ケンのブログ

日々の雑感や日記

秋の気分

2018年10月04日 | 日記
朝ラジオを聴いていたらリスナーからのお便りが
紹介された。
一週間前に姉がなくなったというお便りだった。
姉は病気で筋肉があまり動かなくなっても
笑顔を作っていた
病室ではいつもこのラジオ番組を聴いていた。
姉が危篤のときにリクエストしたら
DJがこの曲をかけてくれた。
その曲を私は病院に行く車のなかで聞いたと。
おおよそそういう内容のお便りだった。
最近、朝ラジオを聴くことが多くて
一週間前まで僕と同じラジオ番組を
聴いていた人がもうこの世にいないのかと思うと
なんか不思議なようなそしてわびしいような気がした。
ふっと志賀直哉の「城崎にて」という小説のなかに
書かれている有名な文章を思い出した。
こんな文章だ。

生きていることと死んでいることと、
それは両極ではなかった。
それほど差はないような気がした。

何気ない文章だけれど
言われてみるとそんな気がする。
一週間前まで僕と同じラジオ番組を聴いていた人が
もうこの世にいなくて、その妹は
生きていて、そのラジオ番組にお便りを出している。
なんかそういうシチュエーションに遭遇すると
いきていることと死んでいることと
それほど差はないのかもしれないような気がしてくる。
志賀直哉が書いている通りだなあと思う。

さて、そのラジオにお便りを送ってこられた
リスナーの方のリクエスト曲は
カーペンターズの青春の輝きという曲だった。
病院に向かう車のなかでその曲を聴いたという
お便りに少しじーんときたけれど
また曲が流れカレン カーペンターさんの
歌声を聴いて、この方の声はちょっと特別だなと思う。
何かを越えた美しさがある。
カレン カーペンターさんのことを思うとき
僕はしばしば
佳人薄命という言葉を思い出す。