「タマが痒いんだ!!ちがーう!!そこじゃなーい!!」はシリーズ屈指の名台詞であった。
そういえば「ワールド・イズ・ノット・イナフ」以来、「ボンド拷問に耐える・・・の巻」がついてまわる。まるで「ゴルゴ13」を参考文献にしているかのように・・・
毎回熾烈をきわめる拷問であるが、いつもそこからの脱出方法が人まかせなのが不満である。そういえば「トゥモロー・ネバー・ダイ」でも拷問されかかるシーンがあったが、そこではボンドは自力で(Qの秘密兵器の力も借りてだが)脱出する。
拷問じゃないけど「ゴルードフィンガー」でレーザーで切り刻まれそうになった時はハッタリでのりきり、「ユア・アイズ・オンリー」で鮫のいる海をボートで引きずり回された時は自分でロープを切って逆襲していたボンド。
最近は通りがかりの誰かに助けてもらってばかりで頼りないボンド。今作の拷問シーンはシリーズぴか一だっただけに、脚本家が脱出方法をちゃんと考えてくれなかったのが残念だ
ピアース時代に遊びすぎちゃった反動で先祖帰りしたシリーズ。「ドクター・ノー」とか「ロシアより愛をこめて」が懐かしくなっちゃったのだろうか?
ほとんど特撮ショーと化していたピアース007もどうだかなあ・・・とは思っていたけど、ここまで地味にすると反省しすぎである。
今作のボンドは拷問からの脱出だけでなく、全体的に実に頼りない。
すぐドジる。
すぐ騙される。
挙げ句、君のためならスパイやめちゃうよ、と軟弱発言。
いっぱいいっぱいで全く余裕なしのボンド。
カーチェイスしながら並走する敵車のドライバーに微笑みかけるロジャー・ムーアとか、ボートチェイスしながらネクタイ直すピアース・ブロスナンとかが懐かしい。
こんな弱いボンドでこれから大丈夫だろうか?ちょっと心配だけど、デビューからシリーズを代表する駄作2作に連続主演したロジャーさんもその後、ミスター・ボンドとしてばっちり定着したから、なんとかなるだろう。
次回作ではいきなり、余裕たっぷりのいつものボンドになってるのだろうか?しばらく見習い期間シリーズが続くんじゃないことを祈りたい。
ファンをはぐらかす要素が色々ある
いつものバレルとボンドと血のアニメが無ーい・・・と思わせてオープニングアクションの最後にもってくるところは憎い
タイトルバックが多分、シリーズ初の女っ気なし
Q(および後任のR)が一度も出てこないのは第一作以来か?「死ぬのは奴らだ」も出てこなかったっけ?
ボンドガールとのイチャつきで終わらないのも「女王陛下」以来
車の壮絶なクラッシュシーンも、いつものボンドカーなら何事も無かった様に着地して走り続けるだろうに・・・
というファン向けの変化球作品。
ところで、監督のマーティン・キャンベル。
「レジェンド・オブ・ゾロ」の時も書いたけど、この人は爆弾が好きである。爆発でなく爆弾が。
本筋とさほど関係ない、序盤のアクションシーンが爆弾魔を追ったり、爆弾テロを防ぐためだったりとキャンベルの面目躍如といったところだが、爆弾の扱いにいつものキレがない。アクションシーンとしてはマダガスカルでの黒いジャッキーみたいなやつと「プロテクター」並みの猛烈アクションを展開するところは良かったけど、ここでは爆弾はそれほど印象的に使われない。
空港でのチェイスは「レイダース」みたいで面白かったが、爆弾の使い方はいつものキャンベルならもっと凝ってた。
しかしいちおう、シーンの締めくくりは爆弾のリモートコントロールに気付かない警備員たちと、スイッチを持つテロ犯、というサスペンスなカットつなぎが観られる。ただその前にボンドが爆弾の存在に気付いているから、観てるこちらはオチが読めてしまう。しかし犯人爆死の瞬間にもカメラはボンドの顔を撮り続け、シリーズ中最も残忍なニヤリを見せるという私好みな演出をしてくれたので良しとしよう。
しかしこのシーン以降、物語の本筋に入ってから急激につまんなくなるのは、どういうことでしょ
Mが「冷戦がなつかしい」と毒づく
敵はKGBでもスペクターでもなく、実体のはっきりしない組織。黒幕っぽい奴やっつけても組織がはっきりしないから爽快感に欠ける。
M:I:3も本作もスパイヒーローが妻が恋人がと弱っちい発言するところは同じで、私もつい冷戦時代のスパイ映画が懐かしいと思ってしまうのだった。
*******
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
そういえば「ワールド・イズ・ノット・イナフ」以来、「ボンド拷問に耐える・・・の巻」がついてまわる。まるで「ゴルゴ13」を参考文献にしているかのように・・・
毎回熾烈をきわめる拷問であるが、いつもそこからの脱出方法が人まかせなのが不満である。そういえば「トゥモロー・ネバー・ダイ」でも拷問されかかるシーンがあったが、そこではボンドは自力で(Qの秘密兵器の力も借りてだが)脱出する。
拷問じゃないけど「ゴルードフィンガー」でレーザーで切り刻まれそうになった時はハッタリでのりきり、「ユア・アイズ・オンリー」で鮫のいる海をボートで引きずり回された時は自分でロープを切って逆襲していたボンド。
最近は通りがかりの誰かに助けてもらってばかりで頼りないボンド。今作の拷問シーンはシリーズぴか一だっただけに、脚本家が脱出方法をちゃんと考えてくれなかったのが残念だ
ピアース時代に遊びすぎちゃった反動で先祖帰りしたシリーズ。「ドクター・ノー」とか「ロシアより愛をこめて」が懐かしくなっちゃったのだろうか?
