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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

最終兵器彼女

2006-02-08 00:12:02 | 映評 2006~2008
180万都市が突如空爆されて大混乱の地上。
本当なら「太陽の帝国」の上海のシーンくらいの迫力のモブシーンが欲しい。
ま、いっか~~ と、ちゃちくてしょぼくて人数少ないパニックシーンで済ませる。

貫地谷しほりが、爆撃で負傷して入院しているシーン
カーテンで仕切られプライバシーが守られる病室・・・なハズねーだろと、
多くのパニック映画や戦争映画や、現実の災害や事故やテロなんかで散々見てきた、ケガ人で溢れかえる臨時救護所、血だらけで横たわるケガ人たち、麻酔なしで傷口の縫合が行われているその脇には、毛布がかけられた遺体とおぼしき人の山
そんな映像を当然期待するが、ここも予算のためか、貫地谷しほりがよっぽどのVIPという設定なのか、妥協の産物のようなあんなシーンになってしまう。

日本全国に戦禍が拡大した状況において、散らばったビデオの片付けなんてするだろうか?
水や燃料の心配させる方がよっぽど"それらしい"シーンになるのに

こういうところに、戦争を知らないというか、知ろうともしてませーん、という感覚がにじみ出ていて、苦笑を誘う。
予算もないし、そもそも描きたいのは女の子だけなんだし、デタラメに、こんなもんでいいっしょ
だいたい、戦争を本気で知ろうとしたら女の子が飛び回り撃ちまくる映画なんて撮れねーよ、と普通の感性の人は思う。だからゆるーい映画ができる。
しかし、異常な感性の人(バカ)は戦争を散々研究した挙句に女の子を戦わせるのである(ex. ローレライ)。

もちろん描写がリアルじゃないくらいはいいのさ。そんなところに怒りなど覚えない。それなりにかっこいいCGも拝めたし、元ブルーハーツのコピーバンドのドラマーの娘はかわいいし、彼女が爆撃機を撃墜した直後のシーンで、「俺たちもっとお互いをよく知らなきゃ・・・」とか普通に恋愛で悩む男女の会話が聞こえるバカ丸出しっぷりが面白かったり、そんなこんなで前半は楽しめた。

問題なのは、地獄のように退屈な後半1時間。
苦悩しっぱなし、かと思えば、さして印象的ではない恋愛初期のエピソードをだらだら回想。ひたすらトークを繰り広げ、体を動かすということがほとんどない。
そして戦闘シーンはと言えば、時々プレステゲームのデモ画面みたいな映像が挿入されるのみ。戦闘シーンではドラマの展開どころか台詞ひとつない。アクションシーンの中でドラマを展開させなきゃ、たるくなるにきまってるのに、戦闘シーンとドラマを完全に独立させて描く。しかもどの戦闘シーンも短い。
つまり後半1時間のシナリオ構成はこんな感じ
ダラダラダラダラダラダラダラダラとトーク → 戦闘を数秒 → ダラダラダラダラダラダラダラダラとトーク → 戦闘を数秒 → ダラダラダラダラダラダラダラダラとトーク → 戦闘を数秒 → ダラダラダラダラダラダラダラダラとトーク →・・・・
これじゃ面白くなるわけがないだろ。

さらに言えば、女の子にどういう能力があってどんな武器を持っててどういう破壊力があってどんな変形をするか・・・が一切描かれないから、ロボアニメ的楽しさもない

バカ映画として笑いながら突っ込みたい内容なのに、デキの悪いところを普通に突っ込んでしまう、普通につまんない映画。

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