
「イリュージョン:マジシャン第Ⅱ幕」(松岡 圭祐、小学館文庫)
松岡 圭祐の 小説「マジシャンシリーズ」の2作目。シリーズ1作目の「マジシャン」は「完全版」が発刊されているが、こちらはまだだ。このため、角川文庫の「マジシャ ン 完全版」の次に読むと、一部人物設定がおかしいところがでてくる。特に問題はないのだが、こちらも今後「完全版」が書かれるはずだ。
「マジ シャン」ではマジックで「札束を増やす」者がでてきたが、「イリュージョン:マジシャン第Ⅱ幕」ではマジックを「万引き」に使う者がでてくる。そのテク ニックは絶妙で防犯ビデオで見ても分からない! どのように証拠を握るか・・・。犯人の子供の頃の生い立ちについても詳しく書かれているのがこの著者らし いところだ。結末もすばらしく心地よい。最後の、刑事とマジックショップ店主とのやりとりもなかなかニクイ!