竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

間合い良くときに独唱百の虫 たけし

2020-11-07 | 入選句


間合い良くときに独唱百の虫 たけし



朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

投稿は1ケ月ほど前なので虫の声が

ほとんど夜通し聞こえていました

コンダクターのタクトのあるごとく

時に絶妙な間合いで独唱があります

合唱も悪くはないが耳をそばたてて聞きほれます
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空気にも起伏のありて尾花かな 小宅容義

2020-11-06 | 今日の季語


空気にも起伏のありて尾花かな 小宅容義

作者は芒の穂が揺れるのをみて
空気の絶え間ない流れを
空気の起伏のためだとととらえた
(小林たけし)

【枯芒】 かれすすき
◇「枯尾花」 ◇「尾花枯る」 ◇「枯萱」(かれかや) ◇「萱枯る」 ◇「芒枯る」 ◇「冬芒」 ◇「枯薄」
木枯らしの吹く頃、ススキの穂から次々と穂絮が散って舞う。残った立ち枯れのススキは、あちこちで寒風に曝され、哀れでわびしいものがある。

例句 作者

枯れ枯れて光を放つ尾花かな 几菫
美しく芒の枯るる仔細かな 富安風生
冬芒日は断崖にとどまれり 岡田日郎
水際の日に日に遠し枯尾花 暁台
枯すすき海はこれより雲の色 平畑静塔
枯すすき風吹けば子ら顕はるる 高橋沐石
わが頬にふれてあたたか枯芒 山口青邨
茅枯れてみづがき山は蒼天に入る 前田普羅
空気にも起伏のありて尾花かな 小宅容義
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三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ 正岡子規

2020-11-05 | 今日の季語


三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ 正岡子規

閲はえつまたはけむ
数える、読むの意
子規にはたしかに「柿」を題材にした句が多い
そこを俳句にしてしまうのも技か
(小林たけし)

干柿】 ほしがき
◇「串柿」 ◇「吊し柿」 ◇「柿すだれ」 ◇「柿襖」(かきぶすま) ◇「柿干す」 ◇「枯露柿」(ころがき)
渋柿の皮を剥いて日に干したもの。日に干すとだんだん白い粉を噴いて甘くなる。

例句 作者

あとみよそわかつるりと逃げる柿の種 鈴木雅子
こだわりは一つでよろし木守柿 勝村茂美
ころがりてあかあか父の富有柿 和知喜八
そはつまり柿の音色と申します 山下久代
たわわなる柿の実にある倦怠期 川辺幸一
つり鐘の蔕(へた)のところが渋かりき 正岡子規
どこまでが夢の渋柿ころがりぬ 中村武男
ははが来る明き灯火に柿剥けば 江中真弓
べたべたの柿食べ夕日落ちし空 櫻井博道
ほめられて渋柿甘くなりました 赤堀琴代
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サンバに乳ゆれて難波(なんば)や文化の日 竹岡一郎

2020-11-03 | 今日の季語


サンバに乳ゆれて難波(なんば)や文化の日 竹岡一郎

サンバカーニバル
半裸も文化と作者のニヒルな笑顔が見える
(小林たけし)


【文化の日】 ぶんかのひ(・・クワ・・)
◇「文化祭」 ◇「明治節」(めいじせつ)
11月3日。国民の祝日。戦前は明治節とされたが、戦後、自由と平和を愛し、文化を進める日とされた。学校ではこの日を中心に文化祭行事がある。「明治節」は明治天皇の誕生日で昭和23年に文化の日となったが、戦前の人々にとっては特別に懐かしい日である。

例句 作者

つつがなく目鼻耳口文化の日 隈元拓夫
イグアナの散歩をさせる文化の日 本杉康寿
ゴム毬に昔へそあり文化の日 横坂けんじ
サンバに乳ゆれて難波(なんば)や文化の日 竹岡一郎
一条を一茶と読めり文化の日 金子野生
兄弟の理系文系文化の日 石田香枝子
児童画に元気を貰う文化の日 安澤節子
地下街に鮮魚鮮菜文化の日 鷹羽狩行
女来てずんと寝ちまう文化の日 清水哲男
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寄り道も我が道なりし酉の市 長谷川栄子

2020-11-02 | 今日の季語


寄り道も我が道なりし酉の市 長谷川栄子

酉の市 往年の賑わいはなくなったが
客と金をかきあつめるという縁起物の熊手を
売手とと客が大声で値段を交渉する
交渉成立では周囲の群衆も巻き込んで
為政の良い手拍子が鳴り渡る

三の酉まである年は火事が多いとされていた
(小林たけし)

酉の市】 とりのいち
◇「お酉さま」 ◇「一の酉」 ◇「二の酉」 ◇「三の酉」 ◇「酉の町」 ◇「熊手市」 ◇「おかめ市」 ◇「頭の芋」(とうのいも) ◇「熊手」(くまで)
11月の酉の日に行われる鷲(大鳥)神社の祭礼。最初の酉の市を一の酉、次が二の酉、そして三の酉と呼び、三の酉まである年は火事が多いとされる。東京浅草の鷲神社の酉の市は特に有名で、「江戸にて今日を‘酉の町’と号し、鷲大明神に群詣す」(『守貞漫稿』)と言われるほどの賑わいを見せる。参道には福をかき寄せる熊手などの縁起物を売る露店が立ち並び、富貴開運を祈願する人群でごった返す。

例句 作者

たかだかとあはれは三の酉の月 久保田万太郎
ストレスを払つて下さいお酉さま 植村久子
デ・キリコの迷い込むかな酉の市 田井淑江
三の酉おかめの笑みで四十路で 古沢太穂
二の酉をはずれて点り飛不動 松田ひろむ
大ごえで泣くこともなく一ノ酉 和知喜八
大熊手小熊手をして万の素手 成田千空
朝風に金箔飛ばす熊手かな 野村喜舟
東京ににんげん多く酉の市 山崎聰
板前は教へ子なりし一の酉 能村登四郎
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