遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(523) 小説 <青い館>の女(12) 他 騙されるな

2024-11-10 12:29:02 | 小説
             騙されるな(2024.10.27日作)


 
 一般市民 市井に生きる人々
 それぞれ自身の持ち場 
 生活環境 その中で
 妻や夫 子供達
 家族の生活 日々の小さな幸せ求め
 誠実 真摯に生きている
 ー 時には愚かな犯罪者も ー 
 誰に知られる事も無い
 世の中 社会の表に出る事も無い
 それでも 市井に生きる人々 一般市民は
 世の中 社会の礎 その役目を担い
 日々 黙々と 社会の一員 構成員として
 誠実 真摯に生きている  大言壮語
 声高に叫ぶ事も無い
 声高 叫ぶ
 浮かび 見えて来るのは
 政治家 政治に生きる人間達 その姿
 明るい未来 明るい社会
 その創造を豪語する 政治家達 実態は
 彼等の為す事 あらゆる事柄 大半 大方が
 陰の方角 悪い方へ 悪い方へ と進んで行く
 明るい未来 明るい社会 その道の
 なんと遠く 細い事か !
 明るい未来 開かれた社会 平和な国家
 政治家達の口癖 寝言が如きもの 
 その裏側 真実 
 見えない所に眼を向ける時 
 見えて来るものは
 ただ ただ 彼等の 自己顕示 権力 名誉 
 その欲望のみ
 自己顕示 権力 名誉 その為なら
 殺人さえも厭わない
 隠れた悪事 見えない汚職 なり振り構わず 突き動かされる 
 その事例 数知れず 政治家達
 真の姿は其処に有る
 国民 国家の代表 空虚な戯れ言
 騙されるな !
 大言壮語 中味は空っぽ 虚偽 虚言
 騙されるな !
 人が生きるこの世界
 真に尊く 美しいもの その姿は
 日々 黙々 真摯に 自身の持ち場を生きる
 名も無き一般市民 市井の人々
 その人々の 誠実 謙虚に生きる その姿に こそ
 人が生きる この世の真実 美しさがある
 虚偽 虚飾 大言壮語 大袈裟な 
 身振り 手振りに 惑わされるな
 騙されるな !
 総ては政治家達の 寝言が如きもの
 大言壮語に惑わされるな !




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             <青い館>の女(12)




