近所のヤードセールで1ドルで入手したDVD。
12年も前になるのか。
今はすっかり大人になってしまったAnna Paquinが、まだなまいきな少女だった
ころの映画。「ピアノ」のころはまだ幼かった彼女が、母を事故で亡くした
多感な少女が成長していく様子を上手に演じている。開拓でズタズタにされた
森の中で、壊れた巣にまぎれて散らばるカナダ雁の卵を見つけた少女は、
持ち帰って孵化しようと試みる。見捨てられた卵に、母を失った自分を見た
彼女。孵化した16羽のひよこたちは、彼女を代理母としてどこまでもついて
ゆく。
映画の筋は、Annに合わせて書かれた部分が多い。
カナダ生まれでニュージーランド育ちの彼女と同様に、映画の少女も幼いころ
カナダを出てニュージーランドで母一人子一人で育ち、母の死をきっかけに
離婚した父の住むカナダへ帰る。Annの両親も映画の収録中に別居し、のちに
正式に離婚している。
実録のカナダ雁の記録映画も、ものすごく見ごたえがあった。
親を亡くした鳥の卵を孵化して、最終的には簡易飛行機のあとをつけて空を
飛ぶことを教え、さらに冬が来る前に南方へ渡らせる、という突拍子もない
計画だが、実現したのは驚きである。
主題歌を含め、音楽がとても良かった。
一つ一つのシーンにあわせ、歌詞も何度も検討されたという。
なんといっても、ディズニーみたく「人間の言葉をしゃべるカナダ雁」が
出てこないのがポイント高いね。