カジノ・ロワイヤル公開記念と、適当に言い訳して、シリーズ全作を簡単に振返ってみよう・・・
まずは、シリーズとして方向性を模索していた初期三作、そしてひな形が完成し勢いよくすっ飛び始めた4~5作。
ショーン・コネリー篇~クールなスパイが気がつくとバカ騒ぎ~
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■■■■■■ →生涯ベストクラス
■■■■■□ →大好き
■■■■□□ →結構好き
■■■□□□ →まあまあ
■■□□□□ →つまんない
■□□□□□ →最悪
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■■■□□□ 007 ドクター・ノー
監督 テレンス・ヤング
音楽 モンティ・ノーマン(ボンドのテーマはジョン・バリーが大幅にアレンジしたらしい)
出演 ショーン・コネリーほか
記念すべき第一作。オープニングのいまやおなじみのバレルとボンドと血のアニメ・・・がスタイリッシュでなくて笑える。どう音楽をつけたらいいかさっぱり判っていないせいか、やたらに転調して観ていて不安になる。ショーン・コネリー(ダブルか?)もどう演技したらいいか分かってないので、後年のおもむろに振り向いてズドンではなく、どびゅーんとオーバーにジャンプしてスドン。
派手なアクションはなく、冷静に冷酷にターゲットを殺害するショーン・コネリーはかっこいい。Mに愛用のベレッタを取り上げられ、代わりのワルサーPPKを渋々受取るところなどは、今にしてみると面白い。全般渋めの展開だが後半になるとスペクター出資によるドクター・ノーの秘密基地での戦いとなり、渋い割りにバカっぽい展開のチクハグさが面白い。
■■■□□□ 007 ロシアより愛をこめて
監督 テレンス・ヤング
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリー、ロバート・ショーほか
初公開時の邦題は「007危機一発」だった。一髪でなく一発なのがポイントである。
これも渋い系路線。
Q(デズモンド・リュエリン)が初登場し、新兵器「知らない奴が開けたら催涙ガスが吹き出すアタッシェケース」をボンドに渡す。これを使ってロバート・ショー演じる殺し屋をギタンギタンにやっつけるシーンがシリーズ屈指の名シーンと言われている。そのロバート・ショーはオープニングでわざわざボンド(ショーン・コネリー)に変装させた手下を殺害するデモンストレーションを見せるが、何の意味があったのだろう。やっぱり気分を盛り上げたかったのだろうか?
シリーズ最高傑作に押す人も多いしその気持ちは分からなくもないが、アクションシーンは終盤まで無いし、後年の派手路線が好きな私としては食い足りない。
■■■■□□ 007 ゴールドフィンガー
監督 ガイ・ハミルトン
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリーほか
シリーズの雛形がやっと出来上がったという意味で第一作以上にシリーズ史を語る上で重要な作品。
・オープニングにボンド活躍のアクションシーン
・タイトルにかかる主題歌
・ボンドカー登場(助手席をひゅーっと射出できる。隣に悪人が座る前提で作られている)
・序盤中盤にも盛り上げアクションシーンあり
・クライマックスは敵味方大勢で大バトル
・・・これ以降の作品は、「ゴールドフィンガー」のアレンジに過ぎないといってもいい。
核爆弾の時限タイマーをあわやというところで解除する・・・というこの手の映画でありがちなベタシーンがある。普通、あと一秒とか、あと0秒とかで解除されハラハラドキドキさせられるわけだが、「ゴールドフィンガー」は一味違う。爆弾を解除してほっと一息のボンドがタイマーを見ると、三桁のデジタルタイマーは「007」を示しているのだ!!
