デヴィッド・クローネンバーグ監督の「危険なメソッド」をシネリーブル神戸でみてきました(20012年11月29日)。
精神分析の開拓者・フロイトと、フロイトに学びながらやがて袂(たもと)を分かつことになるユング、その精神医学の二巨頭のからみを軸にして作られた映画です。
精神分析への知識をしっかり押さえて制作された作品にみえました。
そうだったのか、と新しく教えられたこともありました。
物語はユングとユングの患者であった女性との愛を主調音にして進んでいきます。
精神科医は患者と個人的な感情で結ばれることをとりわけ警戒しなければなりませんが、女性がきわめて積極的に接近してきたこともあって、ユングはこの禁を破ってしまうのです。
しかしこの危険な愛情関係は、精神の闇から治癒した女性が非常に知的に、理性的にふるまうことで、泥沼に沈む一歩手前で乗り越えられます。
危機を抜けることによって、双方の精神がいっそう深いものになったともいえるでしょう。
さて、なかで興味深かったのは、やはりユングとフロイトの交錯でした。
フロイトはあくまで性の力(リビドー)を人間の土台に据えて考えますが、ユングはその重要さは認めながらも、精神独自の力もあると強く主張するのです。
フロイトは超心理の現象などはいっさい否定しますが、ユングはそれをむしろ積極的に肯定します。(続)
精神分析の開拓者・フロイトと、フロイトに学びながらやがて袂(たもと)を分かつことになるユング、その精神医学の二巨頭のからみを軸にして作られた映画です。
精神分析への知識をしっかり押さえて制作された作品にみえました。
そうだったのか、と新しく教えられたこともありました。
物語はユングとユングの患者であった女性との愛を主調音にして進んでいきます。
精神科医は患者と個人的な感情で結ばれることをとりわけ警戒しなければなりませんが、女性がきわめて積極的に接近してきたこともあって、ユングはこの禁を破ってしまうのです。
しかしこの危険な愛情関係は、精神の闇から治癒した女性が非常に知的に、理性的にふるまうことで、泥沼に沈む一歩手前で乗り越えられます。
危機を抜けることによって、双方の精神がいっそう深いものになったともいえるでしょう。
さて、なかで興味深かったのは、やはりユングとフロイトの交錯でした。
フロイトはあくまで性の力(リビドー)を人間の土台に据えて考えますが、ユングはその重要さは認めながらも、精神独自の力もあると強く主張するのです。
フロイトは超心理の現象などはいっさい否定しますが、ユングはそれをむしろ積極的に肯定します。(続)
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