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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

スターウォーズ Episode9 スカイウォーカーの夜明け

2019-12-31 21:47:00 | 映評 2013~
スターウォーズを好きな順に並べる
4
5
6
R1
8
3
HS
2
9
7
1
 
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あまりにも酷い幕切れだった。
映画としての出来ならさすがにあのエピソード1ファントムメナスよりはいくらかマシなのだが、あれはまあ、エピソード1だし・・・このあと面白くなるならまあ・・という期待もあり、実際エピソード3はまあまあ盛り上がったのでなかったことにしてもよいかと思えたのだ

しかし、いちおうルーカスが当初構想していたという9部作の大トリが、こんな無様な形で終わるのはやはりスターウォーズで青春を送った身としては悲しみがあふれてくる
 
監督がJJなんとかにもどった時点ですでに期待値はほぼゼロだったのだが、予想を下回る悲惨さであった。
 
ちなみに私は8はものすごく評価していて、7は大嫌い派
JJの映画っていつも馬鹿じゃねーの?何それ?なシーンがあって幻滅する。いちいち語りたくもないがミッションインポッシブルもスタートレックもゴミにしやがって、おまけにスターウォーズもかよと怒りがこみ上げる。だからお前はテレビでだけイキッてりゃよかったんだよと思う
スターウォーズをこんなことにしてしまったのは、JJごときを巨匠扱いしてアカデミー賞で監督賞のプレゼンターまで勤めさせるなど無駄な甘やかしを続けてきたハリウッドの連帯責任ではないかと思う
 
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スターウォーズEp9のここがひどい(1)【連続ジャンプ】

…エピソード4でハンソロはなんて言ってた?

計算せずにハイパードライブを使えば惑星に衝突するかブラックホールに吸い込まれる
…んじゃなかったっけ?
40年たってテクノロジーが進んだのかもしれないけどね
でも8できちんと計算なしジャンプで敵艦に体当たりしたことを思ってみたり、9でもジャンプ後にいろんなものにぶつかりそうになってたり、やっばただのアホじゃね

 

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スターウォーズEp9のここがひどい(2)【脚本の構成面】
緊張感もわくわくも待ってましたも何もない、酷い
敵の本拠を発見するために〇時間以内に□□が必要だという目標とリミット設定はいいのだけど
16時間後に総攻撃が始まる!
って、敵は何で16時間攻撃しないで待っていてくれるのかさっぱりわからない
待ってる理由も特にあったとは思えない
そしてレジスタンスも敵を見つけてどうするという戦略が何もない
「4」ならこの穴にフォトン弾を落とせばデススターは大爆発とか、「6」ならシールド発生器を壊したところで戦闘機でコアに突入すれば・・・など作戦があった。
「9」のレジスタンスは、敵の本拠さえ見つけりゃあとは何とかなる的な、あまりにいきあたりばったり
助けを呼べばきっと誰か来るとか、そういうのもう作戦とはいわない
戦闘シーンで大勢の仲間が助けに駆け付けるシーン。さしたる伏線がないので何にも感動しないのだが、アベンジャーズEGとか、ロードオブザリング2の同種のシーンとの感動の違いは、映像でなく脚本なんだよ!!
 
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スターウォーズEp9のここがひどい(3)【脚本の情緒面】
台詞処理しかしていないの酷い
レイとカイロ・レンの物語としては実はまあまあ感動はしたんだよ。それ以外の部分がスカスカなんだよ
「5」で例の「私がお前の父だー」のところ、戦いの果てに追い詰められたルークにもはや絶望しかない状況であれ言われるから、「ノー、ノーノー」って言うんでしょ
それが、出自が謎だったレイの秘密がついにってところ、カイロ・レンがお前の父はパルバディーンだって、さくっと、パルパさんもいない、他に誰もいない、戦いも始まってもいないところで言われたって「へえ、そうだったの?」で終わるに決まってんだろ
フィンとポーはほぼ完全にその他どうでもいいキャラで、ドラマなし
レイアに見せ場作れなかったのは、事情を知ってるから仕方ないにしても、とにかく気持ちが一番上がる部分をスルーしてしまったのがこの映画で最大許せないところだ
 
