無と神(2020.7.31日作)
この世は無 無 無の世界
で であるからこそ 人はそこに 様々
自分達の神を創り やれ
何々神 何々神 と それぞれ
自分達好みの衣装を纏わせ 崇め 奉り
勝手気ままに 様々 人を惑わせ 迷わせ
七転八倒 大騒ぎを している それがこの
人間社会 この世の現実 その姿
この世に 神はいない 全知全能の 神は無い 神は
人それぞれ 自身の心の内に育み 育て
自身を律する 心の糧とすべきもの
偶像神 木偶の神は いらない この世は無
無であるからこそして 人はこの世を
自身の意志 心のままに 生きる事が出来る 可能になる
無であるからこそ人は 純粋無垢な 自身の足跡 生きた証しを
その 空間に刻み 残す事が出来る
偶像神 木偶の神に囚われ 掟に従う
その世界 そこには
自身の心のままに息を吐き 息を吸い
歩みを進める場所はない
偶像神 木偶の神 その掟が総てを縛る
邪魔をする 心の自由は保てない
心の解放 自由の世界 無の世界 人が
この世を生きる 最高 最善 最良 最上舞台
最高 最善 最良 最上環境 無の世界 無の世界 こそが
真実 最高 最善 最上 最良 に 人を活かす
囚われない !
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化(あだしの)野 (2)
手探りで歩きながらの用心は闇の深い林の中では、なんの用心にもならなかった。足首を何かの蔓草に絡ませたと思った時には、猟銃を背負った体が闇の空間を泳いでいた。
空を探る手で何かに掴まろうとしたが、掴まるものがなかった。右の二の腕に肉をえぐられるような鋭い痛みが走った時には体は大地に投げ出されていた。
草の繁みの中で横たわったまま、慌てて痛む箇所を押さえた左の手のひらに破けた革のジャンパーを通して、早くも流れ出した血の感触があった。
頭の中が混乱した。鋭い痛みを伴う傷への危惧と共に様々な思いが錯綜した。
こんな闇の中で、こんな怪我をしてしまって、どうしたらいいんだ ?
疼く痛みが心臓まで達した。
その痛みを圧縮するように歯を食い縛り、力の限りに傷口を押さえた。
出血はそれでどうにか抑えられているようだった。
ーー肩に掛けていた銃がなかった。
痛みを伴う傷口を押さえたままて周囲を探した。
猟銃は繁みの中ですぐに見付かった。
安心すると共に、しばらくは傷の痛みで動けなかった。両膝を草の上についたままで疼く痛みに耐えていた。
過ぎた時間は分からなかった。痛みが幾分なりとも薄れてくるとようやく銃を取り上げ、肩に掛けて立ち上がった。
すでに夜の冷気が林の中に忍び込んでいた。
このまま、この闇の中を歩いて行ってもいいのだろうか ?
そう考えたが、闇の深い林の中ではじっとしている訳にもゆかなかった。どのような生き物がこの夜の中で活動するのか分からない。
得体の知れない生き物に体の上を動き回られることを想像すると怖気が走った。
取りあえず、歩ける所まで歩いてみよう。
そう決心すると再び、闇の中での手探りの一歩を踏み出した。
歩行は依然として困難を極めた。
倒れた時に傷付けたのか、額や頬の辺りが滲みるように痛かった。
腕の傷の痛みにその痛みが重なって、頭の動きが鈍って来るのが分かった。
気持ちをしっかり持たなければ駄目だ !
