらいの男性
客層 高齢者がメイン


【案内】

■浴場名 タカラ湯

■住所 〒120-0041 東京都足立区千住元町27-1

■最寄り駅 北千住駅(所要時間:徒歩約20分 )
(JR常磐線・千代田線・日比谷線・東武伊勢崎線・東武線直通半蔵門線・つくばエクスプレス線)

■電話番号 03-3881-2660 

■営業時間 15:00〜23:30

■定休日 金曜日

■入浴料金

大 人: 460円(18才以上)

中学生,高校生: 300円(12才以上)

小学生: 180円(6才以上12才未満)

乳幼児: 80円(6才未満)

☆入浴券10枚 ¥4,300で販売しております。

■設備 フロント、ペンギン風呂*、気泡風呂、赤外線風呂、超音波風呂、電気風呂、座風呂、バスクリン風呂、ハーブ湯、薬湯、ぬる湯、バイブラ装置、ゲルマニューム温泉、立ちシャワー、ボディシャワー*、サウナ*、マッサージ機、飲食サービス(*は女湯のみ)

■入浴用品 石鹸、シャンプー、リンス、カミソリ、タオル、スキンクリーム&化粧品、その他

■飲食料品 ビール、チューハイ、栄養ドリンク、ジュース、牛乳、ヨーグルト、おつまみ、その他

■建物造り 破風造り

■駐車場 あり

※タカラ湯ホームページ転載