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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

2020年映画 マイベストテン!!

2021-01-02 14:53:20 | 私の映画年間ベスト
2020年映画マイベストテン

1位 「ペイン・アンド・グローリー」(ペドロ・アルモドバル監督)
2位 「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)
3位 「ミッドサマー」(アリ・アスター監督)
4位 「フォードVSフェラーリ」(ジェームズ・マンゴールド監督)
5位 「37セカンズ」(HIKARI監督)
6位 「願い」(マリア・セーダル監督)
7位 「鈴木さん」(佐々木想監督)
8位 「写真の女」(串田壮史監督)
9位 「Hysteric Betty」(いおり気高い監督)
10位 「リチャード・ジュエル」(クリント・イーストウッド監督)



2020年は様々な価値観が根底から覆された一年でした。
私の映画鑑賞本数も激減しました(25作品)

例年ですと劇場鑑賞した作品を対象にマイベストを選んでいたのですが、しかし今年は状況が違います。
今年は様々な映画祭がオンラインで実施され、超大作がネット配信のみになったり、劇場公開と同時にネット配信開始とか、そんな年に劇場で観たものだけでベストを選ぶことにこだわることもないでしょう。
そう思ったので、新作であれば配信での鑑賞もベスト対象とすることにしました。
そうなると配信鑑賞した新作、およびオンライン含む映画祭での鑑賞が実は劇場鑑賞より多くなってしまったのでした(71作品)。あわせて96作品となれば、自信をもってベストテンとして発表できるぞ!! というわけで語っていきたいと思います。


【ベストテン作品解説】

10位 「リチャード・ジュエル」(クリント・イーストウッド監督)

10年代になってから、ゼロ年代ほど「来る」ことのなくなったイーストウッドではあるが、やはり監督としてのうまさと、現代アメリカに物言い続けるこの10年間の姿勢としてのぶれのなさは尊敬できる。
本作ではオリビア・ワイルド(アンジェリーナ・ジョリーを若くした感じだと思ってる。チェンジリングとあわせてイーストウッドがあの人のこと気に入ってたのかも・・・考えすぎか)が演じた女性記者の描き方が、実名を使いながら事実に反するとか、性差別的だと批判もあった。実話ベースの映画化において複数の人物を一人に集約させたり、ストーリーやテーマのために史実に反した描き方をすること自体はよくあることだが、本作の彼女に関する脚色は配慮不足だったとは思う。けれども本作で描きたかったのはそこではなく、リチャード・ジュエルが国のために働きながらも、国から悪人とされるところであって、国と個人の在り方を問うイーストウッドの10年代映画の流れをくむ傑作だと思っている。個人的には「アメリカンスナイパー」より「ハドソン川の奇跡」より心にしみた。
爆発テロのシーンの緊張感の高まり、「運び屋」でも感じたが、イーストウッドはサスペンス演出が昔より断然うまい


9位 「Hysteric Betty」(いおり気高い監督)

ゆうぱり国際ファンタスティック映画祭にて鑑賞。拙作「巻貝たちの歓喜」と同じファンタスティックゆうばりコンペ部門にノミネートされた作品で、自作をのぞけばゆうばり全作品中でこの映画に一番感銘を受けた。
いおり気高いというちょっと変わった名前の女性が監督・主演をつとめた作品。彼女は被写体やネイルアーティストとして生きてきてこれが初監督作とのことで、悪く言えば素人感のある映画ではあるものの、映画にはいおりさんの人生すべてを凝縮させたような気迫がある。地下アイドル、いかがわしい写真モデル、大人のおもちゃ、ファッション業界の裏口側を舞台に、裏切り欲望野望が、狭い界隈の中で渦巻く。登場人物の多くが台詞棒読みなのだが、恐らく、いおり気高いさんの人生の周りで出会った「本物たち」が出演しているのだろう。映画的リアルより自分のリアルを重視したようなこの作品。いおりさんのそれまでの人生すべてが映画に凝縮されているようで、異常なまでの生命力を感じた映画だった

8位 「写真の女」(串田壮史監督)

