横浜港・大黒ふ頭に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」からは21日にも、陰性が確認された乗客ら253人が下船した。バスで横浜駅近くまで送迎され、ようやく解放された乗客の中には「死を覚悟して過ごすしかなかった」と悲壮感をにじませながら、感染が広がった船内の状況を明かす人もいた。
男性によると、客室待機の状態から室外に出る許可が出た今月8日以降、デッキを散歩するなど行動できる範囲が広がった。一部には立ち入り禁止のテープが張られていたが、何も施されていないドアを妻(69)とともに開けると、防護服を着用した関係者と鉢合わせしたという。
感染危険地帯と安全地帯のゾーニング(区画)について、妻は「見た限りではできていない。立ち入れる場所に防護服姿の人が大勢いて、あれでは感染が広まるのも当然」と憤る。下船許可証を手に「今日から14日間、大切な人とは会わない。自分で守るしかない」と視線を落とした。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。子供への感染が相次いで判明する中、埼玉県では21日、未就学の男児1人の感染が明らかになった。県は、詳細な感染経路を調べるとともに、不要不急の外出を避けることなどを重ねて呼びかけている。
「承知する限り、日本で初めて未就学児が感染したケースだ」
埼玉県の大野元裕知事は21日、県庁で記者団にこう語り、感染拡大への強い懸念を隠さなかった。
男児の感染は、これに先立つ県の対策会議で報告された。県によると、男児は1月30日、中国・武漢市から政府のチャーター機で40代の父親とともに帰国し、父親は2月10日に感染が確認されていた。父子ともに日本国籍で、帰国直後の検査では陰性だった。
男児に対しては、父親の濃厚接触者として保健所が健康観察を行っていた。男児は20日に37・6度の熱が出て県内の医療機関を受診し、21日に感染が確認された。重症化はしていないという。
父親の感染をめぐっては、帰宅した時点で国から情報提供がなかったとして、県側が不信感を募らせている。父親は1日に帰宅、8日に発熱し、10日に陽性と確認されたが、県によると、9日に県内の保健所に相談したことで、父親が帰宅していたことを初めて把握したという。
大野知事は、父子が1日から10日の間に外出していなかったかを記者に問われると「国に聞いてほしい、10日からしか知らない」と不快感をにじませた。その上で、今後は緊密な情報提供を求めていく姿勢を改めて強調した。(竹之内秀介、内田優作)
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■知事一問一答
男児の感染が報告された21日の対策会議の後、記者団の取材に応じた大野元裕知事の主な説明は次の通り。
−−受け止めは
「(感染が確認されていた父親の)濃厚接触者として、経過観察を続けてきた。経路が分からないケースとは若干違う。未就学児ということで体力的不安はあると想定している、万全の態勢をとりたい」
−−濃厚接触者のもう一人は
「同居家族だ。面倒を見ていた祖母だ」
−−祖母は陰性か
「症状はなく、現時点で陰性だ」
−−父の症状は
「入院中で経過観察している。重症化しておらず改善傾向にある」
−−父親が帰宅した時点で国からの情報提供がなかったことについて
「武漢から帰った経緯はもう少し早い段階で知りたかったし、仮に知らせてもらえれば、保健所を通じてできた措置はあった。全国知事会の文書でも、より緊密な情報提供を国に求めることにした」
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武漢からチャーター機で帰国した人の中に隔離施設に行かず、帰宅した人がいました。
第1便で1人、第2便で8人、第3便で2人でした。
※その後の便では報道がないので不明ですが。
自宅に帰った人は身内に不幸があったから、そして「やむを得ない事情」が理由でした。
やむを得ない事情ってなに?って思っていました。
そして、なんて自分勝手なのだろうと。
でもその「事情」が分かりました。
就学前の子供も一緒だったのです。
う~ん、難しいです。
就学前の子供です。
幼稚園児か、もっと小さいのか。
潜伏期間から考えると40代の父親から感染したのでしょう。
ただ、10日ごろから咳や微熱があったとの報道があるので帰国前に感染していた可能性はゼロではありません。
https://www.asahi.com/articles/ASN2P5TGPN2PUTNB00K.html?iref=pc_ss_date
ではどうしたらよかったのでしょう。
6歳以下の幼児は一人個室で2週間も過ごせますか。
6歳以下と言っても5歳かもわかりませんし4歳かもわかりません。
もしかしたら2歳や3歳の可能性があります。
1人で個室は絶対無理でしょう。
誰か大人が世話をする必要があります。
やはり「やむを得ない事情」だったのかと思います。
自宅では子供の祖母が面倒を見ていたようなので、男性は隔離施設に滞在し、
子供だけ祖母宅で過ごす方法もあり得ます。
では子供の母親は?
中国籍の為に一緒に帰国できなかったのか。※その場合は第4便で帰国できた筈ですが。
または離婚したのか、亡くなったのか、中国人で日本には行きたくないと言ったのか。
武漢コロナウイルスで重症か、最悪死亡しているのか。。。
色々考えてしまいます。
父親が40代ですから祖母は70代から80代です。
高齢者ですから、感染のリスクは高いです。
また食料品や日用品は祖母が買い物に行っていたと思われますが、
他人への感染はこれまたゼロではありません。
中々悩ましいです。
これが「やむを得ない事情」だったのです。
「やむを得ない事情」で自宅に戻り子供に感染させるのか、
それとも隔離施設に子供と同室で過ごし、子供に感染させるのか。
結果としては同じですが、周囲の人の事を考えると難しいです。
恐らく、近所の人は武漢から帰った親子とは知らなかったでしょうし。
本当に難しい問題です。
今はこの男の子が早く治り、祖母が感染していなければと思います。