別府に住む、渡辺先生の所に行ってきました。
今年、84歳に為られる先生。「渡辺勝竹斎」と言えば、現役生活70年という、網代編みの第一人者である。
この日も、工房で独り黙々と制作作業をしておられた。
現在作っておられるのは、世界一の竹の収集家として名高い、ロイド・コッツェンさんからの依頼で、昨年11月にコッツェンさんの奥さんがお亡くなりになり、その奥様の遺骨を入れる籠を制作する所であった。
竹細工というのは、幾つになっても現役でやれるというのは、素晴らしい事ですね。
今回お邪魔したのは、御所籠に使う部品を分けて貰うためにやって来たのです。
お茶道具を入れる籠ですが、竹籠の他に、蓋と底を結ぶ組紐がセットになっています。その組紐を籠に取り付ける金具が要ります。
この組紐も、金具も特殊な物なので、既製品ではありません。
組紐は京都の組紐屋さんに、頼んで組んでもらったそうです。現在、その組紐やさんは廃業してしまい、もう作れないそうです。
金具は、鹿児島の仏壇金具を作る方に、別注で作ってもらった物です。
どちらも特注品なので、結構なお値段です、今、新たに注文すると、相当な金額になると思われますが、渡辺先生の好意で、以前のお値段で分けて下さいました。
ありがとうございます。
我々の仕事も、いろんな方の仕事に支えられて成り立っています。竹細工だけで無く、竹を育成する人、切り出す人、製竹する人、道具を作る人、などなど・・・・・そして、それらを使ってくれる人が居てこそ、続けることが出来るのです。
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