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて鑑賞。日本芸術センターでもグランプリ受賞。
自分は映画はファーストショットやファーストシーンに拘りたいタイプで、原則として映画は最初のシーンはその作品すべてを象徴するシーンにするべきだと思っている(例えば「ペイン・アンド・グローリー」のファーストショットって私にとって理想だ)。逆になんとなく物語が始まってしまう映画には少々疑問を感じたりもする。といっても山田洋次のようにそんなこと気に留めず何となく映画を始めてもトータル傑作にしてしまう監督もいるので、そうじゃなきゃいけないとも思ってないが。
で、写真の女はというと、なんてことない普通の画から映画が始まることに、正直言うとすこしがっかりした。なんてことない街の画。舞台となる写真屋の外観。そして写真屋のなんてことない日常。どうして画に凝らないのだろう・・・と思っていたが、見終わった今となってはあの出だしも完璧な演出だったとわかる。
映画が始まって15分くらいたってようやくタイトルの写真の女が登場する。写真の女によって、それまで淡々とルーティーンをこなすように生きてきた写真屋の男の日常が崩れていく。だから映画としては冒頭で「今まで何もすごいことなんか起こらなかったし、これからも起こらない」と意識づける必要があったのだ。なんてことない日常にたっぷり時間をかけて我々の気持ちを写真屋とシンクロさせていったのだ。
一言も発しない写真屋と比べるとわりと饒舌な写真の女が現れてからは彼女が観客の感情移入対象となる。主人公を交代させるというよりかは、登場人物が増えるたびに主人公が増えていく。といっても主要人物は4人しかいないのだが、それぞれにそれぞれのドラマがあり、写真屋を核にして各々が影響を与え合っていく展開もとてもうまかった。それでも写真の女の、「本物にも偽物にもなれない」という心の叫びが一番胸をえぐる。
映画には社会性をと言う私だが、この作品には社会性はほぼ皆無ながらも、純粋に語り口で楽しめる映画らしい映画だった

7位 「鈴木さん」(佐々木想監督)

東京国際映画祭にて鑑賞。
実は私の名前もエンドクレジットにのっていたりするのですが、大した役割は担ってません。
いとうあさこさん主演でありながらコメディ要素は薄い、悪夢のような未来社会を描いたディストピアSF。
カミサマが君臨する日本。全国民は腕に国民番号のタトゥを入れるよう義務付けられている。女性はある年齢で未婚で子供もいなかったら下級国民とされて人権が制限される。ただし兵役に就けば普通国民と同等になれる。
もうじき下級国民となる主人公が暮らす老人介護施設にある日鈴木さんを名乗る謎の男が転がり込んでくる。彼には国民番号のタトゥがなく、バイオリンが得意で、そして彼を追っている政府関係者がいる。
という、日本映画にしては珍しいくらいにかなり攻めた映画であるが、撮影自体は2年前くらい。ようやく東京国際映画祭で初披露となったのは内容が内容だからかもしれないし、もっと別な事情もあるのかもしれない。ただこの2年間「イッテQ」とかでいとうあさこさん見るたびにはやくこの人の主演映画を公開してあげて!!と思ってきたので東京国際という大舞台で観ることができてそれだけでも感動したのだった。
しかし2年という時間が思わぬ効果をあげているシーンがある。
鈴木さんが「給食マスク」いや今なら「アベノマスク」でおなじみのあれをつけていたら、おばちゃんに「そんな汚らしいマスク外しなさいよ!!」と怒られるのだ。思わず声をあげて笑ってしまったが、撮影時期的にそれをギャグにする意図があったとは思えず、優れた映画は何かを引く力があるのだ。
2年たってこの映画が笑い話になればよかったのに、2年たって笑えなくなってくる描写がかなり増えてきた。それでも主人公と鈴木さんとの心のつながりに、人間の心を信じようとする作家の想いが見えるようで胸を打つ。

6位 「願い」(マリア・セーダル監督)