 
 わたしは左程の驚きも覚えなかった。
 大方 予想通りの結果だったし、情報がわたしの耳に届くよりも早く妻の耳に届くのは何時もの事だった。
「あれがそう決めたのなら、それでいい。自分の責任で遣っている事なんだから」
 わたしは息子の決断には妻の意向も反映している事は知っていた。
 それに今のわたしには、敢えて息子の反対を押し切ってまで、自分の方針を貫きたいという強い意志も生まれて来なかった。
 現在、わたしに取っての最大の関心事は、わたし自身の命に係わる問題だけだった。
 それ以外にわたしの心を引き付けるものは無い。
 最早、残り少なく思われるわたしの人生。
 何時、何があってもおかしくはない状態がわたしの肉体を蝕んでいる。
 その中で、せめて自身、納得した日々のうちに最後を迎えられる人生を生きたい。
 現在の唯一の望みであり願いだった。
 わたしが生きて来た今日までの年月。その中で自分自身の人生だと言える日々が何日あっただろう。
 何事にも強引な義父と、一人娘で溺愛されて育ったお嬢さん育ちの、誰の眼も惹かないでは置かない美貌の持ち主で気位の高い妻の下、ほとんど身を屈(かが)めるようにして生きて来た人生だった。
 そんな人生の中での残り少なく思われる日々、今はただ、自分自身、納得して終われる人生を生きたいと思うだけだった。
 その朝、わたしは出掛ける直前になって、妻には三日か四日掛かりになるかも知れない、と言っていた。
 一体、何故、そんな事を言ったのだろう ?
 少なくとも、早い時刻に羽田を発って東北地方を廻り、翌日に北の街へ足を延ばして新店舗の状況を確認し、その日のうちに帰れば帰れる仕事だった。
 それでいながらわたしの口からは、妻の顔を見た途端にその言葉が出ていた。
 無意識の意識がそうさせたのだろうか ?
 わたしの心の奥の知らない何処かで、長い人生の中でこれまで経験した事の無かった、まだ幼いとも言える加奈子との出会いが無意識的にそうさせていたのだろうか ?
 北へ向かう機内でわたしは妙に寛いでいた。
 単身飛び廻る事には馴れているわたしに取って、機内で独り過ごす時間は決して珍しい時間ではなかったのだが。
 東北地方では一日掛かりで店舗を廻り、翌日、北の街へ向かった。
 北の街に着くと空港からすぐに店舗に向かい、支店長や川本部長と会った。
 営業状態に申し分は無かった。
 その夜、わたしは二人を支店長推薦の料亭へ招き、今後の課題と計画などに付いて意見を交わした。
 支店長はその席でも、
「是非、中古車販売が出来る様にして下さい。いい商売が出来ると思いますよ」
 と、自信に満ちた口調で言った。
「ロシアの漁船員達は国へ帰って自分達で商売をする為に、欲しがっているんです。それだけに品物さえ揃えられれば間違いの無い商売が出来ると思います」 
 その提案は川本部長も支持した、
 わたしは東京へ帰ったら社長と相談してみる、と答えた。
「今は片手間でやっている様な部品販売でも、結構、いい利益を産んでいますからね」
 川本部長は言った。
   わたしが料亭を出たのは九時過ぎだった。
   支店長が今度もタクシーを呼ぼうと言ったが、わたしは断った。
「ホテルまで歩いて帰るよ」
「此処からは、結構、距離がありますよ」
 支店長は言った。
「うん、構わないよ。酔い覚ましだ。それに新店舗の夜の様子も見てみたいし」
 冗談に紛らして言ったが、この時、わたしの意識の中には青い館への思いは全くなかった。 
 それでいて、その言葉が口を出ていたのは、やはり無意識的意識の為させた業だったのだろうか ?
 海岸ホテルには料亭に席を取った時に予約を入れていた。
「明日の朝はタクシーで空港まで行くから車の心配は要らない」
 二人と別れる時、支店長が気を利かせて車を手配するかも知れないと思い、断りを入れて置いた。
 ホテルまでの道の途中、営業時間も終わって北の街の広々とした空間に大きな建物の影を浮かび上がらせている新店舗の前を通った。
 この前歩いた距離より遥かに遠い距離だったが、建物の堂々とした趣に何んとはない満足感を覚えながら、何時の間にか「<青い館>の女」のある以前の通りへと足を運んでいた。
 これもまた、無意識裡の行動と言えるかのも知れなかった。
 行く手にやがて「<青い館>の女」のネオンサインが小さく見えて来た。
 年甲斐も無く微かな胸の鼓動を覚えていた。
 当初、わたしの意識の中には<青い館>への思いは全く無かった。
 それが部長達と別れて歩いて来るうちに何時の間にか、この道を辿っていた。
「<青い館>の女」のネオンが見えた時には、まだ幼く、二十歳そこそこと思われる加奈子の面影が脳裡に浮かんでいた。
 今夜は人影も疎らな北の街に霧は無く、石畳の歩道に沿って立ち並ぶ街灯が並木の陰で早くも寝静まった気配の静寂を際立たせて、白い光りを放っていた。
 その道を歩いて行くに従って、次第に大きくなって来る青いネオンサインの看板を眼にしたまま、わたしの気持ちはなお、揺れ動いていた。
 このまま、歩いて行ってもいいんだろうか ?
 もし、この前、わたしを誘った客引きの男がいたらどうしよう ?
 年甲斐も無く、また、ピンクサロンに遊びに来たのか、と思われたりしないだろうか ?
 男の軽蔑的な眼差しを想像すると気持ちが萎えた。
 その時は、無視して通り過ぎてしまおう。
 わたしはこの時、まるで性に飢えた少年の様におろおろしながら迷っている自分に抑え難いまでの嫌悪を覚えて、惨めさに打ちのめされた。
 落ちぶれ果ててボロボロになった自分を見る気がして寂寥感に襲われた。
 一層、今、此処に居る自分の一切を投げ捨てて真っ直ぐホテルへ帰ろうか ?
 半分、現役を引退してしまった様な現在の自分だったが、それでもわたしはなお、<スーパーマキモト>の会長として、多少なりとも人々の尊敬を受けている。
 その、尊敬を受けるに相応しい人間に立ち戻ろうか ? 
 野良犬の様に人目を避けて、年甲斐も無く見知らぬ土地のピンクサロンの若いホステスへの思い入れを抱いて、夜の街などを彷徨っていないで。
「社長、どうですか。いい子が居ますよ。若くてピチピチした子ばっかりですよ。ちょっと寄っていって下さいよ」
 その時、思いがけず声を掛けて来たのは、この前の男ではなかった。
「一万円、一万円でいいんですよ」
 寄り添う様に身を寄せて来たのは、憎めない笑顔を浮かべた丸っこい身体の背の低い男だった。
 わたしは男を無視して歩いた。
 男はこの前の男の様にしつこかった。
「一万円でいいんですよ、社長。ちよっと、遊んでいって下さいよ」
 男は右手の人差し指をわたしの前に突き出しながら言った。
「本当に一万円でいいのか ?」
 わたしは男をからかう様に言った。
「勿論ですよ。嘘だと思って入って下さいよ」
「いい子が居るって言うのに、嘘は無いんだろうな」
「本当ですよ。嘘なんか言いませんよ」
 男は一層力を込めた口調で言って絡み付いて来た。
 わたしは男に押し出される形で「<青い館>の女」の入口に立っていた。

「誰か、御指名の子は居ますか ?」
 店内に入ってからの問い掛けも同じだった。




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                takeziisan様


                奥様 快復 順調との事 何よりです
               拝見してる方もホット 一安心です
               こういう事は 若くて元気な時には気付かないものですが  
               自身 あと何年 と死の意識から逃れられない日々を送っている身には
               他人事ながら身に詰まされる思いが込み上げて来ます
               どうぞ お二方 お元気に日々をお過ごし下さい
               人間 究極は独り 何時かは 生も死も一人の道を辿る事になる
               その中で 生きるのだ 生きている限りは 日々 より良く生きるのだ
               その思いで頑張って下さい
               二人で居たものが独りになる 身体の片側を削り取られたと同じ事
               NHKテレビの画面の中で 八十代の奥様を失くした男性が
               毎日 なんの為に生きているのか分らない と呟いていましたが
               人生最晩年になると出来る事も限られて来ます
               孤独感は増すばかりです 
                余計な事を書きましたが どうぞ 奥様にはリハビリに励んで戴いて
               一日も早く日常に戻れる様 頑張って下さい
               人間 気力を失くしたら終わりだと思います
                相変わらず畑と野菜の写真 心洗われます
               何時も羨ましく拝見しています
               サトイモ さあ どうする ?
               大根 あれで今ひとつ ?   
               雑草の花 単調の中に咲く小さな何気ない花  
               何故か 心ほのぼのする絵です
                お忙しい中 楽しい写真 有難う御座いました