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進むバチカン改革

2013-02-14 00:00:21 | 社会常識と教育

 バチカンのベネディクト16世が引退するそうだ。これは大きなバチカンの改革だ。これまでの法王は原則終身制であった。この法王はバチカンを大きく改革した。「ダビィンチ・コード」や「天使と悪魔」などの映画が欧米で大いに売れた。これを黙認した。この歴史的事実と宗教的事実との区別が欧米(先進国)では受け入れられている。ムスリムではこの歴史的事実と宗教的事実との区別ができていない。その先進国の時流に沿って、バチカンが行ってきた歴史的汚点を認めた、初めての法王ではないか。

 多くのナチス高官(数千~万人単位)を南米に逃亡させた事実も認めた。フデリック・フォーサイスの「オデッサファイル」の暗示した事実を認めた。これは彼がドイツ人であることにも関係があると考えられる。

日本ではこの「オデッサファイル」の正体がバチカンであることは、落合信彦氏の「20世紀最後の真実」でも語られているが、今でもこの本は怪しい本とされている。しかしベネディクト16世がこの事実を告白している。あまり日本で話題にならなかったのは、日本が宗教的にノーマルに近いことと国際慣例(主にキリスト教国が作った)や外交・軍事に音痴であるためだ。また俗に言う「島国根性」と呼ばれるモノがその根底にあるためだ。更にマスコミが自身のために創造したオピニオンリーダーや進歩的文化人なるものが認めないと、今までなかなか日本国内にはこのような事実は伝わらなかった。しかしマスコミと言うフィルターがないネットの世界では、虚実混沌としていても伝わる。ライトノベルからアニメになった「青のエクソシスト」が欧米で売れたが、これはバチカンのありようを「かなり歪めている」と言ってクレームをつけてきた。まだ物語と現実との区別がつかない世代や民族が多数いるために仕方がないことであろう。

 ベネディクト16世に話を戻すとこれまでのローマ法王の中で自らの改革に努めた数少ない法王ではないか、後々歴史に名を残す法王であると思える。この方の御蔭でカトリックはまた一つ中世的な衣を脱ぎ捨てた。ムスリムがこの中世の衣を脱ぎ捨てるのは何時になるのであろうか?

コメント
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