すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

皆既月食

2011-12-11 18:28:52 | ひとりごと
 昨日は仕事でちょっと問題発生。解決策を考えたり、相談したりしたが、これといったいい方法が見つからない。
 ある担当様が認知症から、一日のうちかなりの時間を叫んだり怒鳴ったりして過ごしてしまう。決して暴力を振るとか、徘徊するとかではなく、ただ大声や怒鳴り声だけ。それも明確な理由が存在しない。
 つい最近までは大好きな歌を聴いてもらったり、一緒に歌ったりするとご機嫌でいたのだが、効果がなくなってきた。ご家族も大変で、病院に行ってもその状態なので、気を使って待合室から出る事もあるという。
 ご本人の不穏だけなら、スタッフが対応できる問題なのだが、施設を利用してもデイを利用しても、周囲のお年寄りが一緒に不穏になったり、怯えたりしてしまう。
 スタッフも出来るだけ場所を替えたり、離したり、声掛けしたりと工夫してくれているが、現場サイドも限界が来ている。
 施設側に受け入れてもらえないと、家族も倒れてしまう。施設入所者であれば、施設と家族で相談するのだろうが、在宅ではなかなか難しい。
 家族の許可を得て、主治医にも意見を聞いたが、精神安定剤の屯用薬を増やすくらいしか方法が無いと言われた。一応家族に受診をお願いして処方を頼んだ。ただ、そのクスリがたいした効き目が無い事は、今までの経験上現場も私も知っている。
 では、それ以上の事と言えば、入院して薬を合わせるなどがあるのだろうが、それは在宅介護においてリスクもあり、個人的に勧めたくない。まず、大声を出さない代わりに足が立たなくなったりなど、他の影響が出れば、家族の介護にも支障が出る。そこからは、それこそ家族の問題である。
 かつて、精神不安定がひどかった担当様の受診を進め、入院日に転倒して寝たきりになってしまった辛い過去がある。勿論、そんなことは稀で、あってはならない病院側の事故だが、家族にしてみれば
 「家族は入院なんて希望してなかったのに。」
と思ったことだろう。私にしても、精神的に落ち着かないことが、その方自体が苦しかろうと思ってのことだったが、今でも後悔している。
 医師の治療について、私達は全く知識も無く、どれがいいとか悪いとかは判断できない。お薬が効いて本当に落ち着いている人もいるのも事実だが、暴れたり叫んだりする方を落ち着かせた結果、ぐだぐだに脱力して「違う人」になった例も多く観ている。
 本当の意味で、「落ち着く」だけの治療はないのだろうか・・・。


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コメント (5)
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