本日のお昼は「天丼」にする。
仲見世を通り、伝法院のわき道に入ると、目指す天ぷら屋「大黒屋」がある。
ひと頃よく通った浅草公会堂。
その楽屋口のまん前が「大黒屋」さん。
昼時は、入りきれないお客さんが列をつくってたのを、よく見かけたものです。
今日は少し早めに来たので大丈夫。
格子戸を開けると香ばしい天ぷらの香りと、「いらっしゃいませ!」の威勢のいいかけ声。
それでも二階は満席らしく、階下のテーブル席がひとつ空いていた。
大海老とキスとかき揚げの「上天丼」(画像/上)と「かき玉わん」(画像/下)を注文する。
大黒屋の天丼は3種類あって1400円から。
最高級の胡麻油でカラリとキツネ色に揚げられた天ぷら。
タレは関西とちがってちょっと濃いめです。
ご飯がかくれてしまうほどのボリュームたっぷり。
なのに、少しも胃にもたれない。
「大黒屋」の創業は明治20年。現代のご主人で4代目とか。
ところで天ぷらは、もともと屋台で食べるものだった。
ご飯に天ぷらをのせる「天丼」が登場したのは江戸後期らしい。これがあっという間に庶民の大人気になったそうで。
つまり「天丼」は江戸時代のファーストフードだったわけ。
かりに、江戸時代に「松屋」があったなら、いちばんに売り出したと思いますよ。
ちなみに江戸時代の天丼一杯のお値段はいくら?
ヒントは、当時の入谷の「蕎麦屋」で、かけそば1杯とお銚子が1本で48文でした。
そのあたりで値踏みをしてくださいな。
正解だと、あなたは歌舞伎検定一級に合格しますよ(笑)。