個人的評価:■■■□□□ (最高:■■■■■■、最低:■□□□□□)
オリジナルの脚本そのままです。あ、でも「お前メクラか!?」は「どこに目えつけてんだ!?」に変えさせていただきました。
「武士の一分」でもキムタクは「盲人」といってたなあ・・・
********
黒澤大好きな私ですが、「椿三十郎」は実は黒澤映画の中では個人的評価は低めです。
なので「あの名作をこんなにしちゃって!!」的な不満や批判はあまり湧いてこず、改変をけっこう楽しんで観賞しました。
でも、やはりキャスティングミスな感じは否めません。
もともと三船敏郎前提で書かれた脚本だから仕方ないのですが、織田裕二ががんばって三船モノマネやってるみたいなのが、ちょいとさびしかったです。見る前は期待してた仲代達矢→トヨエツのチェンジも、凄みが足りない。
「そこの泉水で顔を洗え。・・・・・洗え!!!!!」
の台詞なんて仲代は本気で怖かったのに、トヨエツは重低音の響かない声質のせいか全然怖くありません。
同じ脚本を別の俳優でやるなら、三船に本気で似ている俳優を使うか、または本人の地のままでいけてなおオリジナル脚本の魅力を引き上げれる人、それで「もうすぐ四十郎だがな」の台詞が使えそうな年代の人を使うべきです。
じゃあ、誰ならいいんだい? しかも実力だけで選んじゃだめだよ。スターじゃなきゃね・・・・
・・・・となると・・・やっぱり・・・ユンファしかいないじゃないか!!
敵役はアンディ・ラウで。若侍はエディソン・チャンとかショーン・ユーとかチァン・チェンとかその辺で。
オリジナル脚本そのままが前提なので、ユンファにもアンディにも頑張って日本語で演じてもらいます。
もちろん、ユンファは二刀流です。いや、なんなら二丁拳銃でもいいです。
ラストの対決、いきなり二丁拳銃全弾をアンディにぶち込むってのはどうでしょう。
「前に用心棒で稼いだ村の戦利品さ・・・」とか用心棒ファンをニヤリとさせる台詞を追加して・・・
なお具体的にはこんな感じになります。
「あぶねえ、あぶねえ」
「礼の言葉なんかいいから少し金くれねえか? ここんとこ、ほとんどみずっ腹でなあ・・・」
「俺はやりたくねえ。抜けばどっちか死ぬだけだ。くだらねえぜ・・・」
「あばよ」
******
あるいはいっそアニメでリメイクしてこんな感じにしても良かったかもしれません。
「こうなったら、死ぬも生きるも我ら九人!!」 (ちょっと多いけど)
「10人だ!! お前らのやることはあぶなっかしくて観てられねえ」
「貴公、なかなかできるな。仕官の望みがあるなら大目付の役宅に尋ねて来い。俺の名は室戸半兵衛。」
「あなたは抜き身の刀です。でも本当にいい刀は鞘に入っているものですよ」
「行きましょう、今見張りはあいつ一機です。」
「お前、メクラか? さっきは三匹だが緑のザクだ。今は一匹だが赤いザクだぜ!!」
(とはいえ、ザクとは違うんだよ、ザクとは)
若侍たちのせいで、とんだ殺生してしまった三十郎は、若侍たちをぶんなぐる
「親父にもぶたれたことないのに!!」(注…「椿三十郎」にそんな台詞はありません)
なお、こちらが椿屋敷の悪人トリオ
*********
・・・といった妄想はさておき・・・
当然、みなさん黒澤版とくらべてここが悪い、ここがおかしい、ってなことを言うでしょう。
あげたらキリがないので、私は逆にここは良かったねえ・・・ってところを挙げてみます。
まずは、オリジナルがモノクロだったのに対し、本作はカラーになったことです。
で、カラーであることを活かした演出がいくつか見られます。
中盤で三十郎が十数人の敵をぶった切るシーン。
オリジナルは三船が圧倒的強さを見せる。約40秒でたった3カット。次々ぶった切ります。
だが森田版では、細かく細かくカットを刻みます。そりゃ三船ほど殺陣が巧くないからだろうけど。
