竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

河豚食うて佛陀の巨体見にゆかん 飯田龍太

2020-11-24 | 今日の季語


河豚食うて佛陀の巨体見にゆかん 飯田龍太

殺生と信仰
鍋を食って温まって寒風の中へ
句意には既知もある
龍太俳句には珍しい生活感のある日常も作品だ
(小林たけし)


【河豚汁】 ふぐじる
◇「ふぐと汁」 ◇「ふぐの宿」 ◇「てっちり」 ◇「河豚ちり」 ◇「てっさ」 ◇「河豚鍋」(ふぐなべ)
河豚には猛毒が含まれるが、これを除けばほとんどが食べられる。冬を代表する高級食材であるる。河豚を「鉄砲」呼んだことから、ちり鍋にしたものを「てっちり」という。江戸初期からの調理方法とされる。

例句 作品

てのひらのいとしきいのち放ちふぐ 滝口みのる
ふぐ刺身絵皿となりて白光す 小林萬二郎
フグ釣れて戦艦ムツの忌の日なり 岩下四十雀
人事と思ひし河豚に中りたる 稲畑汀子
寒風に吊し干せる河豚の皮 鈴木恵美子
捨てし河豚小石を噛んでいたるなり 中村和弘
河豚入れて土鍋大きくふくらみぬ 石川利夫
河豚刺身(さし)のようにことばを置く日なり 安西篤
河豚喰らい背凭れのなき椅子に酔う 久保田凉衣
河豚宿は此許(ここ)よ此許よと灯りをり 阿波野青畝