個人的評価: ■■■■■□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]
市川準監督が「buy a suit スーツを買う」と同時期に制作した20分の短篇作品。
「buy a suit スーツを買う」の併映作品。
内容的には「buy a suit スーツを買う」よりさらに私映画。
市川準監督が撮った東京の街の映像(固定カメラ、ビデオ撮り、編集ソフトによる多少の加工あり)に、監督の詩、いやタイトルに従って詞をオーバーラップさせる。
ゆーっくりとフェードインしてくる画。音楽なし。街のざわめき。30秒くらいたってからじんわりと詞が浮かんでくる。「たしかに少し天狗になっていた」とかそういう感じの。そしてまた次の絵に・・・そういった詞付き映像集
・・・こ・・これは・・・いくらファンとはいえ、いくら20分とはいえ、最後まで見るのはきついなあ・・・と最初は思ったが、それでもいくつかの詞をつなげて何か意味を見出そうと必死になっていた。
ところが、4枚目くらいの画で・・・例によってたっぷりと間を置いてじわーーーっと浮き上がってきた詞は
安 保 理
・・・は?
なんじゃそりゃ?
ここでこの映画を観る自分の心のモードが変わった。
それ以降は出てくる詞も本人以外にはわからない、いやひよっとしたら本人にもよくわからない、市川準の脳内世界が炸裂しまくる。シュールというか楽しいバカバカしさにあふれた詞が次々と出てくる。
字が浮かぶまでの異様に長い間も、次はいったいどんな詞が飛び出すんだ!!!と期待感を煽る。
でんでら波
とか
バッドランド値
とか
なぜこの村にきた?
とか
ソウルフルになりたい
とか
だんだん面白くて笑えるようになってきた
そのうち
わからなくていい
とか出てきたころには、こちらも判ろうとしていなくなっているし、また余計に「わからなくていい」の一言が笑えてくるのだった。
他にも、一文字ずつ浮かび上がってくる詞があり、完成形を予想して楽しんだりもした
あ
な (穴?)
た (ああ、貴方か・・・)
と (あなたと私・・・かな?)
い (あなたという人は・・・とかそんな感じ?)
う
海
峡
なんだそりゃ!!?と俺が芸人なら椅子からずり落ちるところだった。
そんな感じで詞を重ねるごとに我が理性も浸食されていく、市川準のレンダリング詞集攻撃に、笑いときめいた20分
そうはいってもこれ以上やめと飽きるかな・・・と思ったのを見計らったように音楽がかかって終わり。
最後の最後に市川準監督が私たちに残してくれた言葉は、わからなくていいってことだった。
国連安保理がどうのというニュース観るたび、市川準監督のことを思い出すようになってしまったよ。
そんなこんなでお薦めはしないけど、個人的にはある意味歴代市川準作品で一番ウケた作品だった。
2008年9月に記した「追悼 市川準」
「トニー滝谷」映評
「あしたの私の作りかた」映評
「buy a suit スーツを買う」映評
********
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市川準監督が「buy a suit スーツを買う」と同時期に制作した20分の短篇作品。
「buy a suit スーツを買う」の併映作品。
内容的には「buy a suit スーツを買う」よりさらに私映画。
市川準監督が撮った東京の街の映像(固定カメラ、ビデオ撮り、編集ソフトによる多少の加工あり)に、監督の詩、いやタイトルに従って詞をオーバーラップさせる。
ゆーっくりとフェードインしてくる画。音楽なし。街のざわめき。30秒くらいたってからじんわりと詞が浮かんでくる。「たしかに少し天狗になっていた」とかそういう感じの。そしてまた次の絵に・・・そういった詞付き映像集
・・・こ・・これは・・・いくらファンとはいえ、いくら20分とはいえ、最後まで見るのはきついなあ・・・と最初は思ったが、それでもいくつかの詞をつなげて何か意味を見出そうと必死になっていた。
ところが、4枚目くらいの画で・・・例によってたっぷりと間を置いてじわーーーっと浮き上がってきた詞は
安 保 理
・・・は?
なんじゃそりゃ?
ここでこの映画を観る自分の心のモードが変わった。
それ以降は出てくる詞も本人以外にはわからない、いやひよっとしたら本人にもよくわからない、市川準の脳内世界が炸裂しまくる。シュールというか楽しいバカバカしさにあふれた詞が次々と出てくる。
字が浮かぶまでの異様に長い間も、次はいったいどんな詞が飛び出すんだ!!!と期待感を煽る。
でんでら波
とか
バッドランド値
とか
なぜこの村にきた?
とか
ソウルフルになりたい
とか
だんだん面白くて笑えるようになってきた
そのうち
わからなくていい
とか出てきたころには、こちらも判ろうとしていなくなっているし、また余計に「わからなくていい」の一言が笑えてくるのだった。
他にも、一文字ずつ浮かび上がってくる詞があり、完成形を予想して楽しんだりもした
あ
な (穴?)
た (ああ、貴方か・・・)
と (あなたと私・・・かな?)
い (あなたという人は・・・とかそんな感じ?)
う
海
峡
なんだそりゃ!!?と俺が芸人なら椅子からずり落ちるところだった。
そんな感じで詞を重ねるごとに我が理性も浸食されていく、市川準のレンダリング詞集攻撃に、笑いときめいた20分
そうはいってもこれ以上やめと飽きるかな・・・と思ったのを見計らったように音楽がかかって終わり。
最後の最後に市川準監督が私たちに残してくれた言葉は、わからなくていいってことだった。
国連安保理がどうのというニュース観るたび、市川準監督のことを思い出すようになってしまったよ。
そんなこんなでお薦めはしないけど、個人的にはある意味歴代市川準作品で一番ウケた作品だった。
2008年9月に記した「追悼 市川準」
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