■■■■■□ 007 サンダーボール作戦
監督 テレンス・ヤング
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリーほか
コネリー時代の作品では一番好きだ。今観ても面白い。
オープニングアクションはシリーズベスト3に入るデキ。
前作ではボカボカ殴る程度だったオープニングだが、家具バンバンぶっ壊し、壮絶でキレのいいアクション見せた後、ジェットランドセルで空飛んで逃走。しかも美女が運転するボンドカーが待っていて、装甲板ガシャッと出して追っ手の攻撃をかわす。
このシーンだけでけっこう満腹状態だが、本編はさらにスケールアップ。
いよいよ本格的に動き始めた悪の秘密結社「スペクター」。首領はブロフェルドでこの第四作までは飼い猫をなでる手しか写さない。この演出もイカす。組織の金を横領した幹部をボタン一つで処刑するシーンは、後年ジャパン国で作られたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」でデスラー総統が無礼な幹部をボタン一つで処刑するシーンに影響を与えたと思われる。ともかくそのスペクターがNATOの核弾頭を強奪し、イギリス政府に莫大な金を要求。ミス・マネーペニー(ロイス・マクスウェル・・・第一作から第14作まで四半世紀にわたりミス・マネーペニーを演じ続けた)が「00(ダブルオー)ナンバーが全員招集されたわ」みたいなことを言うシーンでイギリスにはそんなに殺しの許可証所持者がいるのかとびびったものだ。もっともシリーズを観る限りボンド以外の00ナンバーは能無しぞろいだが・・・
フレミングの好きなバハマを主な舞台に奪われた核弾頭を追うボンドの活躍が展開。クライマックスの海中で敵味方大勢入り乱れ銛が飛び交う水中大決戦はかなりの見応え。ああ面白かったっっと納得の作品。
以下余談。
007シリーズのプロデューサであるアルバート・ブロッコリとか当時シリーズを制作していたUnited Artists社は「サンダーボール作戦」の映画化権を持っておらず、当時映画化権を所有していた別のプロデューサを口説き共同制作作品として「サンダーボール作戦」を制作した。
そのプロデューサは後年に本家とは別に「サンダーボール作戦」を再映画化する。タイトルは「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」。ロジャー・ムーアのボンドが定着していた時期にあえてショーン・コネリーを再登板させ、監督にスター・ウォーズ帝国の逆襲とかロボコップ2(!)とかのアーヴィン・カーシュナーを起用して本家に挑戦したが、デキはあまり良くなかった。そのプロデューサは今でも「サンダーボール作戦」の映画化権を保持しており、ティモシー・ダルトンを引っぱり出して三度目の映画化を計画中とのニュースも何年か前に聞いたが、どうなったのやら。
■■■■■□ 007は二度死ぬ
監督 ルイス・ギルバート
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリー、丹波哲郎ほか
「ムーンレイカー」と並び、シリーズを代表するトンデモ作品だが、個人的には相当好きな作品でもある。実を言うと初めて観たのがこれ。よく最初にこれを観てファンになったものだな・・・と思うけど、私をトンデモバカ映画好きにさせた犯人であるのかもしれない。
ご存知の通り、舞台は日本!!例の迷惑組織スペクターが日本に秘密基地を作っているらしい。ボンドは日本の諜報組織の一員である丹波哲郎氏や濱美枝嬢の協力を得て、スペクターを追う!!日本描写はもちろん極限までヘンテコなのだが、あと一歩で第三次世界大戦が始まってしまうぅぅぅ!!という壮大なスケールのアクション巨編な内容はバカっぽい細部の描写など忘れさせてくれる。
Qの秘密兵器は今作も絶好調。あの武器満載の超小型一人乗りヘリコプター(火炎放射機、落下傘爆弾、誘導ミサイル等装備)を手に入れるのが私の永遠の夢である。
ロケット弾内蔵のタバコもかっこよくて、あれの真似がしたくてタバコを吸い始めた・・・と言うのは言いがかりである。なお現在は禁煙1年目である。もし私が悪の秘密結社の首領になったら、捕まえたスパイが最後に一服させてくれと言っても絶対にお断りだ。
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以下、そのうち執筆予定!!
