そして、ぼくは終わらない物語と格闘している。ちょっと前に書き終えたノートを他人のような視線で眺めている。
濡れたアスファルトを歩き、
この道が、君の家や、君のこころに
通じていると考え、
手にリボンをかけた。
そして、遠くから君のマンションの一室の
明かりが輝き、
カーテンが白く浮き出し、
君のシルエットが見えた。
電話を持っていたが、
君に直ぐに逢いたかった。
言葉のむなしさを知り、
君がぼくのことを
考えているという熱い視線を夢み、
そのまま散歩して帰って来た。
猫のように、君のふところに戻る。
待ったんだ。
29年間、待ったんだ。
採点をするように自分のノートを見ている。以前、どこかで誰かの書き残したものの生き写し。やはり、才能がないのだろうか。ノートを閉じる紙の音。スピーカーから流れるブルースの言葉も、繊細さはまったくないように思えるが、時には強く胸を打ったりする。
濡れたアスファルトを歩き、
この道が、君の家や、君のこころに
通じていると考え、
手にリボンをかけた。
そして、遠くから君のマンションの一室の
明かりが輝き、
カーテンが白く浮き出し、
君のシルエットが見えた。
電話を持っていたが、
君に直ぐに逢いたかった。
言葉のむなしさを知り、
君がぼくのことを
考えているという熱い視線を夢み、
そのまま散歩して帰って来た。
猫のように、君のふところに戻る。
待ったんだ。
29年間、待ったんだ。
採点をするように自分のノートを見ている。以前、どこかで誰かの書き残したものの生き写し。やはり、才能がないのだろうか。ノートを閉じる紙の音。スピーカーから流れるブルースの言葉も、繊細さはまったくないように思えるが、時には強く胸を打ったりする。