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて鑑賞。ノルウェー映画。SKIPシティ国際コンペ部門のグランプリ受賞作。すごい映画だった。普通にカンヌパルムドールとかアカデミー賞とかとってもよさそうな、予算規模の大きくかつ傑作。
年末に脳腫瘍の手術をすることになった女性と、事実婚中の男性パートナーと、二人の子供たちの、激闘の一週間を描いた家族ドラマ。
死の恐怖と戦う女性を軸に、情緒不安定となった彼女をなんとか支えようとしながらもお互いの我の強さもあってぶつかり合う二人。いらついて理不尽なこという女にとまどう男の気持ちもわかるし、女の気持ちがわからず自分中心な男への女のいら立ちもわかる。家族って気兼ねなく喧嘩したりぶつかり合ったりできる関係なんだなと思ってうらやましくもあるが、なんとか、なんとかなにもかも無事に終わってほしい・・・とハラハラする手に汗握る家族ドラマで一瞬たりとも目が離せない、迫力の筆致だった。
監督自身の体験をもとにした映画だそうな。いおりさんともども自分語り映画は、映画からあふれる気迫が違う。
パートナーの男性を演じているのはハリウッド映画にもよく出てくる私の好きな俳優のスティーラン・スカルスガードで、好きな役者が見れて得した気分もあり。


5位 「37セカンズ」(HIKARI監督)

日本ではとある映画で有名俳優がトランス女性を演じてその演技が称賛されているらしいけど、アメリカではシス俳優がトランス役を演じるのは、トランス俳優の出演機会を奪うものだと非難され、スカーレット・ヨハンソンやハル・ベリーが出演を辞退するなど、そうした潮流が主流になっている。
個人的には自分じゃない誰かを演じるのが俳優なのだからいいじゃないかと思うし、じゃあ障碍者役を健常者が演じてはいけないのか?ということにもなりはしないか?と思ったりもする。
しかし、「37セカンズ」の佳山明(カヤマメイさん。女性)の演技を見ていると、本物のみが持つ迫力があると思える。この役を新進女優とかアイドルとかが演じたらとたんに嘘くさい偽善臭い映画になったにちがいない。
佳山明さん演じるユマは、産まれるときに37秒間呼吸が止まったために全身に障害を持って産まれた。一人ではお風呂に入ることもできず、離婚した母親は必死にユマの身の回りの世話をしている。ユマはイラスト作家アイドルのゴーストライターをやっておりいつか自分の名前でプロ漫画家としてデビューするのを夢見ている。ある日持ち込んだ出版社の女性編集者から「あなたセックスしたことないでしょ」と、本当にしたことないからリアルに描けないと指摘されたのをきっかけに性の扉を開こうとする。そしてそこからの出会いを通して成長と、自分探しのドラマが始まり、さらに母の子離れのドラマにもなっている。
この感動は佳山明さんの熱演と彼女を信じて難役に抜擢したHIKARI監督の慧眼によるものだ。
アメリカで映画制作に携わってきたHIKARI監督は、まさに障碍者役を健常者が演じることに疑問を抱いていたのだという。日本映画界に染まってないからできた傑作といえるかもしれない。
パスポートどうしたんだろうという小さな疑問だけはあるのだが、この映画の感動の前には小さいことだ

4位 「フォードVSフェラーリ」(ジェームズ・マンゴールド監督)

カーレースの映画。エンジンの轟音が心地よく、例によって変人を演じる型破りドライバーのクリスチャン・ベールと、元ドライバーで今はチームの監督のマット・デイモンがはまりにはまって楽しい。
タイトルはフォードとフェラーリの戦いを前面に押し出しているが、実際にはフォード内部における大企業対個人の戦いであり、そしていつ思い出しても胸が締め付けられるあの結末。敗北のドラマであり、敗北してもあきらめないドラマである。
ジェームズ・マンゴールドって「アイデンティティ」とか「ナイト&デイ」とか、最近だと「ローガン」とか、複雑なプロットで魅せる人だと思っていたけど、フォードVSフェラーリは正攻法なハリウッド映画らしいドストレートな娯楽作。文句なしで面白い映画。
マルコ・ベルトラミが手掛けたこの映画のサントラもまた最高で、2020年の朝のランニングのBGMとしてヘビロテでした。スピード出し過ぎちゃうのが難点。

3位 「ミッドサマー」(アリ・アスター監督)

ベストテンにこれまであげてきた映画はどれも素晴らしい傑作だけど、やっぱり10年たっても語り草になるような2020年を代表する作品というのはやっぱり、なんか変なオーラをまとっている。
1位でも2位でもなく3位に置いといてなんだけど「ミッドサマー」はやっぱ伝説級のやべえ映画だと思う。こんなに気持ち悪くて身の毛もよだつ経験はなかなかないし、真似もできないし、したくない。
カルト的人気作になるのかな。いや単に大ヒット作としてホラーのスタンダードになるのかもしれない。どっちにしても2020年映画の顔の一つだ

