フィリップ・ド・ブロカ監督の「まぼろしの市街戦」を元町映画館でみました。
精神病院から彼らが街へ繰りだすあたりからもう、終わりまで慢性的に涙がにじみつづけていました。
音楽がまたすばらしく、ずっと流れているひとつのテーマが、ショットによって曲調を変えるのも楽しいです。戴冠式の話が出たときにはリュリっぽくなったり。
はじめはドン・キホーテ的な、狂気をめぐる喜劇性と悲哀にしみじみ感じいりながら、やがては、ただただ希望と幸福感のなかに浸っている自分をみいだします。
不思議といえば不思議な気持ちです。どういえばいいのか、もう自分の信じたものだけで生きていけるという、そういう力を与えてくれます。
「無敵」になったという感じではなく、むしろ他者との交わり/交戦を絶って、孤絶へと背中を押してくれる力というか。
ですが孤絶といってそれは、本当にこんなに美しい作品が世界にはあって、決して自分は孤独ではないと感じさせてくれる、そういう力なんだろうとも。
下宿に寝転がって、いまの奥さんと「テレビデオ」でみてたのがもう20年ぐらい前のこと。その人とまたスクリーンで同じ映画をみるというのは、別にたいして仲のいい2人ではないけれど、何か時間の輪がひとつ閉じるような、めぐり合わせみたいなものを感じたり。
バス停で別れ、僕は自転車で帰りながら、なんか荒井由美/ばんばひろふみの「『いちご白書』をもう一度」が浮かんできていいかげんな鼻歌を歌ってましたが、いや、あれは一緒にみて、あとで別れちゃって、って歌だった。
「いちご白書」も激しく愛している映画です。あのラストショット。
そして僕が勝手に「いちご白書」の続編だと思っている「今夜はトーク・ハード」、これもずっと心の片隅でかかりつづけている映画です。あの作品のクリスチャン・スレーターはとてもよかったし、街からみえるアリゾナの山並みとか砂漠もよくって。
「いちご白書」の続編だというのは、たぶんクリスチャン・スレーター演じる主人公の両親は(勘違いかもだけど)かつて学生運動の闘士で、映画はその子供の世代の反抗/反乱の形、あるいは共闘の可能性を、そしてやはり、それがそうはたやすく実現しないという悲しみを描いてて、何かよく似た深い感動、あるいはショックを与えてくれます。
「青春映画」というのも決してありふれたものではなく、もしあるとしたら、こういう作品たちだろうと思います。
「まぼろしの市街戦」は、元町映画館は4/26まで。
これを逃すと関西はもう上映館はなさそうです、公式サイトをみるかぎり。http://king-of-hearts-film.com/#TOP
この4Kデジタル修復版も、DVDはそのうち出るんでしょうけれど。
あ、音楽はジョルジュ・ドルリューでしたか。気がついてませんでした。やっぱりいいですよね。トリュフォーの「アメリカの夜」のテーマはほんと好きです。
映画は美しく残酷、そう、つくづく。
世界が燃える日まで、あのコクリコ(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)の胸をしめつけるような永遠のチャーミングさを、フィルムに焼き付けて。
精神病院から彼らが街へ繰りだすあたりからもう、終わりまで慢性的に涙がにじみつづけていました。
音楽がまたすばらしく、ずっと流れているひとつのテーマが、ショットによって曲調を変えるのも楽しいです。戴冠式の話が出たときにはリュリっぽくなったり。
はじめはドン・キホーテ的な、狂気をめぐる喜劇性と悲哀にしみじみ感じいりながら、やがては、ただただ希望と幸福感のなかに浸っている自分をみいだします。
不思議といえば不思議な気持ちです。どういえばいいのか、もう自分の信じたものだけで生きていけるという、そういう力を与えてくれます。
「無敵」になったという感じではなく、むしろ他者との交わり/交戦を絶って、孤絶へと背中を押してくれる力というか。
ですが孤絶といってそれは、本当にこんなに美しい作品が世界にはあって、決して自分は孤独ではないと感じさせてくれる、そういう力なんだろうとも。
下宿に寝転がって、いまの奥さんと「テレビデオ」でみてたのがもう20年ぐらい前のこと。その人とまたスクリーンで同じ映画をみるというのは、別にたいして仲のいい2人ではないけれど、何か時間の輪がひとつ閉じるような、めぐり合わせみたいなものを感じたり。
バス停で別れ、僕は自転車で帰りながら、なんか荒井由美/ばんばひろふみの「『いちご白書』をもう一度」が浮かんできていいかげんな鼻歌を歌ってましたが、いや、あれは一緒にみて、あとで別れちゃって、って歌だった。
「いちご白書」も激しく愛している映画です。あのラストショット。
そして僕が勝手に「いちご白書」の続編だと思っている「今夜はトーク・ハード」、これもずっと心の片隅でかかりつづけている映画です。あの作品のクリスチャン・スレーターはとてもよかったし、街からみえるアリゾナの山並みとか砂漠もよくって。
「いちご白書」の続編だというのは、たぶんクリスチャン・スレーター演じる主人公の両親は(勘違いかもだけど)かつて学生運動の闘士で、映画はその子供の世代の反抗/反乱の形、あるいは共闘の可能性を、そしてやはり、それがそうはたやすく実現しないという悲しみを描いてて、何かよく似た深い感動、あるいはショックを与えてくれます。
「青春映画」というのも決してありふれたものではなく、もしあるとしたら、こういう作品たちだろうと思います。
「まぼろしの市街戦」は、元町映画館は4/26まで。
これを逃すと関西はもう上映館はなさそうです、公式サイトをみるかぎり。http://king-of-hearts-film.com/#TOP
この4Kデジタル修復版も、DVDはそのうち出るんでしょうけれど。
あ、音楽はジョルジュ・ドルリューでしたか。気がついてませんでした。やっぱりいいですよね。トリュフォーの「アメリカの夜」のテーマはほんと好きです。
映画は美しく残酷、そう、つくづく。
世界が燃える日まで、あのコクリコ(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)の胸をしめつけるような永遠のチャーミングさを、フィルムに焼き付けて。
(takashi.y)
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