眠りの効用

このところ眠ってばかりいる。

東京から帰った日、飛行機が遅れたので家に着いたのは夜。それから長い
シャワーを浴びて、スープをちょっと食べてベッドに倒れこんで爆睡。
目が覚めたら、翌日の夜だった。２１時間ぶっつづけで眠っていたことになる。

飲まず食わず、トイレにも行かず。よっぽど疲れてたんだろう、と夫は言うが、
そんなに長く眠ったのは初めて。目が覚めてからも、体の感覚が戻るのに
時間がかかった。その後も、一日１２時間は眠っている。夜だけでなく、
昼間も昼寝しているから、赤ん坊のようである。

体が眠りを要求しているのだろう。
傷ついた野生動物は、巣の中など安全なところに隠れて眠り続ける。食べ物を
口にすることはしない。全ての活動を休んで、体の修復のために時間を費やす。

東京滞在中から体調が悪く、こんなんで飛行機に乗れるのか危ぶまれたほど
だったが、こっちに帰って毎日まるで冬眠中のクマのように眠ってばかりいたら
だんだん調子が良くなってきた。よく祖母が「寝るのは薬」と言っていたが
まことにそのとおりである。

寝てばかりいると一日が短く、かたづけものや用事がはかどらない。
しかし、ぐっすり眠りたくても眠れない人がいることを考えると、このように
長時間熟睡できるのは幸いというべきだろう。

今日できることも明日にのばして、今夜も早寝することとしよう。