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ショーン・コネリー篇~クールなスパイが気がつくとバカ騒ぎ~(第1作~第5作)
迷走篇(第6作~第9作)
ムーア充実篇~アクションシーンはスタントマンに、ベッドシーンは自分で~(第10作~第14作)
ティモシー篇~消されたのはライセンスだけではない~(第15作~第16作)
ピアース篇~そしてどんちゃん騒ぎへ~(第17作~第20作)
第21作 カジノ・ロワイヤル 映評
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まずは、シリーズとして方向性を模索していた初期三作、そしてひな形が完成し勢いよくすっ飛び始めた4~5作。
ショーン・コネリー篇~クールなスパイが気がつくとバカ騒ぎ~
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■■■■■■ →生涯ベストクラス
■■■■■□ →大好き
■■■■□□ →結構好き
■■■□□□ →まあまあ
■■□□□□ →つまんない
■□□□□□ →最悪
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■■■□□□ 007 ドクター・ノー
監督 テレンス・ヤング
音楽 モンティ・ノーマン(ボンドのテーマはジョン・バリーが大幅にアレンジしたらしい)
出演 ショーン・コネリーほか
記念すべき第一作。オープニングのいまやおなじみのバレルとボンドと血のアニメ・・・がスタイリッシュでなくて笑える。どう音楽をつけたらいいかさっぱり判っていないせいか、やたらに転調して観ていて不安になる。ショーン・コネリー(ダブルか?)もどう演技したらいいか分かってないので、後年のおもむろに振り向いてズドンではなく、どびゅーんとオーバーにジャンプしてスドン。
派手なアクションはなく、冷静に冷酷にターゲットを殺害するショーン・コネリーはかっこいい。Mに愛用のベレッタを取り上げられ、代わりのワルサーPPKを渋々受取るところなどは、今にしてみると面白い。全般渋めの展開だが後半になるとスペクター出資によるドクター・ノーの秘密基地での戦いとなり、渋い割りにバカっぽい展開のチクハグさが面白い。
■■■□□□ 007 ロシアより愛をこめて
監督 テレンス・ヤング
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリー、ロバート・ショーほか
初公開時の邦題は「007危機一発」だった。一髪でなく一発なのがポイントである。
これも渋い系路線。
Q(デズモンド・リュエリン)が初登場し、新兵器「知らない奴が開けたら催涙ガスが吹き出すアタッシェケース」をボンドに渡す。これを使ってロバート・ショー演じる殺し屋をギタンギタンにやっつけるシーンがシリーズ屈指の名シーンと言われている。そのロバート・ショーはオープニングでわざわざボンド(ショーン・コネリー)に変装させた手下を殺害するデモンストレーションを見せるが、何の意味があったのだろう。やっぱり気分を盛り上げたかったのだろうか?
シリーズ最高傑作に押す人も多いしその気持ちは分からなくもないが、アクションシーンは終盤まで無いし、後年の派手路線が好きな私としては食い足りない。
■■■■□□ 007 ゴールドフィンガー
監督 ガイ・ハミルトン
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリーほか
シリーズの雛形がやっと出来上がったという意味で第一作以上にシリーズ史を語る上で重要な作品。
・オープニングにボンド活躍のアクションシーン
・タイトルにかかる主題歌
・ボンドカー登場(助手席をひゅーっと射出できる。隣に悪人が座る前提で作られている)
・序盤中盤にも盛り上げアクションシーンあり
・クライマックスは敵味方大勢で大バトル
・・・これ以降の作品は、「ゴールドフィンガー」のアレンジに過ぎないといってもいい。
核爆弾の時限タイマーをあわやというところで解除する・・・というこの手の映画でありがちなベタシーンがある。普通、あと一秒とか、あと0秒とかで解除されハラハラドキドキさせられるわけだが、「ゴールドフィンガー」は一味違う。爆弾を解除してほっと一息のボンドがタイマーを見ると、三桁のデジタルタイマーは「007」を示しているのだ!!
