以下は前章の続きである
非武装を押し付けたのは米国のマッカーサー司令部である。
日本に進駐した当時の米国は、日本を永遠に無力化すべきだと決意していた。
日本の産業を徹底的に破壊し、二度と戦争をできない国に変えようと決心していた。
教育内容も変え、歴史も教えないようにした。
民主主義も教え込もうとしていた。
当時の日本は2000年の歴史から見ると、天皇が直接、政治に関わる特別の時期で、軍部が閣内に入って軍国主義化していた。
明治生まれの私の父などは「アメリカ人に民主主義なんか教わらなくても、大正時代にオレたちは経験しているんだ」と怒っていた。
戦争に突き進んだのは軍部が世界情勢に無知で、「1年半しかもたない」といっていた山本五十六連合艦隊司令長官までが戦争に賛成した。
閣議で決定した責任は天皇にあるが、天皇の責任を追及すれば日本国民は収まらなかっただろう。
天皇親政自体が間違いだった。
いずれにしろ、占領軍は日本人をとてつもない野蛮人と見なしていたから、憲法まであてがった。
その憲法の核心が九条というわけだ。
しかしマッカーサー元帥は占領中に日本を学んだのだろう。
1951年、上院で「日本が戦争をしたのは安全保障のためだった」と証言している。
いま、日本人に非武装を説教しているのは共産党だけだ。
どうやら共産党は占領軍の代わりに日本に駐在しているようだが、もう見当違いの“駐在”は要らないのだ。