幸せと辛い(2024.4.18日作)
辛い という字は
幸せ という字に
一本足りない
今が辛いのは 自分に何か一つ
足りないからだ
今の自分に後一つ 何かを一つ
自分 独自のもの 一つを見付け
加える そうすれば きっと
辛い今も 幸せな今に
変わるだろう
禅の言葉
有るけど無い
読書をするな
考えろ
考えるな
行動しろ
行動するな
考えろ
考えるな
読書しろ
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希望(19)
祭壇の傍には親族が並んでいた。
少ない親族の中でお袋さんらしい人はすぐに分かった。
骨と皮ばかりと言ったふうに瘦せていて、まだ若いはずたったが七十歳にも近い年寄りに見えた。
修二が焼香を済ませてマスターの車に戻ると北川が来ていた。
「チームの連中はみんな来るのか ?」
マスターが聞いた。
「ええ、主だった連中はみんな来ますよ。サブ(副)がみんなに知らせて置いたから。ーーお袋さん居ましたか ?」
北川が気懸りな様子でマスターに聞いた。
「お袋って言うのは知んねえけど、痩せた人が居たよ。ずっと泣きっ放しだった」
「お袋さんの顔を見るのが辛いですよ」
北川は心底、辛そうに言った。
翌日、クロちゃんの告別式が行われた。
修二は<告別式 午前十一時より、午後十二時半まで>と書かれた看板を思い出しながらだんだん忙しくなる店の中で働いていた。
たった一回、ほんの二言三言、言葉を交わしただけのクロちゃんの死が何故、こんなに心に絡んで来るのか不思議な気がした。
ずっと泣き続けていて、息をするのも苦しそうに見えたお袋さんの姿が頭から離れなかった。
たった一回、ほんの二言三言、言葉を交わしただけのクロちゃんの死が何故、こんなに心に絡んで来るのか不思議な気がした。
ずっと泣き続けていて、息をするのも苦しそうに見えたお袋さんの姿が頭から離れなかった。
クロさんは、あのお袋さんの事を心配しながら死んでいったんだろうか ?
一瞬の出来事で、何も考える暇も無かったんだろうか・・・・ ?
北川は告別式が済んだ翌日、午後十時過ぎにマスターの店に来た。
「昨日、警察が俺の所へ来ましたよ」
疲れ切った顔でぼそりと言った。
「なんだって ?」
「いろいろ聞かれたけど、俺達の走りには関係ねえんで、そのまま帰って行ったですよ」
北川にはクロちゃんの死が相当な痛手だったらしかった。
クロちゃんが居なくなって<ブラックキャッツ>に対抗出来るだろうか ?
不安そうだった。ほとんど無駄口を利かずにしきりにビールを呑んでは、思い出した様にイカの燻製を口に運んでいた。
北川が午前零時過ぎに<味楽亭>の鎧戸を叩いたのは五日後だった。
自分の名前を呼ぶ声に修二が二階の雨戸を開けて下を見ると北川が居た。
「開けてくれよ」
修二の姿を見て北川が言った。
「なんか、用 ?」
修二は、うるせえ奴だ、と思いながら聞いた。
クロちゃんに抱いた親近感とは反対に何故か、北川には素直に溶け込めない思いがあった。
修二が下へ降りて行き、鎧戸を開けると四人の男達が建物の陰に身を隠す様にして立っていた。
「ちょっと、部屋を貸してくれよ」
北川が言った。
「部屋 ? 何すんの ?」
不満を押し殺した声で修二は言った。
「相談してえ事があんだ、好いだろう ?」
北川は何故か、厳しい口調で言った。
「別に構わないけど・・・・」
不満を押し殺したまま修二は言った。
四人の男達はその間にも早くも店の中に入っていた。
北川は最後に入ると、
「シャッターを降ろしちゃってくれよ。人に見られると拙いんだ」
と言った。
修二は言われるままにシャッターを降ろした。
男達は修二に構わず二階へ上がった。
クロちゃんが来た時にも顔を見せた連中だった。
部屋へ入ると男達は勝手知った様子で思い思いの場所に座った。
誰もが無言だった。
表情には緊張感が漂っていた。
一番遅れて修二が部屋へ入ると北川がドアを閉めた。
「ちょっと、座ってくんねえか」
北川が修二に言った。
「・・・なんか、用 ?」
修二は立ったまま言った。
男達の様子に警戒感を募らせた。
「実は、おめえに頼みてえ事があんだ」
北川は立ったままでいる修二を見上げて言った。
修二は無言でいたが少しの間を置いて、
「何を ?」
と聞いた。
「おめえ、前に<金正>で盗んだナイフ、まだ持ってんだろう」
修二の眼を見詰めて北川は言った。
「持ってるよ」
修二は答えた。