時折り薄れかける意識の中で自分を励ました。
闇の中で張られた蜘蛛の巣がしきりに顔にかかって来た。
粘つく感触が限りなく不快だった。
傷口を押さえた手の方の腕でその不快感を拭い取った。
次第に視力が闇に慣れて来た。
林立する樹々の黒い影が、おぼろげながらに判別出来るようになって来た。
暫くして。闇の中に灯りを見付けた。
眼を凝らしてみると人家の明かりのようにも見えた。
二つの小さな火の色が風に揺れるススキの穂の間に見え隠れしている。
なおも眼を凝らし、疑いを抱きながらも闇に運ぶ足が自ずと早くなっていた。
洩れる明かりは紛れもなく人家のものだった。そこが林の終わりではないらしかったが、それが人家であるのは間違いなかった。
狩猟小屋か炭焼き小屋に違いない。
闇の中で灯りに近付いた。
家の裏手らしかった。
家屋の黒い影に沿って表へ廻った。
杉の巨木とススキが家を埋め尽くしていた。
それでも表には庭と思える小さな空き地があった。
そこに出た時には一度に緊張感がほどけていた。と同時に、疼く傷の痛みが甦った。
痛みを堪え、傷口を押さえたままで入り口の戸を叩いた。
中から女の声の返事があった。
「どなたでしょうか」
若い声だった。
草深い林の中の粗末な小屋からの、若い女の声に意表を衝かれた。
戸惑いと不審を抱いたまま、それでもわたしは言った。
「夜分遅くすいません。林の中で道に迷ってしまった者なんですが、ちょっと、村へ帰る方角を教えて貰いたいと思いまして」
ーー返事がなかった。
声の主が若い女性のように思えただけに、警戒心を持たれたのだろうか、と疑った。
すると突然、眼の前の引き戸が開けられた。と同時に狭いそのすき間を通して家の中の明かりが僅かに外に流れ出た。
外から見える家の中は暗かった。上がり框(かまち)のそばに囲炉裏があって 火が燃えていた。
その火の明かりを背にして女が戸口に立った。
女の顔は判別出来なかった。逆光になっていた。姿の若い事だけが分かった。
「これから村へ帰るんですか ?」
女は闇の中に立っているわたしをすぐに見付けたらしく、言った。
だが、その声にはわたしの無謀を咎めるかのような響きが込められていた。
「はい。猟をしていて林に迷い込んでしまったものですから」
わたしはそれで、言い訳がましく言った。
「怪我をしてらっしゃるんですか ?」
闇の中でも見分けが付くのか、女は目敏くわたしの腕の怪我に視線を向けてそう言った。
「はい、林の闇の中で蔓草に足を取られたと思った時にはもう転んでいて、木の枝か何かで刺してしまったらしいんです」
わたしはまだ痛みの治まらない傷口を押さえたままで言った。
「それなら、中へ入ってすぐに手当てをした方がよろしいですよ。そんなに血が・・・」
女に言われて初めてわたしは、左手で押さえていた傷口に眼をやった。
傷口を押さえた手も、破けた革のジャンパーも流れ出た血で赤く染まっていた。
女は見も知らぬ、突然の夜の訪問者を怪しむ様子も見せなかった。まるで、日頃から親しくしている人と向き合っているかのように自然だった。
わたしの気持ちはそれでもなお、一刻も早く村へ帰りたいという思いで急いでいた。
「でも、御迷惑ではないでしょうか」
わたし煮え切らない思いのままに言った。
「いいえ、そんな事はありません。すぐに手当てをした方がよろしいですよ。そうすれば痛みも取れると思いますから。いつも怪我をした時に使っている良い薬がありまはすので」
女は心底、わたしの腕の怪我を心配するように言った。
わたしは女の心遣いに感謝の思いを深くするのと共に、傷の痛みが取れるという言葉に心を動かされた。もし、この痛みが取れるんなら・・・・
体全体が熱を持ったように熱くなっていた。その上、一日中山野を歩き廻っていたせいで疲労感も深かった。傷の痛みによる体力の消耗と疲労感ーー、わたしの気持ちは次第に女の言葉に従う方へ傾いていた。
家の中は木の枝と萱を編んで仕上げただけの粗末な造りだった。
茣蓙を敷いただけの座敷は六畳ほどの広さだった。
囲炉裏に燃える火の色が唯一、この家の明かりだった。
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takeziisan様
有難う御座います
今回も楽しい一時を過ごさせて戴きました
キヌサヤ採れすぎ 羨ましい限りです
総てが自分の自由になる まあ 努力は
要しますが それがまた 楽しいのでは
ないのでしょうか 何もない人生なんて
つまらないものです 出来ればおすそ分けに
預かりたいものです
月影のナポリ 森山加代子も亡くなりましたね
今回も様々な花のお写真 堪能しました
それにしても 何時も言うようですが 豊かな自然
コバン草初めて知りました むろん 初見です
蕗 わが家の小さな庭でも収穫しました
わたくしは蕗の葉が好きなのです 葉は皆は
捨ててしまいますが、葉だけ集めて煮付けます
むろん 灰汁だしはしますが それでも苦味が
残ります その苦味に嵌っているところです
川柳 相変わらず楽しいですね
短い言葉の中でずばり 言い切る所が爽快です
今後に御期待しています でも 御無理のないよう
イナゴ 懐かしい風景です わたくしの方には
そういう習慣はなかのですが 群れ飛ぶ景色
それは全く同じで眼に浮かびます
イチゴ泥棒 ひどい人間がいるものです
御愛嬌に一個や二個なら許せますが 人間の
本性は何時の時代も何処の地域 国に於いても
変わらないようです 困ったものです
いつも有難う御座います