時折、朝から米をがんと食べたくなる時がある。
そんな時は駅前の「松屋」に行って納豆定食を食べる。
家でも同じようなものが食べられるのだが、「外食をする」という儀式によって、無意識のうちに生活に変化をつけようとしているのかもしれない。
今朝も、その「時折」の日だった。
少し早めに家を出て、「松屋」に向かう。
大阪にいた頃は、毎日ベンツで「吉野家」に乗り付けるおじさんとか面白い人がいたのだが、こちらではあまり見ないな、と思っていた。
それが今朝のこと。
僕が納豆定食を食べていると、かなり年輩の男性が入ってきた。
年の頃で70は越えている。
ダークグレーのスーツに、紺のネクタイ。顔には黒縁の眼鏡を掛けている。
パシッ、という感じでもないが、よれてもいない。
どこかのお偉いさんとも、隠居してやることの少なくなったおじさんとも判断つきかねる。
への字に結ばれた口のせいで、頑固そうに見えることは確かだ。
その老人は、食券を買わずに椅子に腰掛けた。
「お客さん、食券をお願いします」
若い店員から、お約束通りの声が掛かる。
「いや、販売機ではあかんのや」
それに対し、関西弁が返った。
「???」
考え込む店員に対し、
「とろろ二つ、生卵、ごはんに、みそ汁つけて」
と老人は慣れた口調でそう言うと、千円札を手渡した。
「はあ」
とよく飲み込めない店員に、
「とろろはその容器じゃない。そっちの大きいやつに。海苔はいらん」
と言ったかと思うと、
「ごはんはもう少し入れて」
と、自宅のように老人は注文をつけた。
その間にも客は入り、店員はかなり困窮していた。
やっと、注文の多い客をさばききったかに見えた店員だが、
「お釣り、はようくれんか」
老人の一言に奥に応援を求めに行ってしまった。
僕も一回、こういった注文をしてみたいのだが、なにか恥ずかしいやら、めんどくさいやらで未だしたことがない。
「ご飯とみそ汁、漬け物ね」
なんともJAPANESE LIKEじゃないですか。
みなさんも、一回チャレンジしてはいかがですか?
そんな時は駅前の「松屋」に行って納豆定食を食べる。
家でも同じようなものが食べられるのだが、「外食をする」という儀式によって、無意識のうちに生活に変化をつけようとしているのかもしれない。
今朝も、その「時折」の日だった。
少し早めに家を出て、「松屋」に向かう。
大阪にいた頃は、毎日ベンツで「吉野家」に乗り付けるおじさんとか面白い人がいたのだが、こちらではあまり見ないな、と思っていた。
それが今朝のこと。
僕が納豆定食を食べていると、かなり年輩の男性が入ってきた。
年の頃で70は越えている。
ダークグレーのスーツに、紺のネクタイ。顔には黒縁の眼鏡を掛けている。
パシッ、という感じでもないが、よれてもいない。
どこかのお偉いさんとも、隠居してやることの少なくなったおじさんとも判断つきかねる。
への字に結ばれた口のせいで、頑固そうに見えることは確かだ。
その老人は、食券を買わずに椅子に腰掛けた。
「お客さん、食券をお願いします」
若い店員から、お約束通りの声が掛かる。
「いや、販売機ではあかんのや」
それに対し、関西弁が返った。
「???」
考え込む店員に対し、
「とろろ二つ、生卵、ごはんに、みそ汁つけて」
と老人は慣れた口調でそう言うと、千円札を手渡した。
「はあ」
とよく飲み込めない店員に、
「とろろはその容器じゃない。そっちの大きいやつに。海苔はいらん」
と言ったかと思うと、
「ごはんはもう少し入れて」
と、自宅のように老人は注文をつけた。
その間にも客は入り、店員はかなり困窮していた。
やっと、注文の多い客をさばききったかに見えた店員だが、
「お釣り、はようくれんか」
老人の一言に奥に応援を求めに行ってしまった。
僕も一回、こういった注文をしてみたいのだが、なにか恥ずかしいやら、めんどくさいやらで未だしたことがない。
「ご飯とみそ汁、漬け物ね」
なんともJAPANESE LIKEじゃないですか。
みなさんも、一回チャレンジしてはいかがですか?