ただ途中で、織田三十郎は刀にベットリついた血のりを見て、自分の剣を捨て、敵の剣を奪って殺陣を続けます。
血脂にまみれた剣はよく斬れないらしい(詳しくないが)ので、途中で剣を変えるというのはリアルっぽく感じますが、まあ、そんなところは別にいいっす。
今言いたいのは、「血のりベッタリ」がカラー映像のおかげでハッキリクッキリ見えますし、それをじっと見つめるカットを挿入することで、ずっと後の室戸の台詞「この刀ひどい血脂だ。それもひどく新しい。夕べも貴様、俺にいっぱい喰わせたな!!」が活きてきます。これは巧いと思いました。
それから、椿の色。
オリジナルは白い椿と赤い椿しかありませんでした。
カラーになった本作では桃色の椿が加わります。
討ち入り中止の合図は白い椿だ、と三十郎の嘘を真に受けた悪者たちがあわてて、桃色の椿を川に流しますが、「おい慌てるな、白い椿だぞ」と言われて、桃色の椿を拾わせ、白い椿を落としにかかります。
カラーっていいなと思いました。
後は、個人的な好みの問題ですが、音楽はオリジナルの佐藤勝より本作の大島ミチルの方が好きです。
佐藤の「用心棒」は傑作ですが、「椿三十郎」は佐藤自身が「最低だったね」と言うほど(謙遜でしょうが)本人評価は低いです。
たしかに軽すぎるし華やかすぎるし、人を喰ったような三十郎のテーマ曲は忘れがたいのですが、それが良かったのは「用心棒」の方で、「椿三十郎」では三十郎のテーマもあまり聞けず、コミカルさばかりが強調されていました。
ですが大島女史の音楽は、勇壮でかっこいい。佐藤が「椿三十郎」で初めて使いその後時代劇音楽の定番楽器となったキハダの音(暴れん坊将軍の「余の顔を忘れたか」でかかる『カッ』って音)がないのは寂しいのですが、ドンドコドンドコってパーカッションに続くオケの音はヒロイズム溢れる正当派なヒーロー音楽です。
森田&大島のコラボは長いのですが、森田の作風にあわせ、軽口小編成の音楽ばかり作ってきたため、大島女史の持ち味である壮大なスケールの音楽が聞けないのが残念でしたが、今回は大島節全開。音楽だけでも少し満足しました。
********
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
オリジナルの脚本そのままです。あ、でも「お前メクラか!?」は「どこに目えつけてんだ!?」に変えさせていただきました。
「武士の一分」でもキムタクは「盲人」といってたなあ・・・
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黒澤大好きな私ですが、「椿三十郎」は実は黒澤映画の中では個人的評価は低めです。
なので「あの名作をこんなにしちゃって!!」的な不満や批判はあまり湧いてこず、改変をけっこう楽しんで観賞しました。
でも、やはりキャスティングミスな感じは否めません。
もともと三船敏郎前提で書かれた脚本だから仕方ないのですが、織田裕二ががんばって三船モノマネやってるみたいなのが、ちょいとさびしかったです。見る前は期待してた仲代達矢→トヨエツのチェンジも、凄みが足りない。
「そこの泉水で顔を洗え。・・・・・洗え!!!!!」
の台詞なんて仲代は本気で怖かったのに、トヨエツは重低音の響かない声質のせいか全然怖くありません。
同じ脚本を別の俳優でやるなら、三船に本気で似ている俳優を使うか、または本人の地のままでいけてなおオリジナル脚本の魅力を引き上げれる人、それで「もうすぐ四十郎だがな」の台詞が使えそうな年代の人を使うべきです。
じゃあ、誰ならいいんだい? しかも実力だけで選んじゃだめだよ。スターじゃなきゃね・・・・
・・・・となると・・・やっぱり・・・ユンファしかいないじゃないか!!
