ポッポちゃんは、夜はどこかに隠れて眠り、昼間はうちの庭で過ごすのが定着したようだ。
私達も、朝食の準備をしながらパティオに目をやり、ポッポちゃんの姿を見つけて「あ、今日も元気で良かった」と安心するのが日課になった。
うちのパティオで朝ゴハンを食べたポッポちゃんは、午前中の気温がまだ高くない間は庭に降りて歩き回り、なにかをついばんだりしている。消化を助けるために砂とか小石とか食べてるのかもしれない。
日差しが強くなってくると、うちのパティオに来て日陰で休みながら庭を眺めている。ペタン、とデッキにお座りしている姿を私は「鳩パンケーキ」と呼んでいるのだが、とっても可愛らしい。
ペットショップでポッポちゃんのために、ヒマワリの種を細かくしたものを買ってきた。あげてみたら、大喜びでパクパク。ポッポちゃんのおちょぼ口だと大きい種は食べにくいみたいだが、こうして小さくしたものだと食べやすいんだろうね。そこで、TABIパパはトウモロコシとかピーナツも叩いて砕いて、一緒に混ぜて餌皿に入れてあげた。
ポッポちゃんのための餌を、裏の森に住むありとあらゆる動物たちが食べにくる。
リス、シマリス、野良の鳩、そして野生の七面鳥まで!
そうした動物たちをポッポちゃんは威嚇することもなく、お行儀よく道をゆずって自分のご飯を盗んでゆく連中を静かに眺めている。なんとおっとりしたお坊ちゃま!いつも自宅では、たっぷりご飯を食べさせてもらってて、ひもじい思いをしたことがないのだろう。
このコは高貴なひとの生まれ変わりかもしれない。
さて、ポッポちゃんのブリーダーさんから電話があり、飼い主さんはうちから車で6時間ほどの場所に住んでいることがわかったという。ちょっと迎えにくるのは大変そうだね。とりあえずポッポちゃんは元気そうだし、すっかり回復すれば自分で時期を見計らって自宅へ向けて飛び立つだろうから、そのまま二、三日置いといてくれないか、と言う。もし週末になっても居続けるようなら、ブリーダーさんの知り合いが我が家の近くにいるので、その人がポッポちゃんを連れて行ってくれるらしい。
そうね、私達もポッポちゃんがいると楽しいけど、やっぱり現役のレース鳩だからそれなりの特別な餌が必要だろうし、おうちに帰ったほうがいいものね。寝るときも、鳩小屋なら外敵から攻撃されることはないし。
どちらにせよポッポちゃんが我が家のお客さまなのは、今週末まで。大好きなヒマワリの種を、たーくさん餌皿に入れてあげた。