他には大好きだった「8」のヒロインのローズちゃんをネットでバッシングされたくらいでメインから外すヘタレっぷりも最低だ
 
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スターウォーズEp9のここがひどい(4)【フォース】
たしかに「8」で遠距離通信と当事者間での物理的接触を描いたので、その応用にすぎないという言い訳はあるかもしれない
だからって、スタートレックの転送装置みたいに、使っちゃいけないだろ
そこでライトセーバーもっちゃったら、その前に捨てたの何だったんだよ
そんでフォースで宇宙船の発信を食い止めるとかやりすぎじゃね。
じゃあなんでダースベイダーは「4」や「5」でミレニアムファルコンをフォースで止めなかったんだよってなるだろ
そして皇帝のシスの火っていつから電子機器を狂わす電磁パルス発生機能ついたんだよ。アップデートか!?
 
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スターウォーズEp9のここはいい(1)【ドーナル・グリーソン】
世界のSF映画ファンが大好きなはずのドーナル・グリーソン君。
何しろ「アバウト・タイム」と「エクスマキナ」で主演しているのだ。もう大スターとよばれてもおかしくないキャリアなのに、なぜか顔も名前も知られていない不運な俳優だ
その彼がスターウォーズ新シリーズで悪役とはいえレギュラー出演。ついに彼の時代がきたかと思わせて、「8」では役立たずなところがいいと最高指導者スノークに言われいた。
その彼が本作でついに実はレジスタンスの仲間だったことが判明(「7」で大量虐殺指揮したことはどうなってんのか?)
ついにドーナル君もフィンやポーと一緒に戦うかっこいい見せ場が来るのか、と思ったら・・・
その辺の雑魚敵のようにあっさり撃ち殺され、最後まで雑魚あつかいだったのは、とても笑えた
彼もまだ当分、え?スターウォーズ出てたの?誰?ストームトルーパー?とか言われる日々が続くのであろう
 
スターウォーズEp9のここはいい(2)【ジョン・ウィリアムズ】
2016年にアメリカはフィラデルフィアまでジョン・ウィリアムズの映画音楽コンサートを聴きにいた。そのコンサートでジョン・ウィリアムズは年齢を感じさせないパワフルな指揮をみせてくれて、だから少なくともエピソード9まではそこらの若いやつ(例えばマイケル・ジアッチーノとか)に譲ることなく作曲をしてくれるのだろうと確信した。
そして実際、「9」でも、古い曲の使いまわしが多かったとはいえ、スターウォーズシンフォニーをガンガン奏でてくれた
 
ルークがXウィングを持ち上げるシーンではヨーダのテーマがかかるのだが、これは「5」でヨーダが同じことをやった時のシーンの曲とアレンジ含めて同じで、ルークがヨーダの弟子であることを示している
レイが皇帝の間の跡地を訪ねる時の曲は「6」でダースベイダーがルークにマスクを外してもらうシーンの曲だったりする。ここは特につながりはないけど、雰囲気重視の選曲だったのだろう。
勝利に沸くレジスタンスたちを彩るのはスターウォーズ名曲メドレーの趣
「ヨーダのテーマ」とか「ルークとレイア」とかそこにいない人たちの曲ばっかりなんで使うのかと疑問はあるが、いいから聴けーとばかりにウィリアムズ卿の命令で鳴りまくる音楽には平伏いたしましたです
 
戦闘シーンで大勢の仲間が助けに駆け付けるシーンは前述のとおり脚本的に何も盛り上がらないのだが、一人ジョン・ウィリアムズだけはノリノリだ。
戦闘シーンでスターウォーズのメインテーマを高らかにならしたのはシリーズ初だ。
そしてエンドクレジットで、メインテーマをオープニングと同じ編曲で高らかに鳴らしたのも今回が初めてだ
スターウォーズも最後だし、ひとつ盛り上げてやろうかい、というジョン・ウィリアムズにとって息子みたいなスターウォーズへの愛を感じる
このクソ酷い映画にかろうじて見ごたえを与えていたのは紛れもなくジョン・ウィリアムズの音楽の力だった!!
 


 
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「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」
監督:JJエイブラムズ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:キャリー・フィッシャー、マーク・ハミル、アダム・ドライバー、デイジー・リドリー
2019年12月 池袋グランドシネマサンシャインにて鑑賞
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