ほとんど特撮ショーと化していたピアース007もどうだかなあ・・・とは思っていたけど、ここまで地味にすると反省しすぎである。
今作のボンドは拷問からの脱出だけでなく、全体的に実に頼りない。
すぐドジる。
すぐ騙される。
挙げ句、君のためならスパイやめちゃうよ、と軟弱発言。
いっぱいいっぱいで全く余裕なしのボンド。
カーチェイスしながら並走する敵車のドライバーに微笑みかけるロジャー・ムーアとか、ボートチェイスしながらネクタイ直すピアース・ブロスナンとかが懐かしい。
こんな弱いボンドでこれから大丈夫だろうか?ちょっと心配だけど、デビューからシリーズを代表する駄作2作に連続主演したロジャーさんもその後、ミスター・ボンドとしてばっちり定着したから、なんとかなるだろう。
次回作ではいきなり、余裕たっぷりのいつものボンドになってるのだろうか?しばらく見習い期間シリーズが続くんじゃないことを祈りたい。
ファンをはぐらかす要素が色々ある
いつものバレルとボンドと血のアニメが無ーい・・・と思わせてオープニングアクションの最後にもってくるところは憎い
タイトルバックが多分、シリーズ初の女っ気なし
Q(および後任のR)が一度も出てこないのは第一作以来か?「死ぬのは奴らだ」も出てこなかったっけ?
ボンドガールとのイチャつきで終わらないのも「女王陛下」以来
車の壮絶なクラッシュシーンも、いつものボンドカーなら何事も無かった様に着地して走り続けるだろうに・・・
というファン向けの変化球作品。
ところで、監督のマーティン・キャンベル。
「レジェンド・オブ・ゾロ」の時も書いたけど、この人は爆弾が好きである。爆発でなく爆弾が。
本筋とさほど関係ない、序盤のアクションシーンが爆弾魔を追ったり、爆弾テロを防ぐためだったりとキャンベルの面目躍如といったところだが、爆弾の扱いにいつものキレがない。アクションシーンとしてはマダガスカルでの黒いジャッキーみたいなやつと「プロテクター」並みの猛烈アクションを展開するところは良かったけど、ここでは爆弾はそれほど印象的に使われない。
空港でのチェイスは「レイダース」みたいで面白かったが、爆弾の使い方はいつものキャンベルならもっと凝ってた。
しかしいちおう、シーンの締めくくりは爆弾のリモートコントロールに気付かない警備員たちと、スイッチを持つテロ犯、というサスペンスなカットつなぎが観られる。ただその前にボンドが爆弾の存在に気付いているから、観てるこちらはオチが読めてしまう。しかし犯人爆死の瞬間にもカメラはボンドの顔を撮り続け、シリーズ中最も残忍なニヤリを見せるという私好みな演出をしてくれたので良しとしよう。
しかしこのシーン以降、物語の本筋に入ってから急激につまんなくなるのは、どういうことでしょ
Mが「冷戦がなつかしい」と毒づく
敵はKGBでもスペクターでもなく、実体のはっきりしない組織。黒幕っぽい奴やっつけても組織がはっきりしないから爽快感に欠ける。
M:I:3も本作もスパイヒーローが妻が恋人がと弱っちい発言するところは同じで、私もつい冷戦時代のスパイ映画が懐かしいと思ってしまうのだった。
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ボンドみたいに感情込めて言ったら、「シャンプーが目に沁みましたか?」と床屋のねーちゃんに心配してもらえるかな(笑)。
てなわけで、TBありがとうございました。
「ワールド・イズ・ノット・イナフ」のポスターにもなった、ヘンテコな拷問装置だけは覚えています。
しかし、ボンドみたいってことは全裸フルチンなわけで多分、床屋のねーちゃんは逃げ出すか、パンチするかどっちかでしょう
>aq99さま
多分どMなんですよ。ピアース。
それですべての点でピアースを越えようとしたダニエルががんばりすぎちゃったのかもしれませんね