「あのナイフ、使った事があんのか ?」
穏やかな口調で北川は言った。
「いや、無いよ」
質問自体が不満な様子で修二は答えた。
「使ってみてえと思わねえか ?」
北川の眼差しが一瞬、厳しくなった。
「別に・・・・」
嫌な予感を覚えながら修二は呟く様に言った。
「実はよう、おめえに頼みてえってのはよお」
修二を見詰める北川の眼差しが一段と厳しくなっていた。
その口調から修二は、ナイフを貸してくれと言うのかと思った。
「何 ?」
とだけ短く答えた。
「他でもねんだけどよ、ある人間を傷め付けて貰いてえんだ」
「傷め付ける ?」
修二は思わず聞き返した。
「うん」
北川は厳しい表情のまま頷いた。
「俺が ?」
修二は驚きと共に言った。
「うん」
北川は修二の眼を見詰めてまた言った。
「駄目だよ、そんな事、出来る訳ないよ」
思わず声を荒らげて言っていた。
冗談もいい加減にしてくれ、という思いだった。
北川はだが、真剣だった。眼差しが更に熱を帯びていた。
他の男達は黙ったまま修二と北川の様子を見守っていた。
「俺達、クロちゃんの仕返(しけえ)しをしてえんだ。クロちゃんが死んで、このままにし置くと奴等ますますのさばって来やがっから、その前(めえ)に一度、こっぴどく傷め付けてやりてえんだよ」
「でも、駄目だよ。そんな事、出来ないよ」
修二は断定的口調で言った。
「俺達も此処へ来る前にいろいろ考えたんだよ。だけっど、俺達はみんな警察にも相手の奴等にも面(めん)が割れてるんで、思うように動けねえんだよ。その点、おめえなら誰にも知られてねえし、遣り易いんじゃねえかと思って頼むんだ」
北川は言った。
「でも、駄目だよ。他の事なら兎も角、そんな事出来ないよ」
修二は言った。
「おめえに手間は掛けねえよ。段取りは一切、俺達でやっからさ、おめえはただ、ナイフを使ってくれさえすればいいんだ。おめえなら、度胸も据わってるし、動きも速えんで敢えて頼むんだよ。俺はおめえが<金正>でナイフを盗んた時の動きを見てるんで、そっで、みんなと相談したんだ」
「でも、駄目だよ」
修二は呟く様に言った。
「兎に角、俺達にしてみれば、このままクロちゃんが遣られっ放しで放って置く訳にもいかねえんだ。それじゃあ、クロちゃんにも済まねえからよお」
今まで黙っていた鳥越という男が初めて口を開いた。
「もし遣ってくれるんなら、それなりの礼はするよ」
北川が言った。
修二は黙っていた。
疲れ切った思いだった。
「今すぐでなくていいからさ、二、三日考えてみてくんねえか。返事はまた聞きに来るよ」
北川は言った。
修二はやはり黙っていた。
話しはそれで終わった。
北川は一区切り付ける様に修二を見詰めて穏やかな口調で言った。
「ちょっと、ナイフを見せてくんねえか」
そう言ってから仲間達の方を見て、
「凄えナイフなんだ」
如何にも自慢気に言った。
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takeziisan様
チム チム チェリー 思い出します 懐かしいですね
ほのぼのとした思いで聞いた当時が蘇ります
ビリー ヴォーン どれも良い曲です 若さに任せて
繁華街の夜を彷徨い歩いていた当時が思い出されます
それにしても 最近はこのように心に沁みる曲が聞かれません
最も 普段 テレビを観ないせいかも知れませんが
スイッチを入れれば下らない戯れ番組ばかりで観る気にもなれません
アマリリス全開 我が家ではクンシラン全開です
落ちた種をそのままにして置いた場所からまた芽が吹き
何時の間にか幾つもの花の群れが出来て見事に咲き誇っています
この季節の至福です
ハゴロモジャスミンも今週は全開になり むせる様な甘い香りを放っています
桜も若葉になっていよいよ春本番です
イノシシ 相変わらず笑ってしまいます
知恵比べ記事を拝見していて楽しくなります
キヌサヤ 新鮮さがじか伝わって来ます 食味の良さがしのばれます
川柳 実感出来るのは世代のせいだからでしょうか
何時も楽しく拝見しています
星取表 是非 頑張って下さい わたくしも
身体は動かさなければ衰えるばかりだ と
自分に言い聞かせ 毎朝の体操に励んでます
お陰様で薬の厄介にもならず 至って元気な毎日を過ごしていますが
年齢的衰えは如何ともしようがありません
数年前を思い 日々 老化現象を実感する毎日です
どうぞ 頑張って下さい 使わない肉体 頭脳は衰えるばかりです
何時も有難う御座います