
河豚食うて佛陀の巨体見にゆかん 飯田龍太
殺生と信仰
鍋を食って温まって寒風の中へ
句意には既知もある
龍太俳句には珍しい生活感のある日常も作品だ
(小林たけし)
【河豚汁】 ふぐじる
◇「ふぐと汁」 ◇「ふぐの宿」 ◇「てっちり」 ◇「河豚ちり」 ◇「てっさ」 ◇「河豚鍋」(ふぐなべ)
河豚には猛毒が含まれるが、これを除けばほとんどが食べられる。冬を代表する高級食材であるる。河豚を「鉄砲」呼んだことから、ちり鍋にしたものを「てっちり」という。江戸初期からの調理方法とされる。
例句 作品
てのひらのいとしきいのち放ちふぐ 滝口みのる
ふぐ刺身絵皿となりて白光す 小林萬二郎
フグ釣れて戦艦ムツの忌の日なり 岩下四十雀
人事と思ひし河豚に中りたる 稲畑汀子
寒風に吊し干せる河豚の皮 鈴木恵美子
捨てし河豚小石を噛んでいたるなり 中村和弘
河豚入れて土鍋大きくふくらみぬ 石川利夫
河豚刺身(さし)のようにことばを置く日なり 安西篤
河豚喰らい背凭れのなき椅子に酔う 久保田凉衣
河豚宿は此許(ここ)よ此許よと灯りをり 阿波野青畝
てのひらのいとしきいのち放ちふぐ 滝口みのる
ふぐ刺身絵皿となりて白光す 小林萬二郎
フグ釣れて戦艦ムツの忌の日なり 岩下四十雀
人事と思ひし河豚に中りたる 稲畑汀子
寒風に吊し干せる河豚の皮 鈴木恵美子
捨てし河豚小石を噛んでいたるなり 中村和弘
河豚入れて土鍋大きくふくらみぬ 石川利夫
河豚刺身(さし)のようにことばを置く日なり 安西篤
河豚喰らい背凭れのなき椅子に酔う 久保田凉衣
河豚宿は此許(ここ)よ此許よと灯りをり 阿波野青畝