土曜日、さっそくカラオケに誘ってくれ、キヨちゃんは楽しいひと時を過ごした。皆さん大事にしてくれるし、上手な歌を沢山聞かせてもらい大満足だった。しかも、焼酎もちょっと呑んだようで、
「1週間で一升飲むと言ったら、皆がへ~って驚いて、ほなけんキヨちゃんは元気なんじゃなあって褒められた。」
と大笑いしていた。えっと、良かったのだろうか??(笑)
ま、とにかくカラオケは大成功で、逆に興奮しすぎて夜眠れなかったようだが、これからも月に何度か誘って貰う事にした。
夜、ベッドに入ったキヨちゃんは口腔体操をしていた。珍しいな・・・と思っていたら、誘ってくださった奥さんが食事が詰まらないように教えてくれたと言うのだ。有難い話である。ただ、これについてはデイサービスでも訪問看護でも指導してきているのだが本人は忘れている。
今朝、いつものようにおにぎりを用意していた。最近はおにぎりでないと食べない。で、おにぎりだと結構食べるのだ。本人は詰まるくせに硬めのご飯が好きだが、当然柔らかめに炊いている。
ところが、観るとそのおにぎりを自分でお粥に炊き直していた。聞くとその奥さんが詰まるのならお粥の方がいいのでは?と提案してくれたのだと言う。これまた有難い話だが、娘の言う事は全く聞かないのに他人様の言葉は絶大である。ちょっとイラッとする。
朝早くから今日は道つくり(草刈り、枯葉集めなど)だった。うちの地区でも3軒空き家となり、子供さんが戻って手伝ってくれてようやく7人。それでも私を含め女性は二人だけなので、男手があるのでとても助かった。朝7時半から初めて、休憩を2度挟んで12時前までかかったが、少し上の地区は13時半までかかったと言うから、結構ハードな道つくりだった。
帰ってシャワーを浴びてから休憩しながらくろべえを観ていた。実は昨日は丸一日排尿も排便も無かったのだ。便はともかく、おしっこがずっと出ないようなら病院へ連れていかなくては・・・と考えていたら、今朝5時半に花畑に自分の足でぴょんと上がって排泄した。
ひとまず安心し、固形物は相変わらず食べないが、ちゅ~るは一日3本程度は食べてくれているので、とりあえずそばにいて様子を観ている。
リュウが吠えるなあと思ったら、夕方親戚の子が子供を連れて寄ってくれたのだった。四国内ではあったが、県をまたいでの異動が自粛されていたので長らく会っていなかったのだ。久しぶりの子供の姿にキヨちゃんも大喜びでお小遣いをあげていた。
ここまで書くと、昨日からず~っとキヨちゃんは良い事づくめである。ご機嫌のはずだ。夕飯もキヨちゃんが当分お粥が良いと言うので粥を炊いたのだ。実際上機嫌だった。ところが、親戚のおばさんがきゅうりをくれると言うので、くりりんの運転で貰いに行って戻ったところから、何だかスイッチが入る。
とりあえずは今日の作業が大変だったと話し、他の地区と比べて男手があって助かると話した。ここまでは良いのだが、見栄っ張りのキヨちゃんは、そこにくりりんがいないのが面白くない。
くりりんだって休みなら私の代わりに出てくれるが、日曜日は仕事である。しかも、コロナ騒ぎで殆ど仕事が無い中、貴重な就労日である。キヨちゃんは他の人はわざわざ来てくれると話しているが、日曜日が休みな人と定年退職した人ばかりである。一緒にはいかない。そもそも、私がいなくてキヨちゃんが出なくてはならない状態なら話は別だが、私がいるのである。
で、嫌味な感じで他の人をほめるのを黙って聞いていたが、その内に、
「すずが倒れたらどうなるんじゃ。」
「母ちゃんが死んだらお仕舞じゃ。」
「近所の人も皆言いよる。」
など大ウソも交えながら言うもんだから、私のイライラがどんどん強くなる。
そして、キヨちゃんの悪いところは人をほめるのと人をくさす(けなす)のがセットになる事だ。奥さんが口腔体操を教えてくれた話にしても、
「デイサービスではそんな丁寧に教えてくれん。」
