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ブログ版 シュプリッターエコー

旧日本軍をバカ扱いする田母神論文

2008-11-01 22:05:19 | セイジ
 航空自衛隊のトップとなる航空幕僚長(ばくりょうちょう、大将級)の田母神(たもがみ)俊雄さんがまたやらかしましたねえ。
 もともと空気が読めないおヒトのようですが…。
 「わが国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬ」と論文に発表して、まあ、当然のことですが、あっけなく幕僚長の席をクビにされました。

 しかし、けっこう、あれ、今の自衛隊の空気を代弁してんじゃないですか。
 なんぼ空気が読めないタイショウでも、そういうことを書いたら自衛隊の多くの隊員に受けるだろうという計算くらいあるでしょう。
 表向きは批判しても、心の中ではみんな共感してるはずだ、と。

 しかし、軟弱な論文ですねえ。
 日本は蒋介石(しょうかいせき)によって日中戦争に引き込まれた被害者だ、っていうんでしょう。
 日本はルーズベルトの仕掛けたわなにはまり真珠湾攻撃を決行することになった、っていうんでしょう。

 これじゃあ、まるで、日本の旧軍部はアホばかりで、みんな敵のワナにはまって、大きな戦争に誘いこまれてしまった、ってそう言ってることになるじゃないですか。
 山本五十六さんがあの世で怒ってますよ。

 なんぼ日本の旧軍部に状況を見る目がなかったといっても、そこまでアホの集団ではなかったでしょう。

 ボクはなんにも悪くない。
 悪いのはアノ子とアノ子とアノ子なんや。
 …まるでダダッ子の言い訳です。

 主体性がまったくない。

 日本民族が軍事的にさえこんなに主体性を失ってしまった、その理由を第二次大戦までさかのぼっていけば、結局のところ、最後の局面での東条英機(とうじょう・ひでき)さんの優柔不断(ゆうじゅうふだん)が大きかったなア、って、ぼくは最近、個人的にはそんなふうに思い始めていますけどね。

 敗戦が決まったときに自決して責任をとるべきだったのを、おめおめと生き延びて、いよいよ米軍に逮捕される直前になってようやく自殺を試みたけれど、それも死にそこなって裁判にかけられ、敵の手で吊るされるようなみじめな最期をさらしてしまった。

 あのとき東条さんが全部を自分ひとりでひっかぶってきれいに死んでいれば、戦後の日本人がここまで負け犬根性に落ち込むことはなかったんでは、と思うんですね。
 ヒトラーは自分の死体さえみせずに死んだし、ムッソリーニは自分ではよう死ななかったけれど、国民みずからがさばいて、国民が主体的にケリをつけた。

 昔から日本人は戦いに負けると親分が責任をとってきたんです。
 ところが第二次大戦で、国民に対して主体的に戦争責任をとった日本のリーダーはひとりもいない。
 米軍によって極東裁判にかけられました…、米軍によって戦犯として処刑されました…。
 みんな受け身。

 その流れの上でしょう?
 「戦争に引き込まれました」「わなにはめられました」。
 民族の悲しいサガです。

 ちなみにぼくの親戚筋の若い将校は敗戦の日にたったひとり、松林に入って自決しましたけどね。

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