すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

衣替えもひと騒動

2007-10-06 00:18:06 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは片づけが好きである。それは、大変いいことなのだけれど、大抵、片づけた場所を忘れる。次使う時には、骨を埋めた犬のごとく探し回らなければならない。
 そして、キヨちゃんの片づけには油断がならない。
 「コンビニでお金を振り込んできて」
と頼まれたとする。机の上に振り込み用紙を置いて、身支度に行く。お金を用意して、さあ行こうと思うと、あったはずの振り込み用紙がない。聞くと、
 「ありゃ、まだおったんかえ。いらんのかと思うて捨てた」
なんて答えが帰ってくるのだ。
 また、父を病院に送るとき、さて、父に靴を履かせよう思うと、靴がない。自分の靴を履けばいいのに、父の靴を履いてキヨちゃんは、荷物を運んでいるのだ。ようやく父に父の靴を履かせて、私がお出掛けようの靴に履き替えようとすると、出してあった靴は見事に靴箱に片づけられている。まったく油断も隙もない。
 さらに、寒くなってきたので、衣替えをしたのだが、ここでもひと騒動合った。
 まだコタツの季節ではないのだが、父は大変な寒がりなので、電気カーペットを敷くことにした。ご存じとは思うが、電気カーペットは電気で暖めるカーペットとその上に敷くラグとの二重になっている。しかし、いきなりキヨちゃんはラグだけを敷こうとしていたので、突っ込んでみた。
 「下に電気カーペットしかな。」 
 「電気カーペットしきよるでえ。」
 「いや、電気カーペットは電気が通ってるんで。これは、上に敷くやつ」
それからふたりして探し回ったが見つからない。さんざん探し回った後に、彼女はこう結論づけた。
 「・・・、かあちゃん、間違うて粗大ゴミに出したかも・・・。」
確かにその可能性は高かった。黒くて地味なカーペットを「いらないもの」と思ったのかもしれない。
 まったく油断も隙もないキヨちゃんである。

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コメント (4)
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