■■■■■□ 007 サンダーボール作戦
監督 テレンス・ヤング
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリーほか
コネリー時代の作品では一番好きだ。今観ても面白い。
オープニングアクションはシリーズベスト3に入るデキ。
前作ではボカボカ殴る程度だったオープニングだが、家具バンバンぶっ壊し、壮絶でキレのいいアクション見せた後、ジェットランドセルで空飛んで逃走。しかも美女が運転するボンドカーが待っていて、装甲板ガシャッと出して追っ手の攻撃をかわす。
このシーンだけでけっこう満腹状態だが、本編はさらにスケールアップ。
いよいよ本格的に動き始めた悪の秘密結社「スペクター」。首領はブロフェルドでこの第四作までは飼い猫をなでる手しか写さない。この演出もイカす。組織の金を横領した幹部をボタン一つで処刑するシーンは、後年ジャパン国で作られたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」でデスラー総統が無礼な幹部をボタン一つで処刑するシーンに影響を与えたと思われる。ともかくそのスペクターがNATOの核弾頭を強奪し、イギリス政府に莫大な金を要求。ミス・マネーペニー(ロイス・マクスウェル・・・第一作から第14作まで四半世紀にわたりミス・マネーペニーを演じ続けた)が「00(ダブルオー)ナンバーが全員招集されたわ」みたいなことを言うシーンでイギリスにはそんなに殺しの許可証所持者がいるのかとびびったものだ。もっともシリーズを観る限りボンド以外の00ナンバーは能無しぞろいだが・・・
フレミングの好きなバハマを主な舞台に奪われた核弾頭を追うボンドの活躍が展開。クライマックスの海中で敵味方大勢入り乱れ銛が飛び交う水中大決戦はかなりの見応え。ああ面白かったっっと納得の作品。
以下余談。
007シリーズのプロデューサであるアルバート・ブロッコリとか当時シリーズを制作していたUnited Artists社は「サンダーボール作戦」の映画化権を持っておらず、当時映画化権を所有していた別のプロデューサを口説き共同制作作品として「サンダーボール作戦」を制作した。
そのプロデューサは後年に本家とは別に「サンダーボール作戦」を再映画化する。タイトルは「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」。ロジャー・ムーアのボンドが定着していた時期にあえてショーン・コネリーを再登板させ、監督にスター・ウォーズ帝国の逆襲とかロボコップ2(!)とかのアーヴィン・カーシュナーを起用して本家に挑戦したが、デキはあまり良くなかった。そのプロデューサは今でも「サンダーボール作戦」の映画化権を保持しており、ティモシー・ダルトンを引っぱり出して三度目の映画化を計画中とのニュースも何年か前に聞いたが、どうなったのやら。
■■■■■□ 007は二度死ぬ
監督 ルイス・ギルバート
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリー、丹波哲郎ほか
「ムーンレイカー」と並び、シリーズを代表するトンデモ作品だが、個人的には相当好きな作品でもある。実を言うと初めて観たのがこれ。よく最初にこれを観てファンになったものだな・・・と思うけど、私をトンデモバカ映画好きにさせた犯人であるのかもしれない。
ご存知の通り、舞台は日本!!例の迷惑組織スペクターが日本に秘密基地を作っているらしい。ボンドは日本の諜報組織の一員である丹波哲郎氏や濱美枝嬢の協力を得て、スペクターを追う!!日本描写はもちろん極限までヘンテコなのだが、あと一歩で第三次世界大戦が始まってしまうぅぅぅ!!という壮大なスケールのアクション巨編な内容はバカっぽい細部の描写など忘れさせてくれる。
Qの秘密兵器は今作も絶好調。あの武器満載の超小型一人乗りヘリコプター(火炎放射機、落下傘爆弾、誘導ミサイル等装備)を手に入れるのが私の永遠の夢である。
ロケット弾内蔵のタバコもかっこよくて、あれの真似がしたくてタバコを吸い始めた・・・と言うのは言いがかりである。なお現在は禁煙1年目である。もし私が悪の秘密結社の首領になったら、捕まえたスパイが最後に一服させてくれと言っても絶対にお断りだ。
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以下、そのうち執筆予定!!
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ショーン・コネリー篇~クールなスパイが気がつくとバカ騒ぎ~(第1作~第5作)
迷走篇(第6作~第9作)
ムーア充実篇~アクションシーンはスタントマンに、ベッドシーンは自分で~(第10作~第14作)
ティモシー篇~消されたのはライセンスだけではない~(第15作~第16作)
ピアース篇~そしてどんちゃん騒ぎへ~(第17作~第20作)
第21作 カジノ・ロワイヤル 映評
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