など言いだした。で、ついに私がキレた。
「なあ、ご飯の時くらい楽しく食事出来んの?それに、デイサービスではちゃんと指導しよるよ。母さんは月に1回や2回じゃけど、毎週来よる人は『デイで体操を始めて食事に咽る人がいなくなったな。』って言うてくれよる。それはそこだけでなくてみんな家でもちゃんと気を付けよるけんじゃ。」
すると、途端にどくれた。
「母ちゃんデイにもう行かん!〇〇さんみたいに行かん!」
と言い出した。この余計な後の一言がさらにイラッとさせた。と言うのも、〇〇さんとは今認知症の初期で、ご本人も不安定であり、気持ちが二転三転しているのである。その事を分かった上で言っているのだ。それも、多分周囲が心配したり家族が気にかけていることへの嫉妬もある。本当に良い事も悪い事もなんでも「せらう」から困る。
「ええ加減にしないよ。こうやって母さん中心の生活をしよるのに、何が気に入らんので!」
と言い放って私は退室した。
寝室に戻るとくろべえが水を飲んでいた。本日2回目のおしっこの訴えがあり、そっと付き添った。今日はゆっくりだが、下の畑まで歩いて行っておしっこした。うんちくんは暫く出ていないが、あまり食べていないからな。
くろべえを見守っているとくりりんが心配してきてくれた。
「親子だからね、心配もするから怒るんだよ。僕はその点冷たいから平気だよ。」
と言ってくれた。
「色々・・・ごめんね。」
「うん、嫌味もひしひしと伝わって来たけど、聞かないようにした。」
くりりんには本当に申し訳ない。よく我慢してくれていると思う。世間の「嫁」はこういう思いをしているのだろうな・・・と思うが、配偶者もきついのは女の場合だけだろうか?世の「息子」は「嫁」の辛さを分かっているのかな?
庇えば庇うほどキヨちゃんの焼き餅に拍車がかかると分かっていても、私しか庇う人間はいないのだから。いっそ、認知症になったようなもんだと思えば我慢できることなのかもしれないが、そこをクリア出来ないことも、娘としての心情ではある。
ここをクリックしてお立ち寄りください
「1週間で一升飲むと言ったら、皆がへ~って驚いて、ほなけんキヨちゃんは元気なんじゃなあって褒められた。」
と大笑いしていた。えっと、良かったのだろうか??(笑)
ま、とにかくカラオケは大成功で、逆に興奮しすぎて夜眠れなかったようだが、これからも月に何度か誘って貰う事にした。
夜、ベッドに入ったキヨちゃんは口腔体操をしていた。珍しいな・・・と思っていたら、誘ってくださった奥さんが食事が詰まらないように教えてくれたと言うのだ。有難い話である。ただ、これについてはデイサービスでも訪問看護でも指導してきているのだが本人は忘れている。
今朝、いつものようにおにぎりを用意していた。最近はおにぎりでないと食べない。で、おにぎりだと結構食べるのだ。本人は詰まるくせに硬めのご飯が好きだが、当然柔らかめに炊いている。
ところが、観るとそのおにぎりを自分でお粥に炊き直していた。聞くとその奥さんが詰まるのならお粥の方がいいのでは?と提案してくれたのだと言う。これまた有難い話だが、娘の言う事は全く聞かないのに他人様の言葉は絶大である。ちょっとイラッとする。
朝早くから今日は道つくり(草刈り、枯葉集めなど)だった。うちの地区でも3軒空き家となり、子供さんが戻って手伝ってくれてようやく7人。それでも私を含め女性は二人だけなので、男手があるのでとても助かった。朝7時半から初めて、休憩を2度挟んで12時前までかかったが、少し上の地区は13時半までかかったと言うから、結構ハードな道つくりだった。
帰ってシャワーを浴びてから休憩しながらくろべえを観ていた。実は昨日は丸一日排尿も排便も無かったのだ。便はともかく、おしっこがずっと出ないようなら病院へ連れていかなくては・・・と考えていたら、今朝5時半に花畑に自分の足でぴょんと上がって排泄した。
