感情(2015.12.10日作)
人は悲しい時に 泣くとは限らない
嬉しい時に 笑うとは限らない
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人は絶望した時に 打ち沈むとは限らない
怒りの激しい時に 怒鳴りちらすとは限らない
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感情の耐え得る限度を越えた時
人はしばしば 反対の行動に突き進む
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悲しい時に笑い出し
嬉しい時に涙を流し
絶望の果てには陽気に振る舞い
怒りの激しい時には沈黙する
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平常時には起こり得ない この現象
そうする事で人は 多分
心に受けた衝撃 --嬉しいにつけ 悲しいにつけ
その大きさを中和して
瞬間的自己統一を図っているに違いない
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やがて時が経ち 時の中で濾過された感情は
改めて 正常な出口を求めて
その感情にふさわしい表情を取り戻す
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悲しい時には泣き 嬉しい時には笑い
絶望には自身を苛み
怒りには憎しみの捌け口を求めて
復讐の思いを募らせる
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この複雑怪奇な人間感情
その意識の底を読まずして 単純明快に
人の心を割り切るのは危険な事だ