遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉 9 晩夏 八月 夏の終わり 挽歌

2014-08-31 14:43:45 | 日記
          晩夏 八月 夏の終わり 挽歌 (2010.9.10日作)


   県道を横切り

   松林の中の道を抜け

   砂浜へ降りてゆく

   八月の終わりは寂しい季節だ

   海の家は その跡

   影を残すこともなく 取り払われ

   渚を埋めていた

   あれ程多くの人の姿は

   見る影もなく 寄せては引いてゆく

   波の繰り返しだけが

   残されている

   沖合いはるか 水平線の彼方に

   去り行く夏への 挽歌のごとくに

   沸き立つ積乱雲

   その下に広がる 永遠

   時折 白い波頭を見せる波のうねりには

   真夏の海の あの青い輝きは

   もう ない

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   夏の終わりは寂しい季節だ

   暗さを増した

   海の蒼が運んで来るものは

   時の移ろい 

   過ぎ行く人の生