ケンのブログ

日々の雑感や日記

ビクターロック祭り大阪×MBS音祭 2018

2018年10月08日 | 音楽
昨日は大阪城ホールへビクターロック祭り大阪×MBS音祭
2018と銘打ったコンサートを聞きに行った。
大阪城ホールのライブに行くのは1996年頃
松任谷由実さんのライブに行って以来かれこれ
22年ぶりくらいと思う。
久しぶりという感じだ。
会場に入ったとき五六人で来ていた男女のグループが
席を探しながら
まとめてチケット買って席が別々のわけないやん
いやそういうことがけっこうあるんや
という話をしていた。
なるほどと思える話だなと思った。

出演されたのはさだまさしさん、家入レオさん、薬師丸ひろ子さんを
メインに他3組のアーチストだった。
さだまさしさんの出演が終わったあとステージ裏の
特設の場所でラジオDJのヒロ寺平さんがさださんと
質疑応答をした。
ヒロ寺平さんからさださんへの創作にまつわる質問で
さだまさしさんが「創作することは
自分の中の鉱脈を堀り当てることです」という趣旨の発言をされた。
するとヒロ寺平さんが「鉱脈は掘ったらそこが空になります」という
趣旨のことを言った。
それで、さださん一瞬「うーん」と言葉につまったけれど
すかさずヒロさんが「空になったところはまた
満たさなきゃいけない」とおっしゃって
さださんは「そうですね」となって会話は
先へと続いていった。
あの場面のさださんとヒロ寺平さんの一瞬のすれ違いは
面白かった。
鉱脈は例えだけれど実際に創作は
鉱脈から鉱石を掘り出すように物質を
取り出す作業ではないから
自分という鉱脈を掘ってもそこが空になるとは限らない。
そういう観点からのさださんとヒロ寺平さんの一瞬のズレだったと思う。
でもすかさずヒロさんが「空のところはまた満たさなくては」と
発言してそれにさださんが乗って話が進んでいくから
やっぱり人前で話をする人は一瞬の判断
軌道修正が必要なんだなとしみじみと思う。
やはり、そういう切り替えが
一瞬でできるのがプロなんだなと思う。
何気ないことだけれど僕にはすごいことのように思える。
さださんのトークで面白かったのは
「僕が小説を書くと
さださん、小説買ったけどまだ読んでないんですよ
すみません、と僕にいってくる人がいるけれど
買うだけで読まないというお客さんが
作家にとっては一番ありがたいお客さんなんですよ」という発言だった。
まあ、ある意味とても的を射た発言で面白かった。
もちろん読んで面白いからまた買うというサイクルが
できないと作家も長続きはしないと思うけれど、、、。
歌はさださんのおっしゃるとおりまさにロックというタイプの
ものではなかったけれど、懐かしい歌が多くてよかった。

家入レオさんは登場すると
純情という歌から入られたけれど
これはロックという感じの歌だった。
たぶん女性としてもレオさんは高音が伸びるタイプの
アーチストだと思うのだけれど
ライブで聴いてもよく通るきれいな声だなと思った。
会場の後ろの方の席から何度も
「レオちゃーん」と叫んでいるおじさんがいた。
最初はその叫びが聞こえると会場に
笑いがもれたけれど、次第に
その叫びが微妙にレオさんの歌やトークを
妨害しているかな?という感じになってきた。
そんなタイミングでレオさんが言った
「たぶんこのステージから見てだいぶん後ろの方の
席からだと思うんですけど、レオっていう声が聞こえて来ますよね。
この広い会場で肉声が私に届くのだから
すごいことですよね。後方の席のお客さん
もう一度レオって呼んでいただけますか」と。
また会場の後方の席から「レオちゃーん」という声が聞こえた。
「はい拍手」とレオさんが言った。
会場のみんなが拍手した。
もし、僕が会場でレオちゃーんと叫んでいる立場で
レオさんに改めて叫ぶように振られて
それで会場に拍手を促されたら叫ぶ気がちょっと萎えると思った。
会場のみんなの注目がそんなに自分の叫びに
集まっているかと思うとちょっと緊張してしまう。
実際に叫んでいる方が僕と同様に思ったかどうかは
わからないけれど、レオさんがみんなに拍手を促してから
叫びの間隔が長くなった、叫びがトーンダウンしたということは
たぶん言えると思う。
レオさん微妙に意地が悪いというか
いたずらっぽいというか
うまくやるなと思った。
そういう機転がきくのも
大勢の前でライブを成立させる才能のひとつなのだと思った。
何事も一線のプロというのはちょっと違うなと
感心してしまった。
さださん、薬師丸さん、レオさんの三人のなかで
こと盛り上がったということに関しては
僕の個人的感想としてレオさんが一番盛り上がったと思う。
ロックな曲が多いし
今まさに売れつつあるアーチストというリアルタイムの
迫力があるように思えた。
恋のはじまり という歌をレオさんが歌ったときに
僕の前に座っていた小学生の女の子がとても嬉しそうに
体をスイングさせていて
そうかこういう歌は小学生の心をノックするのかと思った。
大画面に映るレオさんのお顔を見て
けっこう目力があるんだなと思った。

最後に薬師丸ひろ子さんが登場したとき
アレンジはストリングスを使った大人のアレンジという
感じになっていた。
ロックフェスなんだから最後は盛り上がってほしいという
思いもあったのだけれど
薬師丸さんは女優だしそういうノリでもないから
やっぱりこうなるのかなと思った。
ひろ子さんのステージが新しいCDの収録曲と
映画の主題歌を中心に構成された。
セーラー服と機関銃をひろ子さんが
「最高にカッコいい曲です」という前振りで歌った。
確かにカッコいい曲だなと思った。
僕の回りで僕と同年代の女性はみんな
この歌を背筋を伸ばして食い入るように聴いていた。
それは僕の世代の女性ならきっとそうなるだろうなと思った。
同世代の男性はどうだろうと思って
回りを見渡すと僕の近くに同世代の男性はいなかった。
ただ、男性からの声援あるいは掛け声はそこそこ飛んでいた。
最後にひろ子さんが歌ったのはWの悲劇よりWOMANという曲だった。
恥ずかしながら僕はこの曲をあまり知らないのだけれど
最後にひろ子さんがこの曲を歌うのは意味があるはずと思った。
それで注意深く聴いていると
一見盛り上がりに欠けるように思えるこの曲が
かなり奥深いものであるように思えた。
家に帰ってから調べると
松任谷由実さん作曲とのことだった。
そういうことなんだなと思った。

今朝ラジオをつけると昨日、コンサートが
終わるまで少なくとも午後8時までは仕事を
していたはずのヒロ寺平さんが
午前6時からの生放送にDJとして出演していた。
昨晩までライブのインタビューをして
今日はもう朝早くから仕事。
やはり一線のプロは何事も違うなと思う。