すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

キヨちゃんとお薬と・・・

2012-04-16 20:35:19 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは
 「あの医者はろくに診ない。」
と文句を言う割に、その診療所ばかりに行き、何かあると薬をもらってくる。
 ならば必ず服薬するかと言うと、バタバタすると忘れることがあり、朝の薬はよく残っている。だから、こういうケースに入れて飲み忘れないように配薬はしているのだ。



 薬自体は「朝」「夕」と個包装して記入してくれているので分かりやすい。にもかかわらず、間違えたり忘れたりもする。

 そのキヨちゃんの薬がまた増えた。もともと私は薬は出来るだけ少ないほうがいいと思っているのだが、医者はどうしても「足し算」でくれる。つまりは、キヨちゃんが不調を訴えるので追加されるのだ。
 「母ちゃんなあ、また薬増えた。」
と不満そうに言うのだが、原因はもちろんキヨちゃんである。
 「なんで?」
 「痛いっていうたらくれた。」
・・・ほらね。
 そこで、お薬手帳を見て新しい薬を確認する。間違いない鎮痛剤である。副作用も確認してキヨちゃんに告げた。
 「えっと、お酒呑んだ後は作用が強くなるけん、呑まんほうがええなあ、お酒。」
 「ええええええ!!!!!」
 しばし晩酌のビールを見つめる。まだ呑んではいないのに、そのリアクション。
 「母ちゃん、晩酌楽しみじゃのに・・・。」
そしてしばらく考えてから、袋から赤い錠剤を取り除く。
 「ふん、この薬を飲まなきゃええんじゃ!」
・・・・・。間違いではないぞ。しかし、何のための薬なのだ。
 薬は少ないほうがいいと思う私は、敢えて反対はしなかった。
 「もったいないけどね。」
と、釘だけ刺して。


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コメント (5)
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