社会科学上の不満

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兵器の規格

2007-05-28 17:29:24 | 外交と防衛
 防衛白書によると防衛の基本戦略は「水際作戦」と「MD(ミサイル防衛)」と「災害復旧活動」に大別できます。細菌テロ等の第一次処理は警察庁となっています。
 「水際作戦」とは、侵略する敵が船舶や航空機で空中にある時、かつ領土の外の領空・領海にある時に撃滅します。日本の国土に上陸させないことを第一の目的としています。ゆえにその為の防衛用の兵器を装備しています。
 空からの進入者に対しては、戦闘機や対空ミサイル、高射砲群、海からの進入には、潜水艦群、護衛艦群、対艦ミサイル群等を有しています。しかし、これらの兵器が単一の規格で装備れているのでしょか。以前は単一の規格で装備されていましたが、目的別に特化した兵器になるに従い、兵器の規格が崩れてきたように感じています。
 第二次世界大戦中、大日本帝国では陸軍と海軍との兵器の規格が異なりました。同じ口径の機関銃の弾丸さえ、規格が異なり互換できませんでした。しかしアメリリカは日本の20倍の生産力があるにも関わらず、重機関銃は12.7mmブローニングM2で統一されていました。アメリカの主力戦車M4の車高が高いのは、航空機用の星型エンジンを搭載しているためです。日本は同じ陸軍の小銃でも38年式は6.5mmの弾丸を使用し、99年式は7.7mmの弾丸を使用します。機関銃も種類により使用できない弾丸との組合せが殆どでした。 
 貧しい日本が、消耗品たる兵器の規格の統一ができず、裕福なアメリカが同じ規格で大量生産。これが戦後の兵器体系の最も反省すべき点でした。
 しかし、現在のアメリカ軍はこの兵器の規格体系がバラエティーに富んできました。日本は安保条約の関係からこのバラエティーに富んだ規格を受け入れざるをえません。例えば、対空機関砲として代表的なものの口径は37mmです。しかし、M2歩兵戦闘車の主砲は25mmです。航空機の機関砲では20mmが標準です。
 自衛隊で現在配備数の少ない87式対空自走砲の方が、MBTの90式戦車より汎用性が高いのではないでしょうか。37mm対空機関砲2門は地上兵器としてもかなり強力な兵器です。それでもMBTに太刀打ちできません。そこで対戦車ミサイルを搭載し、その欠点を補うのです。90式戦車を否定している訳ではありません。限られた予算で有意義に広範囲に目的に適合できる兵器を増やすことを提案します。採用台数が増加すれば導入単価も下がるはずです。兵器体系を考える場合、その汎用性を併せて考えなければ、いくら予算があっても足りません。兵器は究極の消耗品であることを今一度思い起こす必要があります。
 
コメント
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