IOC委員に理性と正気を期待したこと自体間違っていた。
日本の信州の田舎暮らしの人間から見ると「まさかの驚きの決定」だが、IOC委員というもの自体が金と名誉と権力の亡者だということを忘れていた。
1998年の長野冬季オリンピックの際には、私は地元の人間として、オリンピックのことを書籍を通じてではあるがずい分ウォッチした。そこにはIOC委員たちは「汚れた貴族達」と表現されていた。
IOC委員達がどのようにして選ばれるのかはもう忘れたが、ヨーロッパの貴族達の他に元オリンピック選手の中でも野心に満ちた者があらゆる根回しに動いて手にするものであると書かれていた記憶がある。
直前にあれほど「福島の汚染水問題」が記者たちから追及されたのに、まるでそんなことは考慮の他のようにして東京に決まったのには、前回パリからロンドンにひっくり返した凄腕の英国人コンサルタントを雇ったことが功を奏したと特集ニュースの中であっさり明らかにされていたそうだが(精神衛生上悪いので、決定に浮かれる特番を私は見なかった)、そういえばサマランチ会長時代に進んだ「オリンピックの商業化」の中で、複数の「オリンピック請負人」が存在して、そのエージェントの仲介なしに決定した都市はひとつもないと書かれてあったけ。
サマランチ時代は去ったが、その後もそうした汚れた体質は続いていて、今回新会長に就任したドイツ人会長になってもそれは続くのだろう。
歴史に残る醜悪写真。
「東京決定」を報じた信濃毎日新聞の一面トップに掲載された写真ほど醜悪な図はないと感じた。ロイター=共同となっているから日本の新聞の殆どがこの写真を掲載したはずだ。
安倍・猪瀬・森の面々の他に選手か、元選手か、も実に恥ずかしい姿をさらしている。小学生低学年レベルの頭と心の連中だ。小学生も高学年になればもう少し「恥じらい」というものを持つようになる。
決選投票では60対36でイスタンブールを蹴落とした。60人の委員達は金と脅しと権力と引き換えに票を売った。交換条件なしに東京に投票するのは日本のIOC委員ぐらいだろう(猪谷千春だっけ?)。
これらの委員達は東京が放射能汚染されている事実は知っている。そして福島の事故現場が少しも改善されずむしろ悪化している情報も得ている。
それでも彼らは東京を選んだ。「自分さえ、今さえよければ後は知ったことか」。
オリンピック候補会場の放射線を測る市民の会は4月から5月にかけて東京、神奈川、埼玉の全候補地を測定した。
地上1メートルの空間線量が最も高かったのは東京都臨海部にある海の森クロスカントリーコース。毎時0・29マイクロシーベルト。
国立代々木競技場(ハンドボール)、皇居外苑(自転車ロードレース)、東京国際フォーラム(ウエイトリフティング)などでも軒並み0・15マイクロシーベルトを超えた。
地上5センチでの空間線量を測ったところ、馬術競技を行なう夢の島競技場で毎時0・48マイクロシーベルとなりホットスポット化していることがわかった。
これらの結果はIOCに加え、200ヶ所を超える各国の国内オリンピック委員会に日本語・英語・フランス語で送った。(週刊金曜日9月6日号の記事より)。にもかかわらず委員達は東京を選んだ。
これから始る放射能汚染隠し、オリンピックを成功させるために国民は一つにのファッショ圧力
すべてはオリンピックのためと、消費税増税、憲法改定、国防軍へと進んでいってしまう。そのための「オリンピック招致狂想曲」だった。
それはまず入口は成功してしまった。IOC委員へのわずかな正気に期待したが、しょせん委員達は人の国がどうなろうと、選手や観客の健康がどうなろうと知ったことではなかった。
世界中がグローバル資本主義にほんろうされて正気を失った状態だ。7年後のオリンピック後の出口には放射能汚染と日本国の破綻という地獄が待っている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます