TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

堂々巡り

2014-12-09 15:02:14 | カナダ話題
MRIの予約がやっとまわってきたのが、先月。

怪我をしてから、二年ちかく待ったことになる。
レントゲンは9ヶ月の待ちをして、昨年の11月に病院で撮影にこぎつけた。その一ヵ月後にやっとのことで整形外科専門医の診察にこぎつけたが、先生は「レントゲンは撮ったんだね。MRIはまだ予約待ち?MRIの結果見ないとなんとも言えないから、それ終わったらまた来て」

十ヶ月も待った専門医の診察は、わずか5分で終わった。

その待ちに待ったMRIが済んだので、専門医に電話をかけた。
すると受付は、「前回の診察から一年たっているので、主治医から再度紹介状を出してもらわないと診察できない」と言う。レントゲン撮影からも一年が過ぎ、そのレントゲンも診断の材料としては古いということで、あらたにまた撮影しなければならないかもしれない、とも言われた。

そこで主治医に電話。
受付は、「最後に先生があなたを診察したのは今年の春。それから半年たっているので、再度こちらに来て診察した上でないと専門医に紹介状を書けない」

ということは、また振り出しに戻って主治医に診察してもらい、レントゲンの予約をとってもらい、専門医に紹介状を出してもらい…と、去年の2月にやったことを繰り返すわけだ。しかし診察や検査の予約待ちが数ヶ月から数年という事情であるから、また待っている間に時間が過ぎてしまい、「再度予約をとって云々」という結果に終わってしまう可能性がある。

こういう堂々巡りのために、病気や怪我の治療までこぎつけず、悪化して亡くなってしまった人々は周囲にごまんといる。ま、カナダという国としては健康でどんどん働いて高い税金をがんがん払ってくれる国民は歓迎なのだが、体が弱くて国の財源を食いつぶすような国民はいらないので、こうした健康保険のシステムは一種の自然淘汰である。

近所の奥さんは親戚に医療関係者がいるので、つてを頼って外科医に袖の下をはずみ(二千ドルは出した、と言っていた)、普通は一年以上待つ順番を飛び越えてすぐ手術をしてもらったのだ、と話していた。

政治家とかスポーツ選手とか、お金のあるカナダ人は国境を越えてアメリカでサッサと治療してくる。アメリカの医療は高額で、ガンの治療などはだいたい日本円で一千万円はかかると言われる。でもそれで命が買えるのなら、安いものである。地獄の沙汰も金次第とは、まさにこういうことを指すのであろう。

カナダはいちおう先進国ってことになっているが、中身は旧ソ連みたいな共産国とたいして変わらない。