敵役はアンディ・ラウで。若侍はエディソン・チャンとかショーン・ユーとかチァン・チェンとかその辺で。
オリジナル脚本そのままが前提なので、ユンファにもアンディにも頑張って日本語で演じてもらいます。
もちろん、ユンファは二刀流です。いや、なんなら二丁拳銃でもいいです。
ラストの対決、いきなり二丁拳銃全弾をアンディにぶち込むってのはどうでしょう。
「前に用心棒で稼いだ村の戦利品さ・・・」とか用心棒ファンをニヤリとさせる台詞を追加して・・・
なお具体的にはこんな感じになります。
「あぶねえ、あぶねえ」
「礼の言葉なんかいいから少し金くれねえか? ここんとこ、ほとんどみずっ腹でなあ・・・」
「俺はやりたくねえ。抜けばどっちか死ぬだけだ。くだらねえぜ・・・」
「あばよ」
******
あるいはいっそアニメでリメイクしてこんな感じにしても良かったかもしれません。
「こうなったら、死ぬも生きるも我ら九人!!」 (ちょっと多いけど)
「10人だ!! お前らのやることはあぶなっかしくて観てられねえ」
「貴公、なかなかできるな。仕官の望みがあるなら大目付の役宅に尋ねて来い。俺の名は室戸半兵衛。」
「あなたは抜き身の刀です。でも本当にいい刀は鞘に入っているものですよ」
「行きましょう、今見張りはあいつ一機です。」
「お前、メクラか? さっきは三匹だが緑のザクだ。今は一匹だが赤いザクだぜ!!」
(とはいえ、ザクとは違うんだよ、ザクとは)
若侍たちのせいで、とんだ殺生してしまった三十郎は、若侍たちをぶんなぐる
「親父にもぶたれたことないのに!!」(注…「椿三十郎」にそんな台詞はありません)
なお、こちらが椿屋敷の悪人トリオ
*********
・・・といった妄想はさておき・・・
当然、みなさん黒澤版とくらべてここが悪い、ここがおかしい、ってなことを言うでしょう。
あげたらキリがないので、私は逆にここは良かったねえ・・・ってところを挙げてみます。
まずは、オリジナルがモノクロだったのに対し、本作はカラーになったことです。
で、カラーであることを活かした演出がいくつか見られます。
中盤で三十郎が十数人の敵をぶった切るシーン。
オリジナルは三船が圧倒的強さを見せる。約40秒でたった3カット。次々ぶった切ります。
だが森田版では、細かく細かくカットを刻みます。そりゃ三船ほど殺陣が巧くないからだろうけど。
ただ途中で、織田三十郎は刀にベットリついた血のりを見て、自分の剣を捨て、敵の剣を奪って殺陣を続けます。
血脂にまみれた剣はよく斬れないらしい(詳しくないが)ので、途中で剣を変えるというのはリアルっぽく感じますが、まあ、そんなところは別にいいっす。
今言いたいのは、「血のりベッタリ」がカラー映像のおかげでハッキリクッキリ見えますし、それをじっと見つめるカットを挿入することで、ずっと後の室戸の台詞「この刀ひどい血脂だ。それもひどく新しい。夕べも貴様、俺にいっぱい喰わせたな!!」が活きてきます。これは巧いと思いました。
それから、椿の色。
オリジナルは白い椿と赤い椿しかありませんでした。
カラーになった本作では桃色の椿が加わります。
討ち入り中止の合図は白い椿だ、と三十郎の嘘を真に受けた悪者たちがあわてて、桃色の椿を川に流しますが、「おい慌てるな、白い椿だぞ」と言われて、桃色の椿を拾わせ、白い椿を落としにかかります。
カラーっていいなと思いました。
後は、個人的な好みの問題ですが、音楽はオリジナルの佐藤勝より本作の大島ミチルの方が好きです。
佐藤の「用心棒」は傑作ですが、「椿三十郎」は佐藤自身が「最低だったね」と言うほど(謙遜でしょうが)本人評価は低いです。
