すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

父の夢

2009-08-17 21:11:24 | ひとりごと
 昨夜父の夢を見た。場所は病院だった。小さな診療所といった風情で、おかしなことに父の診察中なのに、小学生が健康診断のように胸を開けて並んでいた。
 主治医に検査結果を聞く私。決していい数値じゃない。
 「どうですか・・・。」
 「う・・・ん。食事出来ている割にはねえ。」
 父は紺色の作務衣を着ていた。参ったなあ。入院かなあ、父ちゃん嫌だろうなあ。そんなことを考えていた気がする。
 「おら、入院する。」
 ゆったりと父が言った。父のほうから入院と言った。父の作務衣の肩口あたりの布をきゅって握った。
 「かんまんの?」
父の顔をのぞく。決してあきらめたとか捨て鉢な顔じゃなかった。ああ、父ちゃんはきちんと治して元気になろうとしてるんだ、そう思った。
 何故か私はいつまでも父の肩口の布を握ったままだった。小さな子供みたいにちょっと肩に頭をもたせかけてみた。
 リュウの鳴き声で早朝に目覚める。起き切らない頭でぼんやりと
 「あ、父ちゃん入院したから仕事の帰りに寄らなきゃ・・・。」
そう考えてから、父がいないことに愕然とした。まだ作務衣の感触が左手に残っていた。
 父は家に帰るとは言わなかった。ああ、あちらに帰ったのだなあと思う。でもやっぱりさみしいよ・・・。

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コメント (5)
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