2位 「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)

アカデミー賞の歴史で初となる非英語作品での作品賞と監督賞と脚本賞のトリプル受賞を果たしたポン・ジュノ。いよいよポン・ジュノ時代到来かと思ったら、その後まもなくパンデミックが始まり、映画どころではなくなった。
「パラサイト」はポン・ジュノの最高傑作ではないかもしれないが、彼の代表作には違いないだろう。個人的には一番好きなのは「吠える犬は咬まない」で、最高傑作は「母なる証明」だと思ってる。実は「殺人の追憶」はそこまで好きじゃないのだけど傑作であることは認める。でも「吠える犬は咬まない」はやっぱり作家として未完成で勢いに任せている感が強いし(だから好きなんだけど)、「グエムル」は良くも悪くもジャンルムービーだし。「母なる証明」にしろ「殺人の追憶」にしろ完全すぎて隙がなく、心がずっと張り詰めたままな感じがある。それらに比べると「パラサイト」はとてもマイルドというか、ユーモアとサスペンスと社会性のブレンド感が絶妙ではないかと思う。
テーブルの下に隠れている場面の、サスペンスとユーモアとついでにエロまであわさったシーンの面白さは何だろう(「母なる証明」にも似たような場面はあったがパラサイトはもっと重層的)
便所が神様のように一段高いところに鎮座しそこでWiFi電波を探す、笑っていいのか悪いのかなユーモアも最高だし、格差社会について声高に主張するんでなく、映画の中に普通に社会の問題が横たわっているというのも逆に深い。韓国だから作れたドラマでありつつも、根底にあるのは各国共通の社会問題と、家族の物語であり、普遍的な物語にまとめあげたポン・ジュノはやぱりすごい。ポン・ジュノの名を世界に広めた一作として、やはり10年後も語り草となっている映画だと思う。

1位 「ペイン・アンド・グローリー」(ペドロ・アルモドバル監督)

1位をパラサイトとこれのどちらにしようかと悩んだが、3位2位は誰もが認める映画にして1位を個人的感銘の強いものにしようと思って。
アルモドバル映画に最初に魅了されたのは98年ごろ観た「ライブ・フレッシュ」だったか。
作るたびにシナリオのうまさに驚かされ、VOGUEあたりの写真のように異様にきれいな画で展開される異常で異様な物語のギャップに震えてきた。
本作は、これもまた自分語り映画。自身の半生を投影したような物語は、「トーク・トゥ・ハー」とか「私が生きる肌」みたいな異様な世界観とは違って、観る者の共感をさそうノスタルジックな作風。ノスタルジーってのは別に夕焼けの色に古き良きあの日を重ねる的な通俗かつ表面的な演出のことではない。今を生きている自分に思いがけず訪れる過去に分かれた人との出会いであり、自分を産み育ててくれた母への想いと自分を理解してくれなかった母への恨みがごっちゃになった複雑な想いである。
でも単に物語に酔うだけの映画でなく、キャスティングも含めて完璧に計算された監督の罠に、われら観客はまんまと騙されていたと気づくラスト。それでいて全てのテーマが集約されたあのラスト。驚愕とともに熱い思いがこみ上げる見事すぎるラスト!!
パンデミックの時代に、社会を見つめることと同じくらい、自分を見つめることも必要なんだと気づかせてくれた作品が多い(すべてコロナ前に作られた映画ではあるけれど)。



【個人賞】
監督賞 ポン・ジュノ(パラサイト)
脚本賞 ペドロ・アルモドバル(ペイン・アンド・グローリー)
作曲賞 マルコ・ベルトラミ(フォードvsフェラーリ)
女優賞 佳山明(37セカンズ)
男優賞 アントニオ・バンデラス(ペイン・アンド・グローリー)


【テンに入れたかった作品】
「ラストレター」(岩井俊二監督)
岩井俊二監督の映画好きなので、テンに入れたかったのだけど、でもなにか、ちょっと違う気がした。違和感は役者の演技に感じたのだけど、四月物語からリップヴァンウィンクルまでの未来をつかもうともがく人たちの話でなく、未来を変えるチャンスを逃した主人公がずっとめそめそしているだけのように感じて、ちょっと残念だった