たしかに軽すぎるし華やかすぎるし、人を喰ったような三十郎のテーマ曲は忘れがたいのですが、それが良かったのは「用心棒」の方で、「椿三十郎」では三十郎のテーマもあまり聞けず、コミカルさばかりが強調されていました。
ですが大島女史の音楽は、勇壮でかっこいい。佐藤が「椿三十郎」で初めて使いその後時代劇音楽の定番楽器となったキハダの音(暴れん坊将軍の「余の顔を忘れたか」でかかる『カッ』って音)がないのは寂しいのですが、ドンドコドンドコってパーカッションに続くオケの音はヒロイズム溢れる正当派なヒーロー音楽です。
森田&大島のコラボは長いのですが、森田の作風にあわせ、軽口小編成の音楽ばかり作ってきたため、大島女史の持ち味である壮大なスケールの音楽が聞けないのが残念でしたが、今回は大島節全開。音楽だけでも少し満足しました。
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ぼくも音楽には驚きました。
冒頭からカッコよく、
胸わくわくしたのですが…。
ドンドコなりながら、花びら(赤い椿?)がふる冒頭、良かったですね。
それでオリジナルにはない、林の中を進む物々しい侍の集団にかぶって、パーカッションが大きくなってきて、そしてテーマ、そんで大文字のタイトル
たしかにここまでは、オリジナルを越えてました
さすがですねえ。
あたし的にはユンファを室戸に持ってきて、アンディ様を三十郎にしたいですわ。
アンソニー・ウォンに城代家老、エリック・ツァンに大目付と、決まりです。
ということで、私も妄想させてもらいました。
今晩の「上意討ち」が楽しみです。
では、城代のカミさんは、ミシェル・ヨーかマギー・チャンにお願いしましょう。
「私、こんなに走ったの初めて」とか
塀を越えるシーンで「殿方にはできても、私にはとても無理ですよ」とか
うそつけ!って楽しく突っ込み観賞できそうです
リメイクしたらおもしろいですよね。
しかし、あのセリフの改変に気づいたなんて凄い。
感心しました。
あの種の表現には敏感なもので・・・
最初か最後に、「作中に不適切な差別的表現が用いられている箇所がありますが、オリジナル脚本制作者の意図を大切にするため・・・うんぬん」・・・とスーパーを付けるだけじゃダメなんですかね
>冨田弘嗣さま
七人の侍は以下のキャストで是非リメイクをお願いします
勘兵衛(志村喬)リーダー→モーガン・フリーマン
五郎兵衛(稲葉義男)参謀→サミュエル・L・ジャクソン
七郎次(加東大介)勘兵衛の古女房→ジェイミー・フォックス
平八(千秋実)腕は中の下だが明るく楽しい→マーティン・ローレンス
久蔵(宮口精二)剣豪→デンゼル・ワシントン
勝四郎(木村功)子供→クリス・ロック
菊千代(三船敏郎)野育ちの暴れん坊→マイケル・ジャクソン
長老(高堂国典)→ジェームズ・アール・ジョーンズ
利吉(土屋嘉男)→ウィル・スミス
志乃(津島恵子)→ハル・ベリー
敵の大将→ウェズリー・スナイプス
「ガンダム」version 最高に楽しくて、喜びました。もちろん、映画よりおもしろいです!
作品全体としてはお味噌しか入っていない上に、具をまちがっている味噌汁みたいでしたね。
ガンダムVer.に反応示してくれたのが嬉しいです。
>冨田弘嗣さま
ではデンゼルをサミュエル・Lに変えて、五郎兵衛はローレンス・フィッシュバーンかフォレスト・ウィテッカーで・・・
左卜全・・・えーと、さすがに、思いつかないです。
話は変わりますが「あの時代ならではの俳優」っていうと中村伸郎とか、佐分利信とか、笠智衆とか小津映画のおっさんたちも今はいないような気がします。
いい時代でしたね。(生まれてなかったけど)