ひとまず安心し、固形物は相変わらず食べないが、ちゅ~るは一日3本程度は食べてくれているので、とりあえずそばにいて様子を観ている。
リュウが吠えるなあと思ったら、夕方親戚の子が子供を連れて寄ってくれたのだった。四国内ではあったが、県をまたいでの異動が自粛されていたので長らく会っていなかったのだ。久しぶりの子供の姿にキヨちゃんも大喜びでお小遣いをあげていた。
ここまで書くと、昨日からず~っとキヨちゃんは良い事づくめである。ご機嫌のはずだ。夕飯もキヨちゃんが当分お粥が良いと言うので粥を炊いたのだ。実際上機嫌だった。ところが、親戚のおばさんがきゅうりをくれると言うので、くりりんの運転で貰いに行って戻ったところから、何だかスイッチが入る。
とりあえずは今日の作業が大変だったと話し、他の地区と比べて男手があって助かると話した。ここまでは良いのだが、見栄っ張りのキヨちゃんは、そこにくりりんがいないのが面白くない。
くりりんだって休みなら私の代わりに出てくれるが、日曜日は仕事である。しかも、コロナ騒ぎで殆ど仕事が無い中、貴重な就労日である。キヨちゃんは他の人はわざわざ来てくれると話しているが、日曜日が休みな人と定年退職した人ばかりである。一緒にはいかない。そもそも、私がいなくてキヨちゃんが出なくてはならない状態なら話は別だが、私がいるのである。
で、嫌味な感じで他の人をほめるのを黙って聞いていたが、その内に、
「すずが倒れたらどうなるんじゃ。」
「母ちゃんが死んだらお仕舞じゃ。」
「近所の人も皆言いよる。」
など大ウソも交えながら言うもんだから、私のイライラがどんどん強くなる。
そして、キヨちゃんの悪いところは人をほめるのと人をくさす(けなす)のがセットになる事だ。奥さんが口腔体操を教えてくれた話にしても、
「デイサービスではそんな丁寧に教えてくれん。」
など言いだした。で、ついに私がキレた。
「なあ、ご飯の時くらい楽しく食事出来んの?それに、デイサービスではちゃんと指導しよるよ。母さんは月に1回や2回じゃけど、毎週来よる人は『デイで体操を始めて食事に咽る人がいなくなったな。』って言うてくれよる。それはそこだけでなくてみんな家でもちゃんと気を付けよるけんじゃ。」
すると、途端にどくれた。
「母ちゃんデイにもう行かん!〇〇さんみたいに行かん!」
と言い出した。この余計な後の一言がさらにイラッとさせた。と言うのも、〇〇さんとは今認知症の初期で、ご本人も不安定であり、気持ちが二転三転しているのである。その事を分かった上で言っているのだ。それも、多分周囲が心配したり家族が気にかけていることへの嫉妬もある。本当に良い事も悪い事もなんでも「せらう」から困る。
「ええ加減にしないよ。こうやって母さん中心の生活をしよるのに、何が気に入らんので!」
と言い放って私は退室した。
寝室に戻るとくろべえが水を飲んでいた。本日2回目のおしっこの訴えがあり、そっと付き添った。今日はゆっくりだが、下の畑まで歩いて行っておしっこした。うんちくんは暫く出ていないが、あまり食べていないからな。
くろべえを見守っているとくりりんが心配してきてくれた。
「親子だからね、心配もするから怒るんだよ。僕はその点冷たいから平気だよ。」
と言ってくれた。
「色々・・・ごめんね。」
「うん、嫌味もひしひしと伝わって来たけど、聞かないようにした。」
くりりんには本当に申し訳ない。よく我慢してくれていると思う。世間の「嫁」はこういう思いをしているのだろうな・・・と思うが、配偶者もきついのは女の場合だけだろうか?世の「息子」は「嫁」の辛さを分かっているのかな?
庇えば庇うほどキヨちゃんの焼き餅に拍車がかかると分かっていても、私しか庇う人間はいないのだから。いっそ、認知症になったようなもんだと思えば我慢できることなのかもしれないが、そこをクリア出来ないことも、娘としての心情ではある。
ここをクリックしてお立ち寄りください