「1917 命をかけた伝令」(サム・メンデス監督)
全体的に素晴らしい映画ではあったのだけど、どうして主人公が意識失うところで映像ブラックアウトしてしまったのだろう?あの場面は倒れて意識がなくなった主人公の顔にゆっくり寄って行って、しだいに照明が落ちていって、主人公が目を覚まして窓の外を見ると夜になってるとかするのが正解ではなかったか。あとトーマス・ニューマンの音楽がなんだか「007スカイフォール」みたいな、現代的かっこよさなのはいいのだけど、第一次大戦という時代設定にあってない気がした。

「ムイト・プラゼール」(朴正一監督)
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で鑑賞。差別を乗り越えるのは相互理解だよと、高校生同士の語り合いの中で説得力を持って伝えてくる。皆さんの演技も素晴らしい。

「Share the Pain」(中嶋駿介監督)
ゆうぱり国際ファンタスティック映画祭にて鑑賞。すべての男性は女性とセックスをする前に政府公認の男性からのセックスを受けなくてはならない・・・違反すると体に激痛が走る装置が全男性に埋め込まれている。
この世界における正義・やさしさ・思いやりと、現在の世界における正義・やさしさ・思いやりが、映画を観ながらぶつかり合い、深く考えさせられる。それでいて、あまりSF的な世界観を描き過ぎず、政治的にもならず、エロくもならず、ちょうどいい挫折系青春映画にまとまっていて、鑑賞後の余韻もよい。

「TOMATOES」(望月元気監督)
ゆうぱり国際ファンタスティック映画祭にて鑑賞。範田紗々さんが全裸血まみれで殺す場面の迫力がいつまでもこびりつく。血みどろ系映画多めのゆうばりだが、ただ血みどろを見せたいだけの作品というか、血みどろを描いた時点で作り手が満足してしまったような作品が多い気がしたけど、この作品はエロもグロもきちんと物語と結び付けているし、映画的興奮を誘う演出として必要かつ効果的に思えた。


【ワーストでもないけど、ちょっと言いたい】
「テネット」
見事に何が面白いんだかさっぱりわからなかった。設定にも無理ありすぎ。ただ設定の無理は承知でドラマを動かしていた「インセプション」や「インターステラー」と違い、今回はドラマよりも設定そのものを見せようとし過ぎていたように思う。

「プロジェクト・グーテンベルク」
ユンファ久々の二丁拳銃ならぬ二丁ライフルを見せてくれたのはいいが、嘘映像による回想シーンと言う語り手法は「ユージャル・サスペクツ」の昔から好きになれないので、白けてしまった

【あんま言いたくないけどワースト】
「ロングデイズ・ジャーニー」
3Dワンカットが始まるまでもひたすら退屈だったが、3Dワンカットが始まってからは退屈度がさらにパワーアップ
くだらねえ実験雰囲気映画やめろ

「ファンファーレが鳴り響く」
女子高校生が人をナイフで刺し殺しまくるだけの映画で、話は退屈だし、血みどろ女子高生の姿に何も重なって見えず観ていて心に何も鳴り響かなかった

「ホドロフスキーのサイコマジック」
しょうもねー事やってないで「エンドレスポエトリー」の続編早く撮れ!!デューンが公開されちまうぞ!!

「タイトル、拒絶」
映画と演劇は違うんだけどな。映画としての演出をしない理由は何かあるのか?


--------鑑賞全作リスト---------

【映画館で鑑賞】25作品
フォードVSフェラーリ
ジョジョ・ラビット
パラサイト 半地下の家族
ラストレター
37セカンズ
リチャード・ジュエル
ロングデイズ・ジャーニー
ミッドサマー
プロジェクト・グーテンベルク
1917 命をかけた伝令
ホドロフスキーのサイコマジック
ペイン・アンド・グローリー
東京ゴッドファーザーズ
パプリカ
テネット
ストレイドッグ
薬の神じゃない
鈴木さん
聖なる犯罪者
マイクテスト
何があっても大丈夫
配達されなかった手紙
タイトル、拒絶
ベートーベン全交響曲シネコンサート 7番8番
ベートーベン全交響曲シネコンサート 9番

