作品の質としては「たそがれ清兵衛」と大差ない。スタートからドラマにたっぷり3/4、残り1/4でクライマックスの殺陣に至るまでを描く。
開館から3/4のドラマはクライマックスと物語上直接の関係はないが、主人公片桐(永瀬正敏)の心情をたっぷり描くためにある。
つまり「たそがれ清兵衛」と同じシナリオ構造ということである。
ドラマ部分で「たそがれ清兵衛」より弱いと感じるのは、「たそがれ清兵衛」が下級武士の . . . 本文を読む
近未来SFのようなタイトルと宣伝なのだが、フタを明ければタイトルは部屋番号のことで、題材もSFではなくネクラ男の妄想物語に近い。妄想というか主人公が創作した小説内の物語。
そもそもウォン・カーウァイとSFという取り合わせに、違和感と不安と期待を持っていたのだけど、なんてことないいつものウォン・カーウァイ映画だったのでホッとした。(反面彼の描く本格SFを観たかったという気持ちもあるが…大金はたいてセ . . . 本文を読む