社会科学上の不満

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外交と防衛、歴史と現状についての不満のハケ口。(観念論の方は出入り禁止)

世界平和

2013-02-15 00:01:56 | 外交と防衛

 世界平和の理想を詠う方々にお聞きしたい。人類史上、平和な時代がそもそも存在していたであろうか?世界中の何処かで戦争や内乱と言った戦闘行為が発生している。平和な世界は人類史上みかけられない。しかし地域の安全な時代は存在する。その代表例としてはローマ帝国のローマ国内だ。内乱や戦闘はあるが、比較的平和を謳歌できた時代である。但しその地域限定であるが。次にバランスオブパワーの時代、一例を挙げるならば、1945~89年付近である。つい最近までである。米ソの冷戦構造で地域単位の戦争はあっても世界大戦はなかった。この二つのパターンしか世界史に平和(安全)なる時代は存在しない。人類5千年の歴史の中に「世界平和」なる時代は存在しない。世界平和の理想を追いかけることは良いが一朝一夕(百年単位で)にはムリであることはご理解いただきたい。

 そこには、世界平和の理想を高らかに追求しても人間は今日生き残らなければ、明日は無いのであり、直近の危機に目をつぶり未来の理想を詠ってもなんら意味が無い。先ずは今を生き残ることだ。

 今回の北朝鮮の暴挙に、「外交で」「話し合いで」などと寝言を言っていたら、多くの同胞が犠牲になる。「世界平和のために」との理想を詠っても現実の解決にはならない。自己の理想を他人に押し付け犠牲を強いるには、それなりの理由が必要である。

 日本は明治以降、アングロサクソン国家と同盟関係を結んでいた時の方が上手く国際社会を泳げている。日英同盟しかり、その日英同盟を米国のウィルソンが国際連盟を起し「2国間同盟など不要」と言うことで解消させられた。しかし、言い出しっぺの米国は国際連盟に加盟しなかった。日英同盟のお陰で日露戦争に勝てた。これはバルチック艦隊の補給をジャマしたり、その位置を的確に日本に知らせてきた、英国の力は大きかった。現在同じアングロサクソン国家の米国と日米安保条約を結び、なんとか国際社会を泳いでいる。

 これが、中国や南北朝鮮との同盟ではこうは行かない。日本を属国にし、技術力等の勤勉さからなる有形無形の力を利用しようとする。交換ではなく一方的に接収と言う形で。チベットや新疆ウィグルを見よ。良くわかるではないか。

 少なくとも米国だけがヤルタ会談の精神を守っている。「領土的野心はない」故に小笠原諸島の返還、沖縄・先島諸島の返還。ロシアは日本のポツダム宣言受託後に、ほぼ無血占領した北方領土を返す気はない。北海道に上陸しようとして樋口季一郎司令官に撃破されている。スターリンがマッカーサに樋口季一郎司令官の引渡しを求めたら、鼻で笑われたという逸話が残っている。以前シベリア抑留から復員された方から直接聞いた話だが、「復員後直に米兵に持っていたロシアタバコを取り上げられた、しかしその米兵はラッキーストライク(タバコ)を同数のカートン渡した。ロシアでは取られて終わり、米軍は交換であった。ここに米国の倫理性の高さをみた」。この事例が米国と同盟を結ぶ意義でもある。余談だがこの樋口季一郎司令官は1938年に満州にロシアから亡命してきたユダヤ人一説には35000人を受け入れた方だ(オールポール事件)。現在エルサレムのゴールデン・ブックに名が刻まれている。

 世界平和は総ての人が望んでいるが、その平和なる定義が民族や宗教により大きく異なる点を留意すべきである。日本人が考える「世界平和」が他の民族の考える「世界平和」と同じかどうか?大きく異なるようだ。

コメント
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