すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

私にとってのくりりんと、キヨちゃんにとってのくりりんと。

2022-09-29 20:12:05 | うちのキヨちゃん
 今日もバタバタと月末の時間のない中、キヨちゃんのお昼ご飯に戻ってみると、ヘロヘロに疲れた顔で横になっていた。
 「今日は大変だったんじゃ。」
と言い始めるキヨちゃん。何でも昨日人に頼んで刈ってもらった芝生を、まとめて置いてくれていたのを、花畑に広げて、ついでに草取りしたんだと言う。
 矢継ぎ早に言うだけ言って、私は聞くだけ聞いていたら、突然キレる。
 「あ~あ、こんなに大変な思いして、綺麗に【してやって】も綺麗になったねの一言もない!」
・・・。はいはい、久々に来たキヨちゃんのクゼツ。だって口はさむ暇もなかったし、そもそも1時間の休憩時間に飛んで帰ってご飯食べさせ、洗濯物取り込んで、洗い物して15分前には席についているんだぞ。花畑見る暇あるかい!
 久しぶりに言い返したら、矛先はくりりんに向かう。
 「すずが頑張ってるのは知っとる。お前が倒れたら困る。可哀想じゃ。くりちゃんがもっと動いてくれたらいいのに。」


 はい、キヨちゃんもくりりんには色々助けてもらっており、その時は感謝もしているのだが、キヨちゃんの中の理想のお婿さんは、畑仕事や草刈りをして、家の周りの事を完璧にこなす男である。父は仕事熱心だったが、仕事が忙しい分休みは寝だめしていた。じいやんに鍛えられて勿論色々家の事もしただろうが、私の知る限りそういうことは女の仕事で、父は外で働き、家では寝る人だったし、後半は病人だった。けれど、キヨちゃんの中ではすべて父がしていたことになっている。
 で、くりりんについて言えば、私にとってはめちゃめちゃいい人で、言い方は悪いがキヨちゃん的に言えば「役に立っている」人である。
 朝のトーストはくりりんが焼いてコーヒーを淹れてくれる。勿論キヨちゃんの分も。洗い物は私。仏壇の事は私がするが神棚はくりりん。調理や掃除は私がするが、食器を運んだり水回りと玄関はくりりんがいつもきれいにしてくれる。
 灯油や洗剤、トイレットペーパーなどはくりりんがチェックして入れ替えてくれるので切れたこともない。洗濯など自分の洗濯物を畳んでくれるだけでも十分助かるのに、私が疲れている時などは洗濯を干してもくれる。
 石橋を叩いて叩き壊して渡り損ねそうなところもあるので、じれったくてイライラしてしまうこともあるが、私にはもったいない人だと思う。
 なので、
 「まあ、お前が好きで一緒になったんじゃけん、かんまんけどな。」
というキヨちゃんのボヤキにも、 
「そ~だよ~。」
と返せる。
 でもまあ、ちょっとくりりん、キヨちゃんの役にもたってみようか。たまに・・・ね。



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コメント (5)
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