※私の監督作「不完全世界」はカウント外にしています

【オンライン新作鑑賞】1
劇場

【ゆうばり国際ファンタスティック映画祭】41
Crazy World
湖底の空
Hysteric Betty
リホーム血祭り伝説
Cosmetic DNA
モンマルトルパパ
平らな和
Ghost in you
The Barber
賽は投げられた
ビハインド・ザ・ホール
鬼才監督
ACイン板門店
ナイトゲスト
美しいロジック
狭霧の國
こんがり
歩く魚
母儀~母たるものとしての模範~
蝸牛
こんな風に私は生きている。
Female
Kizuato
帰り道
パラペット
Share the Pain
乙姫二万年
まん ここ わい異聞 Perfume
怪獣映画の夜明け
さつ人テディベアーたん生の秘密
TOMATOES

夕張支線ノスタルジア
ファンファーレが鳴り響く
SUSUKINO BEAT
アイヌ、私の声
トリカゴ
THE TIDE POOL 海のはじまり
ハウス映画大会

※私の監督作「巻貝たちの歓喜」はカウント外にしています


【蓼科高原映画祭】9
エイリアンズ
こんがり
適度なふたり
ひなたぼっこ
雲梯
The Balloon Catcher

ラブ・コネクト
LOOP


【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭】14
願い
ザ・ペンシル
写真の女
コーンフレーク
あらののはて
コントラ
雨の箱舟
B/B
ムイト・プラゼール
リッちゃん、健ちゃんの夏。
そして私はパンダやシマウマに色を塗るのだ。
axandax
ななめの食卓
stay

【日本芸術センター映像グランプリ】8
にしきたショパン
Surface
ミスりんご
あらののはて
文化の日 製本前の 紙重し
ランタナ
ウェディングジンクスを踊れ
リビングの女王

※私の監督作「巻貝たちの歓喜」はカウント外にしています
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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ノミネート「巻貝たちの歓喜」
1/24 13:00 日本芸術センターにて受賞記念上映
1/26 19:00 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭全国ツアーの一環で、渋谷ユーロライブにて上映(監督主演の舞台挨拶あり)配信でも上映
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当ブログで行った2010年代映画ベストテンもあわせてどうぞ!!

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4 コメント

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あけましておめでとうございます (ノラネコ)
2021-01-03 17:09:18
私も初めて配信と劇場鑑賞をミックスしました。
Netflixとアマプラで60本以上観たのも初めて。
やっと元が取れたかも。
映画の形も変わっていきますね。
今年もよろしくお願いします。
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見事に重なりませんね。笑。 (せぷ)
2021-01-03 21:08:08
しんさんのおっしゃる通り、しんさんと自分のベストテン、見事に重なりませんね。笑。
重ならないどころか、しんさんがベストテンで挙げている作品の半分ぐらいはタイトルすら聞いたことがなかったりします。
自分がベストテンに挙げている作品はエンターテイメント寄りなので、しんさんにお薦め出来る作品はありませんが、唯一『ライド・ライク・ア・ガール』はしんさんも気に入るんじゃないだろうか、と思います。

今年もよろしくお願いします。
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あけましておめでとうございます (PGM21)
2021-01-06 22:44:09
新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。

昨年は2010年代ベスト10に参加させて頂きまして感謝申し上げます。

劇場で映画を観るのがこれほど困難な時代になるとは本当に予想もしていませんでした。昨年観賞した作品でも行定勲監督作品の「劇場」は映画館と配信の同時上映だった事で日本アカデミー賞対象外という事になるなど改めて映画の在り方を考えさせられる1年にもなりました。

また緊急事態宣言が出るので今後公開される作品も劇場と配信の同時になる可能性もありますからね。

しんさまのベスト10ですが私自身1作品も観ていないのでこれも色々な方々と接しているからこそ私の知らない作品と出会えるという事ですね。

今年も私の知らない作品を知れる機会になれればと思います。
返信する
こんばんわ (にゃむばなな)
2021-01-19 00:30:16
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

『37セカンズ』の佳山明さんが見せる表情は、まさに本物でしたね。
あれは健常者には出来ない表情。
HIKARI監督もこの佳山明さんをオーディションで選んでから脚本を書き直したらしいですよ。
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