7月21日は海の日。それに因んで、今月のオススメDVDは「海から見た、ニッポン」です。
「自分は役者であると同時にサーファーである」と言い切る俳優・坂口憲二さん。サーフボードとともに、日本列島の海岸線を”いい波”を求めて巡った旅を撮影したドキュメントムービー。
きょうも、初めての波と出会う。そのどれもが、もう二度と出会えない波。
いつもそう思う、だから気持ちが入る。
同じ日本の海であっても、太平洋と日本海では大チガイ。
こんなにも表情が豊かなのかと,日本の海の凄さにおどろかされたという。
たとえば、ホームグラウンドの湘南と違って、日本海側は波の来る間隔が早い。
風が吹くとすぐに波が立つ。だから、いつでもサーフィンができる場所が多いとか。
それにしても、奄美大島、種子島、宮崎,佐賀、島根,鳥取、静岡、千葉、福島、宮城、青森、下北半島、秋田、北海道、利尻島、全国15ヵ所ものサーフスポットが美しい映像で綴られています。
波があればサイコー。波がなかったら・・・
それでもいろいろな出会いが待っている。だから、サーフトリップはサイコー。
各地のサーフポイントで、浜を守り大切にしているローカルサーファーと呼ばれる地元サーファーとの出会い。
ほとんど波らしい波のない、島根の砂浜では,貝を採っているおばあちゃんとの語らい。夕餉は、これも地元の漁師からもらった新鮮な魚でサーファー仲間と酒盛り。お国訛りで話が弾む。
人の温もりと懐かしさ・・・・。いまの時代に忘れられた情景がこの作品にはありました。
これとは別に、サーフィン映画の原点ともいわれる「エンドレスサマー(1964)」がある。サーフィンのバイブルと評判の高い名作です。
もうひとつ。マニアの間で評判の高いのが「ビラボンオデッセイ」。これは世界中の波の情報を集めて、今日はフランス、翌日はカリフォルニアと、プロのサーファーが移動しながら地球規模のデカイ波でサーフィンするというDVDです。
マイクロ(西宮祐騎)さんは、このDVDを何回も何回も観て、ひと夏の出逢いと、別れを描いた青春映画「キャッチ ア ウェーブ(2006)」の音楽を担当しました。
波音のピュアな旋律は見逃せません。
20フィート、30フィートのデカイ波を目の前にしたら、自分の悩みは
なんてちっぽけなんだろう。
マイクロさんは、そう思ったそうです。
3歳からボディボードをはじめて波乗り歴17年。「キャチ ア ウェーブ」にもプロサーファー役で出演。彼の美技をタンノウさせてくれます。
さて、話を戻しましょう。
初めてボードに立ったときのうれしさは、今も忘れていない。
あの、たった1秒か2秒の瞬間を!!
坂口憲二さんのひと言は心に残ります。
その坂口さんが、映画「キャッチ ア ウェーブ」の撮影現場で、ピーサンをサーフボードに見立てて、若い俳優さんにサーフィンの指導をしてたのは、ほほえましい光景でした。
日本縦断のサーフィン紀行は、1年かけてピリオドを打ったのです。
旅の終わりに、坂口憲二さんは言いました。
サーフィンは、わかりやすい。あきらめないで、ガンバッて、乗り越えて
その向こうに見えるものが大事なんだということ、を。