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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

小津安二郎記念 蓼科高原映画祭 の記

2010-11-03 11:58:54 | 自主映画関連
ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン
↑この度、「ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン」を選出しました。映画好きブロガーを中心とした37名による選出になります。どうぞ00年代の名作・傑作・人気作・問題作の数々を振り返っていってください
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10/30、10/31と長野県茅野市で行われた、小津安二郎記念蓼科高原映画祭に参加。
私と妻で作った作品「せば・す・ちゃん」が短編部門に入選し、実行委員より招待をうけた。
応募全59作品のうち入選は10作品。

10月30日、9時に茅野に入った私たちは映画祭の実行委員の方々に挨拶し、スタッフ証をいただく。これが全プログラムのフリーパスとなる。
映画祭で上映される商業映画のうち「SR サイタマノラッパー」と小津監督の「生まれてはみたけれど」を鑑賞。(同じ映画館で続けて上映。素晴らしい流れだ)
「SR」は主演の駒木根隆介さんのトークあり。「生まれてはみたけれど」は活動弁士の澤登翠さんのサイレントであることを忘れさせる見事な表現力で実に楽しく鑑賞。
表彰式まで他の入選作はあえて見ずに、「せば・す・ちゃん」の主演男優、主演女優、チーフアシスタントの女性らの到着を待ちながら、駅前で行われていた太鼓の演舞を見たりして時間をつぶす。


そして17時より短編部門の表彰式。
ステージにはトロフィーが4つ並ぶ。入選10作品のうち4作品が入賞となる。
入賞作の中から、グランプリ、準グランプリが選ばれる。
グランプリは賞金30万円、準グランプリは賞金10万円。入賞はトロフィーのみ。
審査委員長の伊藤俊也監督(「女囚701号さそり」「花いちもんめ」「プライド」など)らの紹介が終わり、いよいよ発表。
我が作品の結果は「入賞」であった。
惜しくも賞金には届かなかったけれど、正直うれしい。


伊藤俊也監督は、実行委員の方がいうところでは歴代の審査委員長をつとめられた方々の中で、一番作品を一生懸命見てくれたとのこと。
伊藤監督の各作品に対する批評も詳細を極めていた。
なお短編部門は入選は映画祭実行委員と特別審査員の4名の映画監督による一次審査、二次審査で決まり、入賞以上の決定は審査委員長が一人で決める。

そういえば会場にて私のブログ友達で夫婦でシネマの管理人ご夫妻に声をかけていただいた。
ブログ付き合いは4~5年だけど会うのは初めてだった。いろいろと巡り合せの機会になるので映画祭はいいなあと思った。

表彰式後、立食形式の交流パーティに参加。
私らで伊藤監督独占・・・みたいな感じでずいぶん長くお話しさせていただいた。
ちなみに私と妻と主演女優とアシスタントの女性の四人で映画祭の一週間前に「女囚701号さそり」鑑賞会を行って大盛り上がりだったことをお伝えしたところ、第二作、第三作はもっとハチャメチャだよとか、梶芽衣子の台詞なんかどんどん減って行って三作目では二言くらいしかないよ、などなど期待を高めるお話をいっばい伺い、第二作「女囚さそり 第41雑居房」第三作「女囚さそり けもの部屋」の鑑賞会も必ずやろうとみんなで誓った。

最近私は松本映画祭プロジェクトの実行委員の一人としても活動しているのだが、その松本映画祭プロジェクトの実行委員長と副委員長も来場していて、蓼科高原映画祭の実行委員の方と何やら熱いトークをしていた。松本の映画祭の盛り上がりにもつながっていきそう。

その後、監督居酒屋と称して近くの居酒屋に場を移して遅くまで飲んだりだべったり
色んな方々と交流。
入選作「僕の見た海」の植田久貴監督、入選作「ワタシのイエ」の監督で2004年の蓼科高原映画祭ではグランプリをとった古本恭一さん、入選作「僕の探しモノ」監督でプロのライターでもある福島禎雄さんらと特に多く話をした。

さらに三次会で別の居酒屋に行く。ここでも伊藤俊也監督らと入選作品の内容とか、好きな映画監督の話などをうかがった。
それについては後述

蓼科高原映画祭で用意していただいたホテルで一泊。
翌日8時30分に茅野市民館に行き、12時30分から上映の山田洋次監督「おとうと」の入場整理券をもらう。
8時30分の時点で整理券待ちの行列は300人以上。
なにしろあの蒼井優ちゃんが来場するのだ。

短編映画の入選全作品を鑑賞、「おとうと」を鑑賞(おもしろかった)、生の蒼井優ちゃんも見れてかなり満足して家に帰った。

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[追記]

とても面白かったので飲み会の三次会でうかがった伊藤俊也監督の映画トークを記憶をたぐりながら書いてみる

「愛のむきだし」で主人公が「さそり」の格好をするのですが、どう思われました?
「「愛のむきだし」はまだ見ていないんだけど、あれくらいの世代の人には「さそり」ファンが多いからねえ」

小津映画、成瀬映画について
私から伊藤監督に「小津作品では何が好きですか?」と質問
「(慎重に言葉を選びながら)僕にとって小津さんや成瀬さんの映画は小学校時代に母親と一緒に見に行く映画だったという不幸がある。それでも成瀬さんの映画には艶っぽいものがあって印象深い。その成瀬さんの映画も今にしてみると色々思うところはあるのだけど。ともかく小津さん小津さんと崇拝するというのはいかがなものかと思っている」

黒澤映画について
「黒澤さんの映画も色々と批評のしどころがあるんだけど、それでも若い頃に見た「羅生門」には衝撃をうけた」

今村昌平監督について
「一番好きな監督は今村(昌平)さんだ。純粋に映画のできを考えれば一番は「復讐」(するは我にあり)なんだろうけど、一番好きなのは「にっぽん昆虫記」だ。」
(私の作品「せば・す・ちゃん」には「過剰さ」が足りなかったと何度か仰られた伊藤監督だが)「にっぽん昆虫記」には僕が言うところの「過剰さ」がもっとも強く現れている。日本の映画監督でこれほど作家性を強く打ち出した人は初めてだったと思う。」
「「神々の深き欲望」は偉大な失敗作だとおもう。」
「「楢山節考」に関しては今村さんのよりも木下さんの方に軍配を上げる。」

以上、飲み会の席での発言を記憶を辿りながら書いたものなので、若干の記憶違いはあるかもしれません

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