木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

古写真家・森重和夫さんのこと

2013年03月10日 | 日常雑感
最近は随分と便利になってきて、インターネットで様々な事柄が調べられる。
その代表がウィキペディア。
大変いいことなのかも知れないが、欠点もある。
その最たるものが、ウィキペディアは玉石混合という点である。
特に、マイナーな事項に関しては間違いが多い。
史跡を回っているときに、ボランティアのガイドさんが間違いを話していても咎めはできない。
だが、プロがアマチュアの人の話を鵜呑みにして、書いてしまったらどうであろうか。
ウィキペディアは、ボランティアのガイドさんに他ならない。
ガイドさんの中には、元大学教授の人もいるかも知れない。
中には、ただ注目を集めたい人もいるかも知れない。
要するに、それが玉石混合ということだ。
ウィキペディアは、項目が多過ぎるから、結果として、アマチュアの発言が多くなってしまう。

物を書く人にとって、大事なのは現地調査だと思う。
小説家は学者ではない。
けれど、間違ったことを書いていいのか、というとそういう訳ではない。
間違ったことと、正しいことの間には、明確な線が引かれていない場合も多い。
そのボーダーを見極めるためには、絶対に現地に行かなくてはならない。

森重重夫さんは、もとD通に勤めておられた方だが、古写真に興味を持たれて、現在では文筆で生計を立てておられる。
その森重さんにインスパイアを受けたのは、現地取材の必要性だ。
森重さんは、必要と思ったら突然ピンポンで取材にあたったと言う。
この考えというのは、当時の自分にとって、かなり衝撃的だった。
作家の誰誰、研究者の誰誰、という地位を得てから、初めて取材ができるのではない。
調べている事柄に対して、本当に興味をもっていたら、肩書などは全く関係ない。
そう思わせてくれたのが森重さんであった。
プロとアマチュアの境は、自ら足を運ぶのか、インターネットで済ませてしまうのか、であると教えて教えて頂いた。
考えてみれば当たり前だが、昨今では、こんな当たり前のことすら出来ない「プロ」も増えてきた。
とても悲しむべきことだ。

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