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猫婆日記 3…仕切りのこと

2016-02-14 20:42:00 | 猫の町
 人間ってなんでこんなふうにあっちこっちに仕切りを設けるのが好きなんでしょうね。
 ドアでしょう。ふすまでしょう。カーテンでしょう。つい立てでしょう。
 じゃまなんですねえ、わたしたち猫族にはこの仕切りが。

 わたしたち、けっこうデリケートでしてねえ。
 一日のうち何回かは、じぶんのテリトリーをこまかく巡回するんです。
 こまったことがどこかで起こってないか、それを確かめに回るんです。
 
 わたしのテリトリーは、この2LDKの部屋部屋ですからねえ。
 いつでもどこでも、歩き回れるようにしといてもらわないと困るんです。
 でもやたらと閉め回るんですねえ。
 とくに、女主人の連れのサトシさんというひとが。

 その点、ニュートンさんは理解がありましたねえ、わたしたち猫族に。
 ええ、りんごの実が木から落ちるのを見て、地球の引力を発見したあの天才科学者アイザック・ニュートンさんのことですよ。
 人間にはずいぶん気難しいかたで、論敵なんかはグーとも言えなくなるまでたたきのめさずには気がすまなかったおひとらしいんですが、わたしたちにはやさしかった。
 大きな屋敷のドアというドアに丸い穴をあけてくださって、わたしたちが好きな時にどこへでも行けるようにしてくださった。
 そればかりか、子猫が生まれたときには、その子猫のための小さな穴を、親猫の大きな穴の隣にわざわざ作ってくださった。
 (そんな第二の穴を作る必要があったのかは、別にして。…まあ、天才さんのなさることですから)

 でも、サトシさんんはニュートンさんほど偉くもやさしくもないですから、すぐわたしを閉じ込めてしまうんです。
 もちろんそうなったらわたしもおとなしく黙ってなんかいませんよ。
 思いっきり、ぎゃあぎゃあわめいてやる。

 だって、言うじゃないですか。
 自由を愛するもの、野山に戸を立てず、って。

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