福岡の伝統工芸に「八女仏壇」がある。
宮園さんは、仏壇とか盆ちょうちんに蒔絵をする職人さんだ。ご主人と二人でやっている。普段は、お寺の内装・外装などの改修工事、今の時期は、盆ちょうちんの生産に追われて「猫の手でも借りたい」ほど忙しい時期だそうだ。
「その忙しい時期に、この静かな催事に来ていて良いの?」と、ちょっと心配になる。
彼女が催事で販売しているのは
蒔絵を施したアクセサリーだ。
作品以上に特徴的なのが、彼女の前向きな考え方と明るさである。少し違った表現をすれば、ノーテンキな性格?
見た目も雰囲気も小熊の様な感じの人である。
話していると、次から次へと素晴らしい語録が飛び出してくる。
「お握りをふたつで分けて食べたら美味しいよ!どんな物でも、人と分けあったら気持ちが良いし、美味しいとよ。」
「一人が10成功するより、10人が1づつ成功したほうが力があるとよ!」
「物を作ると云う幸せは、お金に換算できないの、自分は胸を張って貧乏って言えるけど、それ以上に幸せなの。」
「死ぬときに、100万円の札束を握って死んで行くより、人の手に握られて死んでいった方が良いでしょ!これが答えなの!」
ちょっと言葉足らずなので、判りにくい所もあるが、彼女の表情を見ていると充分伝わってくる。
最近、私は知り合った方に、「どんな時に幸せを感じる?」と聞いてみる。
すると、彼女は
「青空に洗濯物を干しているとき」だと言う。
「ちゃんと洗濯が出来て、その仕事の中に家族が健康で平和な毎日があると感じるとよ!」
んー、納得!